2020年度新人選手選択会議

• ドラフト会議　>　2020年度新人選手選択会議

2020年度新人選手選択会議（ドラフト会議）とは、2020年10月26日に行われた第56回目プロ野球ドラフト会議である。名称は「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」。

8年連続で協賛者は大正製薬株式会社が務める。新型コロナウイルスの感染防止のため、ドラフト会場は無観客での実施となるが、現地会場ではなくオンライン中継への招待という形式で一般ファンの公募は継続している（12年連続）。開催日時は2020年10月26日（月）の17：00から。場所はグランドプリンスホテル新高輪。

新型コロナウイルスの影響

ペナントレース同様、2020年のドラフト会議もまた新型コロナウイルスの影響を大きく受けた。

まずプロ野球開幕の延期に伴い、2020年11月5日に開催予定だったドラフト会議が、10月26日に前倒し。ペナントレース中のドラフト会議は、2007年の高校生指名会議以来となる。これにより2巡目以降の指名順は、ドラフト前日である2020年10月25日の試合終了時点の順位に則ることになった。

さらに12球団首脳陣が一堂に会する状態から、各球団ごとに個室で隔離しリモートで実施する形式に変更。1巡目指名競合のくじ引きのみ、各球団代表者が別室の会場で集まって行うことになった。また今回は無観客での実施となるが、代わりにZoomのオンライン実況ルームへの招待という形式で一般ファンの観覧を公募している。

それに加え、プロのスカウト活動にも影響が出ている。スカウトは学校・企業等への立ち入りが制限され、選手の能力を見る機会が減った。また春・夏の甲子園といったアマチュア野球の各大会が中止されたことにより、選手間のクロスチェックも困難となる。こうした状況を踏まえ、NPBと高野連は史上初となる「プロ志望高校生合同練習会」を実施した。

指名順

1巡目の指名は入札抽選で行われ、全球団が確定するまで繰り返し行う。

2巡目以降は、偶数順目が球団順位（ドラフト前日である2020年10月25日試合終了時点のもの）の逆順、奇数順目が球団順位順で指名が行われる。2019年からは1年おきにセ・パ交互で優先権が変わることになったため、今年はパ・リーグが優先権を得ている。

指名順	オリックス	ヤクルト	日本ハム	広島	楽天	DeNA	西武	阪神	ロッテ	中日	ソフトバンク	巨人
1巡目	12球団同時入札・抽選
2巡目	13	14	15	16	17	18	19	20	21	22	23	24
3巡目	35	34	33	終了	32	31	30	29	28	27	26	25
4巡目	36	37	38		39	40	41	42	43	44	終了	45
5巡目	…								48	47		46

• 各球団は10名まで指名が可能。ただし、全体で120名（国内独立リーグ所属選手と海外プロリーグ所属選手は含まない）に達していない場合は、11人目以降の指名をしてもよい。
• 新人選手選択会議を終了した時点で指名選手が合計120名（同上）に達していない場合、引き続き希望球団参加により「育成選手選択会議」を行われる。
• 今回から、いわゆる「田澤ルール」が撤廃された。

1巡目指名

高校生216名、大学生158名の合計374名がプロ志望届を提出。

高校生では、最速154km/h右腕の高橋宏斗（中京大中京）が目玉で、地元の中日が事前に1位指名を公言。そのほか、2019年夏の甲子園で評価を上げた中森俊介と来田涼斗（ともに明石商）の投打の2枚看板、投手では小林樹斗（智辯和歌山）、山下舜平大（福岡大大濠）、野手では小深田大地（履正社高）や西川僚祐（東海大相模）、井上朋也（花咲徳栄）らが上位候補にあげられる。

大学生では、アマNo.1左腕と目されている早川隆久（早稲田大）と左の強打者・佐藤輝明（近畿大）が最大の目玉で、ともに複数球団が事前に1位指名を公言。ほか、投手では木澤尚文（慶應大）や森博人（日体大）、伊藤大海（苫小牧駒大）、野手では牧秀悟・五十幡亮汰（ともに中央大）、榮枝裕貴（立命大）らの上位指名が予想されている。

社会人の注目株は、栗林良吏（トヨタ自動車）、松本竜也（Honda鈴鹿）、藤井聖（JX-ENEOS）など。

また、いわゆる「田澤ルール」の撤廃に伴い、田澤純一がドラフト指名されるのか否かにも注目が集まっている。

---

最大の競合になったのは前評判通り佐藤輝明と早川隆久で、それぞれ4球団が競合。抽選の末、佐藤は阪神、早川は楽天が交渉権を獲得した。一方、中日は高橋宏斗、DeNAは入江大生（明治大学）、広島は栗林良吏、日本ハムは伊藤大海を一本釣りした。

2回目の入札も重複が発生。鈴木昭汰にヤクルトとロッテが競合し、ロッテが交渉権を獲得した。

なお、ドラフト指名されるか否かに注目が集まっていた田澤純一は指名されなかった。また、育成ドラフトでは過去最多の49人が指名され、12球団全てが育成ドラフトで選手を指名したのは史上初。

