ヘイロー(Halo)とは1969年生まれのアメリカの競走馬。
かのSt. Simonに匹敵する気性難を抱えた良血馬で、種牡馬として大成功を収めた。サンデーサイレンスの親父と言えば、多分分かってくれると思う。
馬名は「後光、光輪」という意味で、欧州の絵画で見られる、頭の後ろにある光の輪がそれ。
父Hail to Reason、母Cosmah、母父Cosmic Bombという血統。
父は全米2歳王者にして名種牡馬、母もそこそこ優秀な競走馬である。母父は2歳戦を中心に活躍したが、種牡馬としてはさほど活躍していない。
母Cosmahの母、つまり本馬の祖母にはAlmahmoudという馬だが、彼女は世界的名牝系の祖である。
そんなに? Northern Dancerの母Natalmaの母親です。
NatalmaとCosmahが繁殖牝馬として大成功したゆえ、現代サラブレッド界においてAlmahmoudの血量は結構な量が含まれている。日本ではNorthern Dancerとヘイローの血が多く入り込んだことから、Almahmoudのクロスを持つ馬もそこそこ見られる。
つーわけでヘイローはNorthern Dancerのいとこ同士の母父がマイナーだけど超良血馬である。
そのヘイローだが気性がとんでもなく荒い。父Hail to Reasonが暴れん坊ながら聡明で、人に対しては割と従順だったエピソードが残っているが、ヘイローは人間を殺しにかかってくる。
どんなレベルかと言えば、「厩務員の腕に噛み付き振り回す」とか「押し倒して腹パン」とか「放牧時は口籠を付けて放さなければならない」とか「動物を平然と殺す」とか……*サンデーサイレンスですらここまでやらんぞ。ちなみに海外の気性が激しい種牡馬について記述した記事(外部リンク)があるのだが、そこで思いっきり"Psychotic(精神異常者)"と書かれている。
なお、この気性難は「厩務員から虐待を受けた」為だという記事(外部リンク)も存在する
アメリカの名門牧場ゲインズウェイファームに生まれ、名伯楽ミラー調教師に預けられる事となった。
その競走馬としてのヘイローだが、良くて一流半という成績である。
5歳まで走って31戦9勝、一応芝GIのユナイテッドネイションズハンデキャップを優勝している。他にも良績は芝に偏っている。アメリカの芝路線はダートで駄目だった馬が行く所で、レベルも決して低いわけではないが、如何せんダートで走る馬に比べると二線級扱いされるのである。
ただレース中放馬したとか競走中止したとかの逸話は残っておらず、去勢もされていないのでレースでは真面目に走る馬だったのだろうか。
引退後はメリーランド州で種牡馬入り。ケンタッキーに近い所だが、決して馬産の中心地ではない。
種牡馬入り後、初年度産駒からGI馬Glorious Songを輩出。少し間を空けてケンタッキーダービー馬Sunny's Halo、最優秀2歳牡馬Devil's Bagを送り出し、1983年の北米リーディングサイアーとなる。
翌年にケンタッキー州ストーンファームへと栄転。繁殖牝馬の質が一気に上がると、GI競走7勝を挙げた全米のアイドル・*グッバイヘイローが誕生。
1986年に自身の代表産駒、ケンタッキーダービー、プリークネスステークス、ブリーダーズカップクラシックを制した1989年年度代表馬・*サンデーサイレンスが誕生する。この*サンデーサイレンスの活躍もあり1989年に再び北米リーディングサイアーの栄光に浴す。
ただ1987年に*ジョリーズヘイローを出して以降GI馬は現れず、リーディング上位からは消えることとなる。
1997年に種牡馬を引退、2000年に死亡。享年31歳と荒々しい気性を持ちながら長生きした。
まず、サイアーラインについて話していこう。
更にヘイローは母父として優秀であり、初期の代表産駒Glorious SongからSingspiel、Rahy、*グランドオペラといった優駿や名種牡馬が輩出され、*グッバイヘイローからキングヘイローが出た。
近年は「ヘイローのクロス」が競馬シーンを賑わせつつある。
2011年のドバイWC優勝馬ヴィクトワールピサや皐月賞馬ロゴタイプ、ヴィクトリアマイル連覇のストレイトガールらが全て「ヘイローの3×4」という近親配合を有している。またリファールとはニックスの関係にあると言われているが、近年脚光を浴びている母父キングヘイローの快進撃も血統を紐解くとその多くにヘイローとリファール双方のインブリードがかかっており、さらに前述のニックスも絡んでいるという背景が浮かんでくる。
ヘイローの血は現代競馬を欠かせないものとなっている。繁殖牝馬にも十分に入り込んでおり、既に彼の血は(あまり知りたくない荒い気性のエピソードと共に)古典レベルにまで語り継がれている。
Hail to Reason 1958 黒鹿毛 |
Turn-to 1951 鹿毛 |
Royal Charger | Nearco |
Sun Princess | |||
Source Sucree | Admiral Drake | ||
Lavendula | |||
Nothirdchance 1948 鹿毛 |
Blue Swords | Blue Larkspur | |
Flaming Swords | |||
Galla Colors | Sir Gallahad III | ||
Rouge et Noir | |||
Cosmah 1953 鹿毛 FNo.2-d |
Cosmic Bomb 1944 黒鹿毛 |
Pharamond | Phalaris |
Selene | |||
Banish Fear | Blue Larkspur | ||
Herodiade | |||
Almahmoud 1947 栗毛 |
Mahmoud | Blenheim | |
Mah Mahal | |||
Arbitrator | Peace Chance | ||
Mother Goose | |||
競走馬の4代血統表 |
クロス:Blue Larkspur 4×4(12.5%)、Pharos 5×5(6.25%)、Plucky Liege 5×5(6.25%)
掲示板
21 ななしのよっしん
2022/12/02(金) 09:20:06 ID: 67uZ9PdQ7G
22 ななしのよっしん
2023/07/16(日) 11:20:55 ID: /B7olChuAx
セントサイモンとどっちが荒っぽいか比べられるほどの気性難の持ち主。
23 ななしのよっしん
2023/12/30(土) 08:12:28 ID: 8DbKOHmVKA
オーギュストロダンは見た目に関して祖父似と言われたりすることが多いけど、どちらかというと曽祖父のヘイローの方が風貌は近い。代を経て凶暴さは緩和されたが、調教師から変わり者と言われる性格を得るに至ったというね
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最終更新:2024/12/15(日) 07:00
最終更新:2024/12/15(日) 07:00
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