SCP-CN-1463とは、シェアード・ワールド『SCP Foundation』に登場するオブジェクト(SCiP)である。
概要
SCP-CN-1463 | |
基本情報 | |
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OC | Euclid 3/Keneq 2/Caution |
収容場所 | サイト-CN-33 |
著者 | CaroyalKKaia |
作成日 | 2020年04月21日 |
タグ | pamwac オンライン サイト-cn-82 テレパシー ネコ 人間型 日本生類創研 生物学 精神影響 |
リンク | SCP-CN-1463 |
SCPテンプレート |
SCP-CN-1463はSCP-CN-1463-1とSCP-CN-1463-2の総称である。
SCP-CN-1463-1は、10-18歳くらいのヒト女性に類似した異常なヒト型生物実体群であり、主な相違点として頭部にはイエネコのそれに似た耳、尾椎部にはやはりイエネコのそれに似たしっぽ、目もイエネコの特徴を示すそれを持ち、各個体で類似する品種こそ異なるものの、全体としてイエネコの特徴を有する。有り体に言えば猫の特徴を有する少女である。彼女らの成長・発育は生物年齢にして18歳で止まる。
彼女らの知能はヒトと同水準にあり、SCP-CN-1463-1個体同士はテレパシーで会話が可能であるほか、人間とも中国語及び日本語にて会話をすることが可能。なぜ両言語に堪能なのかと言えば、その作成された目的に由来する (後述)。
SCP-CN-1463-2はカプセルであり、これを開封すると生物年齢10歳のSCP-CN-1463-1が休眠状態で出現し、1-2時間で目を覚ます。SCP-CN-1463-2自体は明らかに小さいのにも関わらず、人間少女と同じサイズのSCP-CN-1463-1を収納可能な原理は不明である。
ここまで猫の女の子SCP-CN-1463-1とその収納カプセルSCP-CN-1463-2の特徴を説明してきたが、SCP-CN-1463-1の異常性についても見ていきたい。
SCP-CN-1463-1がヒトの男性個人と24時間を過ごすと、その男性はSCP-CN-1463-1に極度の愛情と保護欲求を抱くようになる。この効果はいっしょに過ごす時間が長ければ長いほど強化されていき、その男性が本来のパートナーや直系親族に抱くような同様の感情を超えるほどになってしまう。この効果に対して記憶処理は無効であるが、男性とSCP-CN-1463-1を引き離すことで効果は次第に失われる。すなわち、引き剥がしてから記憶処理をすれば問題ないわけである。
なお、SCP-CN-1463-1は男性に精神影響を与えることで愛情を獲得するが、本アノマリー収容を担当する機動部隊辰巳-33(“ 天道酬勤 ”)の隊長 (女性) はSCP-CN-1463-1をバービー人形に例え、自分たちを彼女らと比較して「ブサイクだ」と評するため、SCP-CN-1463-1は女性の目から見ても可愛らしいようだ。このことから効果発現までの24時間の間も男性からの庇護は比較的受けやすいのだろう。
SCP-CN-1463は『日本生類創研 (以下、JOICLE)』と『アニメキャラクターと結婚するための研究計画局 (以下、PAMWAC)』という2つの要注意団体により共同制作された。JOICLEとPAMWACは日本のアニメ・漫画・ゲーム産業を通じ最も人気があったのはケモ娘であり、そのなかでもニャン娘に勝る人気はないという調査結果より、東京時間2019年8月17日正午に配信を開始した。この計画名こそが『ニャン娘育成計画 (猫娘养成计划)』である。
このようにして販売されたSCP-CN-1463は、日本と中国のオタクたちに購入され、気付けば両国合わせ200体余りが流通していた。
機動部隊は収容に手こずっていたものの、第一フェーズでは問題になったのはあくまでその分布。日本全国と長江流域を行ったり来たりすることはハードワークではあったものの、肝心のSCP-CN-1463-1個体群は一切収容に抵抗することがなく、影響下の男性はそもそもオタクばかりなので戦闘力に期待できるはずもなく、記憶処理剤をプシュッと噴霧するだけであっさり終了してしまう。だが、第二フェーズに突入し、財団もやや困難に足を踏み入れつつあった。
「娘たち」が誘拐されることを知ったオタクたち112人は、長江河口の崇明島に集まり娘たちとともに財団から逃走するため団結した。彼らを率いる 曹彬 (27歳)は、一時的に失業しているものの優れたハッカーであり、機動部隊の行動は彼に筒抜けであった。彼は財団が別のオブジェクトの収容違反に気を取られているすきに集団逃亡を扇動。退役軍人や金持ちのボンボンをはじめとした集団は上海市を出発し杭州市へ向かっていた。
財団 VS オタク
車に乗り逃走を続けるオタクたち。しかし森林のなかで機動部隊は夜襲を敢行し、31体のSCP-CN-1463-1を確保、彼女たちのパートナーに記憶処理をすることに成功し、自宅に送還した。