指名順	選手名	投打	ポジション	指名球団
重複1回目	佐藤輝明	右左	内野手	オリックス、阪神、ソフトバンク、巨人
	早川隆久	左左	投手	ヤクルト、楽天、西武、ロッテ
重複2回目	鈴木昭汰	左左	投手	ヤクルト、ロッテ

指名選手一覧

セントラル・リーグ

読売ジャイアンツ

順位	選手名	投打	ポジション	所属
1位	平内龍太	右右	投手	亜細亜大学
2位	山崎伊織	右左	投手	東海大学
3位	中山礼都	右左	内野手	中京大学附属中京高等学校
4位	伊藤優輔	右右	投手	三菱日立パワーシステムズ
5位	秋広優人	右左	内野手	二松學舍大学附属高等学校
6位	山本一輝	左左	投手	中京大学
7位	萩原哲	右左	捕手	創価大学
育成ドラフト
1位	岡本大翔	右右	内野手	鳥取県立米子東高等学校
2位	喜多隆介	右右	捕手	京都先端科学大学
3位	笠島尚樹	右右	投手	敦賀気比高等学校
4位	木下幹也	右右	投手	横浜高等学校
5位	前田研輝	右左	捕手	駒澤大学
6位	坂本勇人	右右	捕手	佐賀県立唐津商業高等学校
7位	戸田懐生	右右	投手	徳島インディゴソックス
8位	阿部剣友	左左	投手	札幌大谷高等学校
9位	奈良木陸	右右	投手	筑波大学
10位	山崎友輔	右右	投手	福山大学
11位	保科広一	右左	外野手	創価大学
12位	加藤廉	右左	内野手	東海大学海洋学部

中日ドラゴンズ

順位	選手名	投打	ポジション	所属
1位	髙橋宏斗	右右	投手	中京大学附属中京高等学校
2位	森博人	右右	投手	日本体育大学
3位	土田龍空	右左	内野手	近江高等学校
4位	福島章太	左左	投手	岡山県立倉敷工業高等学校
5位	加藤翼	右右	投手	帝京大学可児高等学校
6位	三好大倫	左左	外野手	JFE西日本
育成ドラフト
1位	近藤廉	左左	投手	札幌学院大学
2位	上田洸太朗	左左	投手	享栄高等学校
3位	松木平優太	右右	投手	精華高等学校

阪神タイガース

順位	選手名	投打	ポジション	所属
1位	佐藤輝明	右左	内野手	近畿大学
2位	伊藤将司	左左	投手	JR東日本
3位	佐藤蓮	右右	投手	上武大学
4位	榮枝裕貴	右右	捕手	立命館大学
5位	村上頌樹	右左	投手	東洋大学
6位	中野拓夢	右左	内野手	三菱自動車岡崎
7位	髙寺望夢	右左	内野手	上田西高等学校
8位	石井大智	右右	投手	高知ファイティングドッグス
育成ドラフト
1位	岩田将貴	左左	投手	九州産業大学

横浜DeNAベイスターズ

順位	選手名	投打	ポジション	所属
1位	入江大生	右右	投手	明治大学
2位	牧秀悟	右右	内野手	中央大学
3位	松本隆之介	左左	投手	横浜高等学校
4位	小深田大地	右左	内野手	履正社高等学校
5位	池谷蒼大	左左	投手	ヤマハ
6位	高田琢登	左左	投手	静岡県立静岡商業高等学校
育成ドラフト
1位	石川達也	左右	投手	法政大学
2位	加藤大	右右	投手	横浜隼人高等学校

広島東洋カープ

順位	選手名	投打	ポジション	所属
1位	栗林良吏	右右	投手	トヨタ自動車
2位	森浦大輔	左左	投手	天理大学
3位	大道温貴	右右	投手	八戸学院大学
4位	小林樹斗	右右	投手	智辯学園和歌山高等学校
5位	行木俊	右右	投手	徳島インディゴソックス
6位	矢野雅哉	右左	内野手	亜細亜大学
育成ドラフト
1位	二股翔一	右右	捕手	磐田東高等学校

東京ヤクルトスワローズ

順位	選手名	投打	ポジション	所属
1位	木澤尚文	右右	投手	慶應義塾大学
2位	山野太一	左左	投手	東北福祉大学
3位	内山壮真	右右	捕手	星稜高等学校
4位	元山飛優	右左	内野手	東北福祉大学
5位	並木秀尊	右右	外野手	獨協大学
6位	嘉手苅浩太	右右	投手	日本航空高等学校石川
育成ドラフト
1位	下慎之介	左左	投手	高崎健康福祉大学高崎高等学校
2位	赤羽由紘	右右	内野手	信濃グランセローズ
3位	松井聖	右左	捕手	信濃グランセローズ
4位	丸山翔大	右左	投手	西日本工業大学

