レインボーライン(競走馬) 単語


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レインボーライン

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レインボーライン(Rainbow Line)とは、2013年生まれの日本の競走馬。

安平町・ノーザンファーム生産、栗東・浅見秀一厩舎所属、馬主は三田昌宏氏。
主な勝ち鞍
2018年天皇賞(春)(GⅠ)
2018年阪神大賞典(GⅡ)、2016年アーリントンC(GⅢ)

「水かきのついた馬」と「善戦」の血脈

父ステイゴールド、母レーゲンボーゲン、母父フレンチデピュティという血統。
父は現役最後に香港でGⅠを制し、種牡馬としても三冠馬オルフェーヴルを筆頭に数多くの活躍馬、癖馬を送り出す「黄金旅程」。母は現役時代1勝。母父はクロフネなど芝ダートを問わず産駒を送り出し、近年母父として頭角を現している。
半姉にローズS優勝馬でGⅠ2着2回のアニメイトバイオ、近親にはセキテイリュウオー(重賞2勝、天皇賞秋2着2回)やエースインザレース(兵庫JG、全日2歳優駿2着)などがいる。この一族はGⅠ制覇までかなり惜しいところまでは来ているが、勝ち馬は出ていなかった。

しかし、血統表で一際威光を放っているのは、母母父の「レインボーアンバー」であろう。
このレインボーアンバー、1989年に弥生賞を制し、春のクラシック戦線を離脱せざるを得なかったものの菊花賞を2着に入るなどそこそこ活躍した馬だが、その勝った弥生賞が不良という言葉では足りない、最早水田とも言うべき極悪馬場であった。怪物候補のサクラホクトオーが不良馬場に沈没し、逸走する馬が出る中、レインボーアンバーだけが平然と走り抜け大差勝ちを収めたのである。
その後種牡馬入りしたが、地方重賞馬を出しはした程度だった。だが僅か2頭だけ繁殖牝馬となった片割れのレインボーファストが兵庫JG優勝馬エースインザレースを出し、その半妹がレインボーラインの母、レーゲンボーゲンである。

ノーザンファームで生まれたレインボーラインは1歳セレクトセールで5400万円で落札された。

虹色の旅程

4歳春まで

2015年8月の札幌にデビューを迎え、2番人気に推されたデビュー戦は2着、続く未勝利戦も2番人気で2着だったが、札幌開催の最後に1番人気に推され初勝利を挙げる。

その後5頭立ての萩Sを3着。東スポ杯2歳Sを9着、自己条件に戻り千両賞を勝ち2勝目を挙げる。
年明けシンザン記念を6着に敗れるも、M・デムーロを鞍上に迎えたアーリントンカップでは最後に数頭が横に広がる接戦となったがハナ差抜け出て重賞初制覇を挙げる。続くニュージーランドTは後方から追い上げるも届かず5着に敗れたが、本番NHKマイルカップでは12番人気に反発するように中段から追い上げてメジャーエンブレムの3着に好走。続けて挑んだ東京優駿は8着に敗れた。

休養を挟んで札幌記念に出走すると、ネオリアリズム、モーリスに次ぐ3着に好走。変則ローテかつ春の実績から距離が長いと見られたか9番人気で迎えた菊花賞だが、これに反発するように後方から力強く追い込むものの、サトノダイヤモンドに2馬身半離された2着。続くジャパンカップは後方から上がり最速で突っ込むも6着。ここで3歳シーズンを終了した。

4歳シーズンは日経賞からスタート。2番人気に推されたが4着に敗れ、続く天皇賞(春)では後方から伸びきれず自己最低となる12着に敗れる。続く宝塚記念では岩田康誠が鞍上を務め、前を目指すも伸びを欠いて5着と、ある程度は好走するも脚が伸びないレースが続いた。

4歳秋

秋シーズンは天皇賞(秋)からスタート...だったが、前週に行われた菊花賞同様、東京にも台風が襲来し、馬が走れば水飛沫が飛ぶまさに不良馬場。当時現役最強馬だったキタサンブラックと重馬場の鬼サトノクラウンが人気を集めており、実績の少ないレインボーラインは13番人気(59.6倍)。

しかしこの時、フジの福原アナをはじめ、血統派の馬券師や血統表を見た複数の人がポツリと

「この馬にはレインボーアンバーの血が流れている...」

レースでは後方を追走し、出遅れたものの荒れた内側から一気に抜け出たキタサンブラックと、それに猛追するサトノクラウンが叩き合いを繰り広げる中、レインボーラインは不良馬場を苦にする事無く、鞍上の岩田康誠が驚く程の末脚を発揮。前2頭に2馬身半差つけられたものの3着に好走し、4着リアルスティールに5馬身差をつけ重馬場適性の高さを十分に知らしめた。

