2005年度新人選手選択会議

2005年度新人選手選択会議とは、2005年に新高輪プリンスホテルで行われた第41回目のプロ野球ドラフト会議である。

概要

この年から試験的に、高校生ドラフトと大学生・社会人ドラフトの分離ドラフト制度が導入された（2007年まで）。ドラフト会議が分割開催となったのは1966年以来39年ぶり。高校生ドラフトは10月3日に、大学生・社会人ドラフトは11月18日に開催された。また、育成選手制度の導入が12月1日に決定し、同日に初の育成ドラフトが開催された。

前年まで2人分の枠があった自由獲得枠は、希望入団枠と名称変更され、各球団1名までと変更された。

同年から発足した独立リーグ・四国アイランドリーグからは、育成ドラフトで2名が指名された。

1巡目指名・希望入団枠

高校生ドラフト1巡目

1巡目のみくじ引き抽選。ちなみにドラフトで抽選が発生したのは2002年の高井雄平以来3年ぶりだった。

辻内崇伸・平田良介（大阪桐蔭）、鶴直人（近大附）、岡田貴弘（履正社）の浪速の四天王ほか、投手では片山博視（報徳学園）・山口俊（柳ヶ浦）・村中恭兵（東海大甲府）、野手では炭谷銀仁朗（平安）や陽仲壽（福岡第一）ら好素材が揃ったため、最大でも2球団の競合と各球団の指名はばらけた。

なおこのドラフトでは3年ぶりの抽選だったためか、交渉権の取り違えという前代未聞のトラブルが発生。くじのデザインが紛らわしかったため、巨人とオリックスが競合した辻内崇伸の抽選で、ハズレくじを引いたオリックスの負広中村勝広GMが当たりを引いたと勘違いして大喜び、主催側もちゃんと確認せず一度はオリックスが交渉権獲得と発表されてしまう事態に。続く日本ハムとソフトバンクによる陽仲壽の抽選でも、ソフトバンクの王貞治監督が同様の勘違いをし、当たりくじを引いた日本ハムのトレイ・ヒルマン監督が「交渉権獲得」の文字が読めなかったこともあって、ソフトバンクが交渉権獲得と発表されてしまった。

のちに巨人・日本ハムの抗議で交渉権はそれぞれ訂正されたものの、間違えられた2人の反応は明暗が分かれた。辻内はオリックスと発表されたときには固い表情だったが、巨人と訂正されると満面の笑みに。一方ソフトバンクと相思相愛で一本釣りと見られながら日本ハムに強行指名された陽は、ソフトバンクとの発表に涙を流しての大喜びから一転、日本ハムと訂正され茫然自失だった。

同様のトラブルは、奇しくも10年後に繰り返されることになる。

ちなみに、巨人が抽選で選手を引き当てたのは松井秀喜以来13年ぶりだった。

指名順	選手名	ポジション	指名球団
高校1巡目	辻内崇伸	投手	巨人、オリックス
高校1巡目	片山博視	投手	楽天、広島
高校1巡目	陽仲壽	内野手	日本ハム、ソフトバンク

※赤字が交渉権獲得球団。

大学生・社会人ドラフト希望入団枠・1巡目

ロッテ・広島を除く10球団が希望入団枠の権利を行使。

こちらも好選手が揃ったためか、あまり派手な争奪戦が繰り広げられることもなく、最大の目玉と言われた平野佳寿（京都産業大）はオリックス、完全試合を達成して注目された八木智哉（創価大）は日本ハム、岩田稔（関西大）は阪神、松永浩典（三菱重工長崎）は西武と、各球団が比較的早い段階から契約を取り付けた。狙っていた福田聡志（東北福祉大）を巨人にさらわれたソフトバンクは元々は巨人が狙っていた亜細亜大のスラッガー松田宣浩を、中日はギリギリで吉見一起（トヨタ自動車）を獲得。

楽天は希望枠の権利を行使したものの誰とも契約を締結できず、その場合に可能な1巡目指名で松崎伸吾（東北福祉大）を獲得した。

指名選手一覧

※太字は記事のある選手。

パシフィック・リーグ

千葉ロッテマリーンズ

順位	選手名	ポジション	所属
高校生ドラフト
1巡目	柳田将利	投手	青森山田高等学校
2巡目	林啓介	投手	福井商業高等学校
3巡目	末永仁志	投手	南京都高等学校
4巡目	細谷圭	内野手	太田市立商業高等学校
大学生・社会人ドラフト
1巡目	（選択権なし）
2巡目	（選択権なし）
3巡目	根元俊一	内野手	東北福祉大学
4巡目	川崎雄介	投手	ホンダ熊本
5巡目	古谷拓哉	投手	日本通運
6巡目	相原勝幸	投手	富士大学

