パラドックス(paradox)とは、ギリシャ語で「矛盾」「逆説」「ジレンマ」を意味する言葉。数学・哲学の分野では「一見間違っていそうだが正しい説」もしくは「一見正しく見えるが正しいと認められない説」等を指して用いられる。
主に矛盾と同義の言葉で用いられる言葉であるが、厳密には「見かけ上の真偽と本当の真偽が逆転(矛盾)している命題」といえる。「パラドクス」と表記される事もある。
パラドックスについて言葉で説明しようとすると大半の方にとっては頭の痛い文章が並ぶ事になると思われる為、ここでは著名なものからネット上に散らばるものまで、パラドックスと呼ばれる論理・エピソード等を幾つか紹介させて頂く。
詳細は各記事を参照のこと。
全能者は何者にも持ち上げられない石を作る事ができるか?そして、全能者はその石を持ち上げる事ができるか?
ちょっと捻ったパターンとしては、「全能者は自分が飛び越えられない壁を作り上げた時、その壁を飛び越える事ができるか?」「全知全能の神が存在する事を証明できるか?」というのも。
「ある決められた期間内に抜き打ちテストを行うことはできない」というパラドックス。
仮に、舞台を高校の授業中とする。教師が月曜日に「今週中に抜き打ちテストを行う」と予告する。
すると、生徒は木曜までにテストが行われない場合、金曜日にテストが行われることがわかってしまう。従って、金曜日にはテストはできない(抜き打ちでなくなってしまう)。金曜日にテストができないので、水曜日までにテストが行われない場合、生徒は木曜日にテストが行われることがわかってしまう。従って、木曜日にもテストはできない。以下同様に考えていくと、月曜日にもテストはできないことになってしまう。
しかし、できないはずのテストは教師の都合でいつでも可能であるし、結局生徒にはそれを予測できない。
解消法:
例1:『抜き打ちテスト』の定義を『ある時点まで』出題タイミングが予測できないテストとすると、木曜日の時点まで出題タイミングを予測出来なかったのは確かなのだから、金曜日にテストを行なってもなんの問題もない。
例2:『抜き打ちテスト』の定義を、『テスト直前まで』出題タイミングが予測できないテスト、とする。この場合このパラドックスの論理に問題はないが、現実問題として『テスト自体の実行』のほうが、『抜き打ちというレギュレーションの順守』よ りも優先されるため、木曜日までにテストができなかった場合、教師は金曜日にテストを強行せざるを得なくなる。よって現実では『金曜日にテストを行えない』という言説は意味をなくし、よってこのパラドックス自体が破綻する。この解釈においては、このパラドックスは理論的には正しいが、混沌とした社会はもっと曖昧で応用の効くルールで動いている(大人はウソをつく)、ということになる。
砂山から砂粒を数粒だけ取り除いてもそれは砂山であるが、同じ動作を何度も繰り返した結果、最終的に一粒だけ残った砂粒を先程と同様に「砂山」とは呼べるのか?
「ハゲのパラドックス」「長身のパラドックス」等のバリエーションもある。ハゲのパラドックスに関しては、『数学的帰納法』の項目の適用されない事例に詳しいので参照のこと。詳細は同記事を参照。
SF作品等で登場する題材の1つにして、タイムパラドックスの一種。子供が自分が生まれるより以前の過去の世界へ赴き、自分を産む前の若い頃の母親を殺害する。すると、自分を産んだ人間は現代に存在しなくなってしまうため、子供自身も一緒に消滅してしまう。しかし、これによって子供は未来から母親を殺しにやってくる事ができなくなり、母親はやっぱり生きていて、子供はちゃんと産まれ、子供は母親を殺しに来れて・・・という無限ループ。
「生まれて間もない頃の自分自身を殺害すると?」というバリエーションも存在する。
掲示板
急上昇ワード改
最終更新:2024/10/06(日) 19:00
最終更新:2024/10/06(日) 19:00
ウォッチリストに追加しました!
すでにウォッチリストに
入っています。
追加に失敗しました。
ほめた!
ほめるを取消しました。
ほめるに失敗しました。
ほめるの取消しに失敗しました。