その後も機動部隊の睡眠のすきをついたりして財団をあしらい続けるオタクたち。更に、追いついた機動部隊に狙撃を開始したり、爆弾を投擲し始める。本来ならここまで攻撃性を見せるはずのないオタクたち。もはや、精神影響は「この子のためなら法のひとつふたつどうということはない」というレベルにまで悪化していたのだ。
しかし興味深いのは、その庇護下にある彼女たちSCP-CN-1463-1個体群のほうである。後に機動部隊はまたあらたに彼女らを42体確保するが、彼女たちは一切抵抗せず従順に収容に応じたのである。
更に機動部隊が飛ばしたドローンは曹彬と彼の「娘」の口論を撮影していた。基本的にSCP-CN-1463-1に対して男性は愛情を極度に注ぐため、彼女らと口論に至ることはない。また、ここまでの記録でSCP-CN-1463-1は基本的にそのパートナーである男性を無下にしたり攻撃することはなかった。しかし先述の通り多くのSCP-CN-1463-1は財団に抵抗することがなく、最終的には逃走を続けた曹彬も、そのパートナーによって誘導された機動部隊によって睡眠中に確保されたのだった。そしてオタクたち皆、記憶処理を受け自宅に帰された。
愛ゆえに猫は苦しまねばならぬ
曹彬のパートナーだったSCP-CN-1463-1-101は、博士のインタビューに素直に応じた。何故、自分たちのパートナーに反抗したのか、それを聞きたがっていることを理解したSCP-CN-1463-1-101は、「マスターたちに感謝しているからこそ、私たちは投降したのだ」と話す。彼女たちはカプセルから出て、マスターたちに愛され、それゆえに幸せだった。自分たちは人間に奉仕するために『 神さま 』に産み出され、様々な基礎知識、コミュニケーション能力とともに、「お前たちは人間を喜ばせるために生まれた。君たちの全てを尽くして人間を喜ばせなさい」という『神託』を教わる。
彼女たちは、自分たちに男性を魅了する異常能力があることはJOICLEから伝えられてはいなかった。しかし、彼女たちはやがて気付く。マスターが自分たちに向けている愛情は、自分たちの異常能力のせいであり、本来の感情ではないのだと。カプセルからSCP-CN-1463-1-101が産まれて、そして十数年たち、彼女はまだ18歳の少女の姿を維持している。彼女たちを産み出すまでにJOICLEとPAMWACはかなり長い年月をかけたようだ。しかし、マスターたちの人生を壊したことを、SCP-CN-1463-1-101は嘆き苦しんでいた。
自分たちは閉じ込められていてもいい。財団を信頼している。もう、他の人を同じ様に人生を捨てさせたくはない。
あの神託の言葉をやり通さなければならないなら、私たちは始めから存在しない方が良かったんです。
SCP-CN-1463 - SCP財団より,2022/07/30閲覧
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SCP-CN-1463が収容されてから、不思議なことばかり起きる。DクラスとSCP-CN-1463-1-145が口論し、停電が起きる。博士が卒倒する。2人のエージェントが自殺する。研究助手がSCP-CN-1463-1-189を連れ出して逃亡しようと試みる。収容違反を起こした記録のないアノマリーが収容違反を起こし、複数名の職員を死に至らしめる。
こうしている間に、SCP-CN-1463はサイト再割り当てを待っていた。しかし、ある日、全SCP-CN-1463-1群のバイタルサインは失われていた。
SCP-CN-1463-1のメッセージが残されている。彼女たちは、実はもう一つ異常性を有していた。彼女たちは、人間たちのなかで普通に暮らすSCP-CN-1463-1がひとりもいなくなった場合、財団職員に精神影響を与え、破滅的な行動を誘発するのだった。この精神影響を彼女たちはコントロールできると思っていた。だが、先述の精神影響以上に厄介で、彼女たちは一切コントロールできなかった。できるはずがなかった。そもそも、JOICLEがSCP-CN-1463を財団に収容させないようにするための防衛システムなのだから。
SCP-CN-1463-1たちは、多くの人達を不幸にしないため、収容を選んだ。しかし、JOICLEが、神さまがかけた呪いは今度は財団に降りかかる。彼女たちは、それも望んでいなかった。財団はJOICLEにとっては敵かもしれないが、SCP-CN-1463-1たちからすれば財団もまた「奉仕すべき人間たち」である。
故に彼女たちは、自分たちを発狂死させることを選んだ。悲劇を止めるために。
あの神託の言葉をやり通さなければならないなら、私たちは始めから存在しない方が良かったんです。
SCP-CN-1463 - SCP財団より,2022/07/30閲覧
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