概要
その果実はそのままデザートとして食べる他、ワインの原材料としても良く知られている。また果汁が豊富なため加工しやすく、ジュースやゼリーなどの味付けとしても一般的で、日本人にもなじみの深い味わいである。
これらは生産農家が葡萄園で栽培しており、多くの品種があるが、「巨峰」「マスカット」「ピオーネ」「デラウェア」「甲斐路」などの品種が人気。近年は皮ごと食べられる「シャインマスカット」の人気も著しい。なお、農林水産省では生食用のブドウとワインに用いられる醸造用のブドウは分けている(ジュースはどっちとかは細かいry)。
日本の産地では山梨県、長野県が多く、以下は山形県、岡山県、福岡県の順になっている。ほかには北海道、青森県、愛知県、大阪府、広島県、岩手県などの生産量が多いが、大都市などの大消費地に近い産地も多いことが特色といえる。
ブドウの栽培条件はまず、湿気に弱い(というより病虫害にやられてしまう)ため乾燥していること、そして、成熟期に雨が少ないことである。また、風通しが良く、水はけの良さも求められる(一方、気温に関しては適材適所で品種があるために、産地はほぼ全国に分布しているが、糖度を増すために寒暖差が求められる)。したがって盆地が最適であり、甲府盆地や長野盆地、山形盆地といった盆地の扇状地に産地が多い。また、ブドウ産地は同様に湿潤を嫌う桃の産地を兼ねていることも多いが、桃は風当たりの弱い平地に産地が作られる違いがある。
山梨県はブドウ生産国内1位であり、ワイン王国としても名高い。産地は何といっても勝沼(現在は甲州市の一部)が有名で、わざわざ駅名を変えるほどでもなく有名なのに、あえてPRした勝沼ぶどう郷という駅名も伊達ではない。他に山梨市、笛吹市などでも盛ん。育てているブドウは30種類以上と断トツである。
長野県は品種改良が盛んに行われている産地である。ご当地発のブランドにナガノパープル、シナノスマイルなどのブドウが特産となっている。主産地は中野市、塩尻市、須坂市など。
岡山県は桃と並び有名なのがブドウ、特にマスカットとピオーネである。倉敷マスカットスタジアムという愛称も、特産のマスカットから来ている。岡山市ではマスカットよりピオーネの方が主流。またマスカット・オブ・アレキサンドリアという超高級マスカットの産地でもある。マスカットはワシが育てた。
山形県は第3位のブドウ産地。あちこちに産地がある。特に有名なのがぶどう祭りも行われ、県内ぶどう栽培発祥地の南陽市、そしてデラウェア生産日本一を誇る高畠町といったところか。…だが、高畠町はラフランス、上山市はさくらんぼに浮気ばっかりして、南陽市ぐらいしかPRしてくれていない。カワイソス(´・ω・`)
福岡県の筑後川流域も全国有数のブドウ産地で、久留米市田主丸(旧田主丸町)は巨峰の栽培発祥地(品種が生まれたのは伊豆)である。青森県は寒冷地でも育つブドウ、スチューベンの産地として知られる。ここのブドウは丸呑みが伝統文化らしく、ブドウは飲み物である。疑うなら検索してみたらいいだろう。ほかに特徴的な産地(それ以外も作っているが)として広島県福山市沼隈町のニューベリーA、北海道余市町や仁木町、岩手県紫波町のキャンベル、新潟市南区(旧白根市)や栃木県岩舟町の巨峰などがある。また、島根県出雲市ではハウスぶどう(デラウェアが多い)栽培が盛ん。
そして、日本のブドウ産地を語る上で欠かせないのが、大阪府である。
大阪府は戦前は全国1位だったこともあるブドウ産地であり、河内地方は一面ぶどう畑となっていた(元々は綿花栽培が盛んだったのだが衰退したため)。また、戦時中は電波兵器用の酒石酸抽出のために栽培された歴史も持つ。だが戦後になって、二度に亘る大型台風の直撃によって産地が壊滅してからは、宅地化や他産地との競争のあおりを受け衰退。それでもなお今日でも6~9位と、全国上位に入る産地である。施設の老朽化や後継者不足などの問題を抱えるも、河内地方の都市(特に柏原市、羽曳野市、太子町)で盛んで、一帯にはぶどう畑やぶどう園も多い。デラウェアは全国3位と健闘しており、東京とは違うんですとでも言わんばかりに首都圏にも出荷されている。西日本最古のワイナリーも柏原市にある。
ちなみに、ブドウもほぼ0に近い沖縄以外の46都道府県で生産されている果物である(また沖縄か!)。
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