その後王道路線を進むもジャパンカップ6着、有馬記念8着に終わり、4歳シーズンは未勝利で終わった。

5歳

5歳に入ったレインボーラインは充実期を迎える。
初戦に選んだ阪神大賞典では菊花賞2着馬で京都記念を勝ってきたクリンチャーが1番人気、ステイヤーズS3連覇など長距離の雄アルバートが2番人気で、それに続く3番人気に推されたレインボーラインは、4コーナーを外から回り、直線で一気に抜け出すと勢いは止まらず、内に切れ込みながらもそのまま押し切る横綱相撲で重賞2勝目を挙げ、およそ2年ぶりとなる勝利となった。

そして迎えた天皇賞(春)。同レースを連覇していたキタサンブラックが引退、サトノダイヤモンドが4月の大阪杯を選択した為、長距離路線はこれまで辛酸をなめ続けたシュヴァルグランが代表格となり、本番でも1番人気(3.0倍)はシュヴァルグランであった。そしてそれに続く2番人気(6.0倍)が本馬、レインボーラインである。鞍上は宝塚記念より務めていた岩田康誠。

10度目のGⅠ挑戦となる天皇賞本番。いつものように中段後方から折り合いをつけてレースを進め、じっくりと構えていく。直線に入ると比較的外目にいたが、馬群を縫うようにして脚を伸ばしながら内に入っていき、先頭で押し切りを図るシュヴァルグランの内を急襲。岩田康誠会心のイン突きである。残り50m付近から内レインボーライン、外シュヴァルグランの叩き合いとなり、最後にクビ差抜け出したのはレインボーライン。春の盾で念願のGⅠタイトルを獲得。岩田康誠は中央GⅠに限れば2015年桜花賞(レッツゴードンキ)以来のGⅠ勝利となった。

しかし、入線後。様子がおかしい。岩田がレインボーラインから降りている?

入線後に1, 2コーナー中間地点で岩田騎手がレインボーラインから下馬。この時テレビの解説者達は前脚の負傷を指摘。歩く度に首を大きく上下に振るレインボーラインと、首筋に手を当てて宥める岩田康誠。その後係員がレインボーラインを預かり、検量室や勝利インタビューへ向かった岩田だが、その顔に笑顔は無く、主役不在の中口取りが行われた。

レインボーラインは馬運車で運ばれ、その後JRAの公式発表があるまで皆落ち着かない時間が続いた。京都競馬場にあるライスシャワー碑に無事を祈る者も数多くいた。
その後、「右前肢跛行」と診断された。この跛行(ハ行、はこう)という症状は「現状何かしらの異常が見受けられ、精密検査する前の段階」という状態で、命に別状は無いが詳しい診断結果は精密検査をしなければ分からないという状況である。だから跛行くらいでレース回避するなとか言っちゃ駄目よ
その後1ヶ月にわたり治療が施されたものの、残念ながら競走復帰を断念し6月6日に競走馬登録を抹消、引退する事となった。最終的な診断結果は「右前繋部浅屈腱不全断裂」。引退後、優駿スタリオンステーションで種牡馬入りが決定した。

競走能力喪失という代償こそ支払ったものの、乾坤一擲のイン突きは春の盾を射止めるに至った。
彼の旅程は未だ半ばである。これからの産駒の活躍に期待したい。

ただ、2022年9月10日に用途変更になっている。2022年に初年度産駒がデビューなので、成績面によるものとは考えづらい。何があったのだろうか?

特徴、その他

  • レインボーラインの4戦目、5頭立ての萩Sは出世レースとなり、1着ブラックスピネル、2着スマートオーディン、5着プロフェットが後に重賞を制し、4着ノーブルマーズが重賞勝ちこそ無いが宝塚記念3着など重賞戦線で活躍している。
  • 3歳時はマイル~中距離でそこそこ活躍したが、3歳秋に菊花賞を2着に入って以後中長距離路線に歩を進め、5歳で天皇賞(春)を勝つという、珍しい経歴である。96年以降NHKマイルカップ出走馬が天皇賞(春)を制したのはレインボーラインが初である。というかグレード制導入後に3歳時にマイル重賞を勝った馬が天皇賞(春)を勝ったのもレインボーラインが初である。

血統表

ステイゴールド
1994 黒鹿毛
*サンデーサイレンス
1986 青鹿毛
Halo Hail to Reason
Cosmah
Wishing Well Understanding
Mountain Flower
ゴールデンサッシュ
1988 栗毛
*ディクタス Sanctus
Dronic
ダイナサッシュ *ノーザンテースト
*ロイヤルサッシュ
レーゲンボーゲン
2002 栗毛
FNo.19
*フレンチデピュティ
1992 栗毛
Deputy Minister Vice Regent
Mint Copy
Mitterand Hold Your Peace
Laredo Lass
レインボーファスト
1992 栗毛
レインボーアンバー アンバーシャダイ
イーデンブルース
レインボーローズ *ファーストファミリー
*プティットアミ

 

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曾祖父の暴れっぷり。

関連項目

  • 競馬
  • 競走馬の一覧
  • ステイゴールド産駒
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