福岡ソフトバンクホークス

順位	選手名	ポジション	所属
高校生ドラフト
1巡目	荒川雄太	捕手	日本大学高等学校
2巡目	（選択権なし）
3巡目	大西正樹	投手	神戸国際大学附属高等学校
4巡目	大田原隆太	投手	都城工業高等学校
5巡目	川口容資	投手	楊志館高等学校
大学・社会人ドラフト
希望枠	松田宣浩	内野手	亜細亜大学
1巡目	（選択権なし）
2巡目	（選択権なし）
3巡目	藤岡好明	投手	JR九州
4巡目	甲藤啓介	投手	近畿大学
5巡目	本多雄一	内野手	三菱重工名古屋
6巡目	柳瀬明宏	投手	龍谷大学
育成ドラフト
1巡目	小斉祐輔	外野手	東京農業大学生物産業学部
2巡目	西山道隆	投手	四国IL：愛媛マンダリンパイレーツ

西武ライオンズ

順位	選手名	ポジション	所属
高校生ドラフト
1巡目	炭谷銀仁朗	捕手	平安高等学校
2巡目	（選択権なし）
3巡目	田沢由哉	投手	旭川大学高等学校
4巡目	田中靖洋	投手	加賀高等学校
大学生・社会人ドラフト
希望枠	松永浩典	投手	三菱重工長崎
1巡目	（選択権なし）
2巡目	（選択権なし）
3巡目	吉見太一	捕手	サンワード貿易
4巡目	西川純司	投手	三重中京大学
5巡目	山本歩	投手	関西学院大学

オリックス・バファローズ

順位	選手名	ポジション	所属
高校生ドラフト
1巡目	岡田貴弘	外野手	履正社高等学校
2巡目	（選択権なし）
3巡目	柴田亮輔	内野手	愛知工業大学名電高等学校
大学生・社会人ドラフト
希望枠	平野佳寿	投手	京都産業大学
1順目	（選択権なし）
2巡目	（選択権なし）
3巡目	岸田護	投手	NTT西日本
4巡目	森山周	内野手	ヤマハ
5巡目	中山慎也	投手	JR東海
6巡目	妹尾軒作	投手	一光

北海道日本ハムファイターズ

順位	選手名	ポジション	所属
高校生ドラフト
1巡目	陽仲壽	内野手	福岡第一高等学校
2巡目	（選択権なし）
3巡目	木下達生	投手	東邦高等学校
4巡目	今成亮太	捕手	浦和学院高等学校
大学生・社会人ドラフト
希望枠	八木智哉	投手	創価大学
1巡目	（選択権なし）
2巡目	（選択権なし）
3巡目	川島慶三	内野手	九州国際大学
4巡目	武田勝	投手	シダックス
5巡目	小山桂司	捕手	シダックス
6巡目	高口隆行	内野手	創価大学
7巡目	星野八千穂	投手	JR北海道

東北楽天ゴールデンイーグルス

順位	選手名	ポジション	所属
高校生ドラフト
1巡目	片山博視	投手	報徳学園高等学校
2巡目	（選択権なし）
3巡目	宇部銀次[1]	捕手	盛岡中央高等学校
4巡目	枡田慎太郎	外野手	智辯学園高等学校
大学・社会人ドラフト
1巡目	松崎伸吾	投手	東北福祉大学
2巡目	（選択権なし）
3巡目	青山浩二	投手	八戸大学
4巡目	河田寿司	捕手	三菱重工長崎
5巡目	西村弥	内野手	東京情報大学
6巡目	木谷寿巳	投手	王子製紙
7巡目	井野卓	捕手	東北福祉大学
8巡目	草野大輔	内野手	ホンダ熊本
9巡目	山崎隆広	外野手	NTT西日本

