エマニュエル・トッド(1951~)とは、20世紀末から21世紀にかけて活動している歴史学者・人類学者である。
概要
フランスの歴史人口学・家族人類学の大家であり、現代社会に関する提言から歴史学者の中では割合知られた人物である。また作家ポール・ニザンの孫である。
歴史学者としては、世界中の家族の在り方を分類し、家族形態の差異が社会に大きく影響を与えること、ローラン・サガールの研究を踏まえてこうした家族形態には一定の傾向があること、などを明らかにし、一躍脚光を浴びた。
しかし一般的には、エマニュエル・トッドは現代社会の行く末に対して予言じみた提言を行い、ここで仮説を立てた未来図が実際に実現する、ということを何度も繰り返し、思想家として割合知られた存在である。トッドは社会に歴史的な変化をもたらす要因を、識字化と出生率とみなす。識字化=革命=出生率低下というシークエンスが、一定の留保をつけつつも、おおよそ標準的であるとするのだ。
この結果ソ連崩壊、アメリカの衰退、イスラーム社会の転換を的中させ続け、時代の寵児となっているのである。
近年はかつてほど大きな主張はしていないが、グローバル化に歯止めをかけ、「保護貿易」主義へと舵を切るべき、という提言を行っている。
関連商品
関連項目
- 1
- 0pt