歩きスマホとは、歩きながらスマートフォン(もちろんフィーチャーフォン(ガラケー)も含む)を操作する行為である。
スマートフォン(スマホ)に限らず携帯電話を操作していると、それに夢中になって視野が狭まり、一緒にイヤホン(ヘッドホン)を付けていると目だけでなく耳もスマホに奪われるので周辺の状況に気付きにくくなる。このため危険が予知・回避しにくくなり様々な危険に巻き込まれたり、または周囲の人を巻き込んでしまう、などといった行為。
「何かを操作しながら歩く」現象自体はスマホに限らず、スマホが誕生する以前の従来型のフィーチャーフォン等の時代から存在したが、スマホが普及してからは歩きスマホとされる行為が急増したとされている。
歩行者とぶつかる、駅でホームから転落、つまずいて転倒、さらには側溝や川に転落、という事例が一般的に知られるが、悪質なケースになるとぶつかった相手にケガを負わせる、道路の踏切に気づかないまま進入する、といった事例も存在する。
また、自転車を漕ぎながら、バイクや車を運転しながらスマートフォン・携帯電話を操作する「ながらスマホ」と呼ばれる行為も見受けられる。ちなみにこれらは道路交通法によって禁じられているので、違反者には違反切符が切られる。
歩きスマホそのものを罰する法律は日本には存在しないが、アメリカのニュージャージー州フォートリーでは、歩きスマホを禁止する条例が2012年に成立している。(違反者には85ドルの罰金が課せられる)
歩きスマホが危険な行為である事は科学的にも立証されている(関連動画も参照)。
だが、歩きスマホの何がそこまで危険なのかをここでは改めて記述する。
いずれも怪我および命の危険性があるので、歩きスマホは絶対にやらないで下さい。
上述の通り、歩きスマホをしていると周囲の様子が見えないし聞こえにくくなる。
そのため、すれ違う通行人に衝突するのみならず壁や電柱に自分がぶつかったり、足元の障害物や段差に気づかず転倒してしまうなど。
また、耳をイヤホンで塞がれている場合は近くで足音やクラクションの音がしても気が付かなくなる事もある。「そんなことはありえない」と思うかもしれないが、人間は耳だけではなく意識もスマホに集中しているとすぐ近くの周囲の音にまで注意が働かなくなってしまうのである。その結果、人や自転車などがいても気づかずにぶつかってしまう。
誰かとぶつかった事で自分がケガをするならともかく、歩きスマホが原因で相手がケガを負ったら大変な事になる。まして、駅のホームでぶつかった相手を線路へ押し出した、道を歩いていて信号を待っていた相手を道路へ飛び出させた、などという事になれば取り返しがつかない。
他にも、ぶつかった相手が子供や高齢者であれば打撲や骨折などの重傷を負わせるケースすら考えられる。
なお、もし歩きスマホしていたせいで道路に飛び出し車に轢かれた場合、過失や法的責任は全てその車のドライバーに降りかかる。そうなると何も悪くないにも関わらず、入院費用なども全てドライバーが負担するという理不尽な事態となるのである。
歩きスマホで入院した側は、前方不注意による自業自得で片付くのだろうが車のドライバーからしてみればたまらない話だろう。
自分が障害物や他人にぶつかってしまう危険性は勿論、歩きスマホ(ながらスマホ)は周辺に注意を払えないので無防備な状態になってしまう危険性も合わせ持っている。
何かが飛んできても、その事実に気づけないのでキャッチする事も避ける事もできない。後述する「当たり屋」もそうだが、暴行を働こうとする犯罪者や荷物を奪おうとしているひったくりが接近してきたら、気づいた時にはもう手遅れという事態になりかねない。
護身術や防犯知識をいくら身に付けていようと、危険を察知できなければ役に立たないだろう。
歩きスマホとは、自分自身を危険に晒す行為ともいえるのである。
歩きスマホの「周囲の様子が見えない」事に付け込んだ、近年発生している歩きスマホ相手の当たり屋行為。
具体的には、歩きスマホや自転車で「ながらスマホ」をしている相手にわざとぶつかって、因縁や難癖をつけたり、「ぶつかったせいでスマホ(または他の物)が壊れた、弁償しろ」とスマホ歩きしていた相手を加害者に仕立て上げて数千~数万円の賠償金を払わせる、というもの。
ぶつかられた当人も、「周辺を確認していなかった自分が悪い」と被害を訴えにくい上にぶつかる直前の状況が一切わからないので「自分に過失があるのかも・・・」と身に覚えのない事を錯覚する事態になる。
因縁をつけられるだけならともかく、壊れたスマホを拾って見せて「スマホが壊れた」と弁償を求めるケースもある。勿論、本体機能や液晶が壊れたスマホをあらかじめ用意しておきぶつかると同時に落とす計画的犯行だが、歩きスマホしていた当事者を騙すには十分、というわけ。
もっと手の込んだ犯行になると100均で用意してきた皿や壺などを歩きスマホ者にぶつかってわざと割って、数万円の陶器と偽って大金を請求する事もある。また、人通りの少ない道で歩きスマホ者を待ち伏せしぶつかった相手を複数人で囲んだり、「自分も見てました!」「あの人がぶつかったのを見ました!」と第三者を装って共犯者が当たり屋を援護する悪質なものもあり、もはや逃げる事もままならなくなる。
無実を訴えようとしても「お前スマホ見て歩いてたじゃねえか!」と言われれば、咄嗟に上手く言い返す言葉はなかなか出てこないだろう。
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最終更新:2024/05/01(水) 01:00
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