セントラル・リーグ

阪神タイガース

順位	選手名	ポジション	所属
高校生ドラフト
1巡目	鶴直人	投手	近畿大学附属高等学校
2巡目	（選択権なし）
3巡目	若竹竜士	投手	育英高等学校
4巡目	前田大和	内野手	樟南高等学校
大学生・社会人ドラフト
希望枠	岩田稔	投手	関西大学
1巡目	（選択権なし）
2巡目	（選択権なし）
3巡目	金村大裕	投手	大阪商業大学
4巡目	渡辺亮	投手	日本生命

中日ドラゴンズ

順位	選手名	ポジション	所属
高校生ドラフト
1巡目	平田良介	外野手	大阪桐蔭高等学校
2巡目	（選択権なし）
3巡目	春田剛	外野手	水戸短期大学附属高等学校
4巡目	高江洲拓哉	投手	府中工業高等学校
5巡目	金本明博	投手	酒田南高等学校
大学生・社会人ドラフト
希望枠	吉見一起	投手	トヨタ自動車
1巡目	（選択権なし）
2巡目	（選択権なし）
3巡目	藤井淳志	外野手	NTT西日本
4巡目	新井良太	内野手	駒澤大学
5巡目	柳田殖生	内野手	NOMOベースボールクラブ
6巡目	齊藤信介	投手	NTT西日本
7巡目	佐藤亮太	投手	國學院大學
育成ドラフト
1巡目	竹下哲史	内野手	名古屋商科大学
3巡目	加藤光教	投手	法政大学

横浜ベイスターズ

順位	選手名	ポジション	所属
高校生ドラフト
1巡目	山口俊	投手	柳ヶ浦高等学校
2巡目	（選択権なし）
3巡目	黒羽根利規	捕手	日本大学藤沢高等学校
大学生・社会人ドラフト
希望枠	高宮和也	投手	ホンダ鈴鹿
1巡目	（選択権なし）
2巡目	（選択権なし）
3巡目	内藤雄太	外野手	八戸大学
4巡目	三橋直樹	投手	日産自動車

ヤクルトスワローズ

順位	選手名	ポジション	所属
高校生ドラフト
1巡目	村中恭兵	投手	東海大学甲府高等学校
2巡目	（選択権なし）
3巡目	川端慎吾	内野手	市立和歌山商業高等学校
4巡目	水野祐希	捕手	東邦高等学校
大学生・社会人ドラフト
希望枠	武内晋一	内野手	早稲田大学
1巡目	（選択権なし）
2巡目	（選択権なし）
3巡目	松井光介	投手	JR東日本
4巡目	高木啓充	投手	大阪体育大学
5巡目	飯原誉士	外野手	白鴎大学

読売ジャイアンツ

順位	選手名	ポジション	所属
高校生ドラフト
1巡目	辻内崇伸	投手	大阪桐蔭高等学校
2巡目	（選択権なし）
3巡目	加登脇卓真	投手	北照高等学校
4巡目	福井優也	投手	済美高等学校 ※入団拒否[2]
大学生・社会人ドラフト
希望枠	福田聡志	投手	東北福祉大学
1巡目
2巡目	（選択権なし）
3巡目	栂野雅史	投手	新日本石油ENEOS
4巡目	越智大祐	投手	早稲田大学
5巡目	脇谷亮太	内野手	NTT西日本
6巡目	深田拓也	投手	中京大学
7巡目	会田有志	投手	中央大学
8巡目	梅田浩	外野手	創価大学
育成ドラフト
1巡目	山口鉄也	投手	ミズーラ・オスプレイ

広島東洋カープ

順位	選手名	ポジション	所属
高校生ドラフト
1巡目	鈴木将光	外野手	遊学館高等学校
2巡目	今井啓介	投手	中越高等学校
3巡目	齊藤悠葵	投手	福井商業高等学校
4巡目	相澤寿聡	投手	太田市立商業高等学校
大学・社会人ドラフト
1巡目	（選択権なし）
2巡目	（選択権なし）
3巡目	梵英心	内野手	日産自動車
4巡目	梅原伸亮	投手	京都学園大学
5巡目	飯田宏行	投手	元ツインズ1A
育成ドラフト
1巡目	中谷翼	内野手	四国IL：愛媛マンダリンパイレーツ

関連動画

関連項目

• プロ野球
• NPB（日本プロ野球）

プロ野球ドラフト会議
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脚注

1. *指名後に母親の再婚で「赤見内銀次」に。
2. *早稲田大学を経て2010年ドラフト1位で広島に入団。