パシフィック・リーグ

福岡ソフトバンクホークス

順位	選手名	投打	ポジション	所属
1位	井上朋也	右右	内野手	花咲徳栄高等学校
2位	笹川吉康	左左	外野手	横浜市立横浜商業高等学校
3位	牧原巧汰	右左	捕手	日本大学藤沢高等学校
4位	川原田純平	右右	内野手	青森山田高等学校
5位	田上奏大	右左	投手	履正社高等学校
育成ドラフト
1位	佐藤宏樹	左左	投手	慶應義塾大学
2位	中道佑哉	左左	投手	八戸学院大学
3位	桑原秀侍	右右	投手	神村学園高等部
4位	早真之介	左左	外野手	京都国際高等学校
5位	緒方理貢	右左	内野手	駒澤大学
6位	居谷匠真	右右	捕手	明豊高等学校
7位	大城真乃	左左	投手	沖縄県立宜野座高等学校
8位	中村亮太	右右	投手	東京農業大学北海道オホーツク

千葉ロッテマリーンズ

順位	選手名	投打	ポジション	所属
1位	鈴木昭汰	左左	投手	法政大学
2位	中森俊介	右左	投手	明石市立明石商業高等学校
3位	小川龍成	右左	内野手	国学院大学
4位	河村説人	右右	投手	星槎道都大学
5位	西川僚祐	右右	外野手	東海大学付属相模高等学校
育成ドラフト
1位	谷川唯人	右右	捕手	立正大学淞南高等学校
2位	小沼健太	右右	投手	茨城アストロプラネッツ
3位	山本大斗	右右	外野手	開星高等学校
4位	佐藤奨真	左左	投手	専修大学

埼玉西武ライオンズ

順位	選手名	投打	ポジション	所属
1位	渡部健人	右右	内野手	桐蔭横浜大学
2位	佐々木健	左左	投手	NTT東日本
3位	山村崇嘉	右左	内野手	東海大学付属相模高等学校
4位	若林楽人	右右	外野手	駒澤大学
5位	大曲錬	右右	投手	福岡大学
6位	タイシンガー・ ブランドン大河	右右	内野手	東京農業大学北海道オホーツク
7位	仲三河優太	右左	外野手	大阪桐蔭高等学校
育成ドラフト
1位	赤上優人	右右	投手	東北公益文科大学
2位	長谷川信哉	右右	外野手	敦賀気比高等学校
3位	宮本ジョセフ拳	右右	外野手	名古屋学院大学
4位	豆田泰志	右右	投手	浦和実業学園高等学校
5位	水上由伸	右右	投手	四国学院大学

東北楽天ゴールデンイーグルス

順位	選手名	投打	ポジション	所属
1位	早川隆久	左左	投手	早稲田大学
2位	高田孝一	右右	投手	法政大学
3位	藤井聖	左左	投手	JX-ENEOS
4位	内間拓馬	右右	投手	亜細亜大学
5位	入江大樹	右右	内野手	仙台育英学園高等学校
6位	内星龍	右左	投手	履正社高等学校
育成ドラフト
1位	石田駿	右右	投手	栃木ゴールデンブレーブス

北海道日本ハムファイターズ

順位	選手名	投打	ポジション	所属
1位	伊藤大海	右左	投手	苫小牧駒澤大学
2位	五十幡亮汰	右左	外野手	中央大学
3位	古川裕大	右左	捕手	上武大学
4位	細川凌平	右左	内野手	智辯学園和歌山高等学校
5位	根本悠楓	左左	投手	苫小牧中央高等学校
6位	今川優馬	右右	外野手	JFE東日本
育成ドラフト
1位	松本遼大	右右	投手	花巻東高等学校
2位	齊藤伸治	右右	投手	東京情報大学

オリックス・バファローズ

順位	選手名	投打	ポジション	所属
1位	山下舜平大	右右	投手	福岡大学附属大濠高等学校
2位	元謙太	右右	外野手	中京学院大学附属中京高等学校
3位	来田涼斗	右左	外野手	明石市立明石商業高等学校
4位	中川颯	右左	投手	立教大学
5位	中川拓真	右右	捕手	豊橋中央高等学校
6位	阿部翔太	右左	投手	日本生命保険相互会社
育成ドラフト
1位	川瀬堅斗	右右	投手	大分県立大分商業高等学校
2位	辻垣高良	左左	投手	松韻学園福島高等学校
3位	宇田川優希	右右	投手	仙台大学
4位	釣寿生	右右	捕手	京都国際高等学校
5位	佐野如一	右左	外野手	仙台大学
6位	古長拓	右右	内野手	福島レッドホープス

関連項目

• プロ野球
• プロ野球2020
• ドラフト会議

外部リンク

• 2020年 プロ野球ドラフト会議 - 日本プロ野球機構

プロ野球ドラフト会議前後表
2000年代	2000年　2001年　2002年　2003年　2004年　2005年　2006年　2007年　2008年　2009年
2010年代	2010年　2011年　2012年　2013年　2014年　2015年　2016年　2017年　2018年　2019年
2020年代	2020年　2021年　2022年　2023年