ギル(Gill)とは、カプコンの対戦型格闘ゲーム『ストリートファイターIII』シリーズなどに登場する架空の人物である。
初登場はアーケード版『ストリートファイターIII New Generation』で、ラスボスとして登場した。
その後『2nd IMPACT』ではキャラクターごとに最終ボスが変わるため、必ずしも最終ボスとは限らなくなったが、その場合でも1つ前で出現するため、必ず対戦することになる。
『3rd STRIKE』では再び全キャラクターのラスボスとして君臨する。
普段(戦闘前デモなど)は古代ローマ時代のトーガ(ローブ)のような服を着用しているが、戦闘開始と共にクロスアウッ!し、褌一丁の変態的な…いや勇ましい姿へと変容する。
最大の特徴はその体色で、正中線を境に右半身は赤色、左半身は青色という、およそ人間とは思えない様相を呈する。これら右半身と左半身は使用できる能力がそれぞれ異なり、右半身は炎、左半身は氷のダメージ演出が入り、技名やセリフなどもそれぞれ違う。
しかも対戦中にキャラクターのポジションが左右入れ替わっても色はきちんとそのままという、反転表示が当たり前だった当時の2D格闘ゲームでは非常に珍しい演出であった。
また『3rd STRIKE』でのギルは「天帝」となった設定からか、一部演出を除いて常に体が発光している。
CVは、『ストリートファイターIII』シリーズでは海外の声優であり常に英語で話すが、『ストリートファイターV』では立木文彦氏が担当している。
当時の対戦格闘ゲームのCPUとしては、ラスボスとはいえ破格の強さを誇り、ストIIシリーズで腕をならしてきた熟練プレイヤーたちですら当初はまるで歯が立たなかったほど。ちょうど初期のKOFシリーズのラスボスや、スパIIXのCPU乱入豪鬼をご存知であれば、想像に難くない。
とくに体力を全回復するスーパーアーツ(SA)の「リザレクション」を初めて見たときは、みな開いた口が塞がらなかったという…。
それでも攻撃力や耐久力は並であり、何とかして攻略の糸口を掴もうと、みな台に100円玉の山を積み重ねたという…。
『2nd』『3rd』とバージョンを重ねるにつれ新たなSAを携えて君臨するギルは、皆の目にまさに天帝そのものに映ったことであろう。
…とはいえ、CPU戦ですらまともにクリアしてエンディングを見るのに難儀するというこのゲームバランスこそが、ストIIIシリーズが初心者に受け入れられなかった原因であり、ギルこそはその張本人ともいえるキャラクターだったのかも知れない。
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最終更新:2025/12/06(土) 21:00
最終更新:2025/12/06(土) 21:00
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