ザクロとは、硬い皮の内側に小さくて赤い粒状の果肉を持つ、果物の一種である。
概要
【分類】(クロンキスト)フトモモ目ザクロ科ザクロ属/(APG)フトモモ目ミソハギ科ザクロ属
【学名】Punica granatum
(学名の由来)Punica→フェニキア人の(カルタゴの)/granatum→粒の多い
秋に熟する赤い果実は、完熟すると自然に皮が裂ける。その中には、透明な淡紅色の粒が約600個ほどあり、汁が多い。生で食べられるが、可食部は少ない。
果汁は甘酸っぱく、ジュースの原料になる。グレナデンシロップはカクテルの赤い色を出すのにしばしば用いられる。また、かつてのイタリア料理では現在のトマトのニッチを占めていた。女性ホルモンのエストロゲンを含むとして健康食品としての人気が高まったが、これは科学的に証明されていない。かつては果汁を金属鏡の曇り止めに用いた。
生産
古代メソポタミアでは最も重要な果物の一つであり、古代エジプトでも栽培されていた。現在、最大の生産国は原産地のイランで、トルコがそれに次ぐ。最大の輸出国はウクライナ。ザクロの花はリビアの国花だが、かつてはザクロを独占的に生産していたようだ。
日本ではほとんど商業的には栽培されておらず、観賞用が主である(盆栽として流行したこともある)。
その他・豆知識
ザクロはマイナーな果物だが、蘊蓄の宝庫である。有名な蘊蓄(鬼子母神・ギリシャ神話のペルセポネ・紅一点の語源・銭湯の柘榴口の語源・ガーネット)についてはWikipediaのザクロの記事を参照のこと。
本項では、Wikipediaでスルーされているか、あまり詳しく説明されていない豆知識について紹介する。棲み分けは大事。
- ザクロの味は人肉に似ているという俗説がある。由来は鬼子母神の伝説から。
- スペインの都市「グラナダ」の都市名は、異説もあるがザクロが由来とされ、街の各所にザクロをモチーフにした建造物がある。この堅牢な城塞都市をイスラム教徒から奪還した歴史にちなんで、描かれているザクロの実は必ず一部が裂けているのだという。
- カリブ海の島国「グレナダ」や、長い国名として有名な「セントビンセントおよびグレナディーン諸島」の「グレナディーン」あたりにもザクロの影がちらつく。スペインのグラナダにちなんで名付けられたので、実際に元をたどれば同根。
- 「ザクロ」という和名は、イランの「ザクロス山脈」が転訛したものという説がある。ホンマかいな。
- 「手榴弾」を指す"grenade(グレネード)"という言葉はザクロに由来する。
- 斧や銃などで人の頭蓋がパーンと割れることを「ザクロのように」と比喩することがある。スイカに喩えることもあるが、多分ザクロの方がよく使われる表現か。
- ザクロの花はタコさんウインナーのように見えることがある。咲き始めか枝から落ちた後に、横から見るとそう見えることが多いようだ。
ザクロの名を持つ人物と馬と狼
- 藤原ざくろ…漫画「東京ミュウミュウ」の登場人物。
- 高島ざくろ…PCゲーム「終ノ空」の登場人物。
- ザクロ…ゲーム「ポケットモンスターX・Y」の登場人物。→ザクロ(ポケモン)
- ザクロチトセオー…漫画「海の大陸NOA」シリーズに登場する馬。馬?
- ザクロ…アニメ「わんだふるぷりきゅあ!」に登場する狼。狼?
関連動画
関連項目
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