垂直避難 単語

1件

スイチョクヒナン

2.9千文字の記事
  • twitter
  • facebook
  • はてな
  • LINE

垂直避難とは

災害時に安全な場所と間を確保するために上下垂直方向に避難することである。

概要

簡単で原理を説明するなら、は低い場所を流れる」

いかに強な濁流や土が押し寄せてきた場合でも
それらは物理的に重力には逆らえないため、低所を突き抜けて流れる性質がある。[1]

  • 居住範囲を2階にしておくだけでも
    間や就寝時でも異変に気付き、巻き込まれる、救助が来るまでの時間稼ぎにもなる。
  • 氾濫津波といったの際に用いられる場合が多い。
    • 低所を突き抜けていくことから、土砂災害に対しても一定の効果がある。
  • ほんの少しでも高い位置(抜/標高)にいるだけで生存率は倍々で高くなる。
  • 相手は河川土砂災害の場合は山も含める。
    • に限っては抜があると被害を回避しやすい。

本来は起きる前に危険地域から避難するのが望ましい。
事前ハザードマップ等を確認し、気情報などの収集するといった対策、危機管理も必要である。

の中での垂直避難(在宅)と、屋外・高台への避難がある。

利点

在宅型(家の中で行うもの)
  • 次のような、外へ出るのが危険な場合でも実施できる。
  • 2階に上がるだけなら、子供でも容易。
  • 2階以上のに住んでいれば無条件で可
  • 最悪の場合は屋根屋上に登れば+1階分の高さの猶予が手に入る。
  • 既に高層階・抜30m以上の場所に住んでいる場合はその時点でだいたい安心。
  • 外へ逃げるのが面倒(後述)
屋外・高台型

いわゆる「高台に避難する」である。

  • 2階程度で頭打ちとなる在宅よりも「高さ」を稼ぎやすい。(高台)
  • マンションや団地、会社といった他の高い建物逃げ込むこともできる。(高層階)
  • 濁流や津波で地形そのものは破壊されづらい。

こんな時は要注意

  • 大きな地震の後。
  • 大雨豪雨台風などで地盤が緩んでいる。
  • 標高が低い。
  • の周囲に山の斜面や大きな高低差がある。
  • の周囲に、大きな河川がある。
    • 地形や高低差によっては、距離に有に関わらず流れ込んでくる点に注意。
  • が濁る、井戸量が急に減る、異音がするといった各種予兆はある。
  • 津波が来る前には引き潮がある、地震後しばらくの時間がある…まったく関係ない
  • 過去災害が起きていない=これからも起こらない保はない。
逃げるのが面倒

どうせ何も起きないし、自分だけは大丈夫。今まで大丈夫だったし。

認知バイアス 内の「正常性バイアス」を参照。

の2階に上がるだけなら簡単である。
ただし相手が階層以上の規模や、屋を破壊する威であった場合は保できない。
大地震などは、外に飛び出して高い建物や高台をした方が賢明である。

 

  • 勘違いされる場合もあるため、念のために書いておくと
    • 津波サーフィンのような波ではなく、巨大な圧の塊として流れてくる。
    • 巻き込まれれば押し倒され、息もできぬまま瓦礫に死ぬまで水中でズタズタにされる
    • 瓦礫の中には破損して不規則にった金属ガラス具といった重量物も多数含まれる
    • 濁流の中では二次災害の危険が高く救助が困難であり、土と瓦礫の中では捜索も困難
      …という点も留意。
逃げなかった結果…

情報を得ながら自分で逃げなかったにも関わらず、ただのクレーマーに成り下がってはいけないし
失った生命財産までは全に補償はしてくれない点に注意。以下は実例

逃げなさい」と言うんじゃなくて、「沈みます」と教えてほしかった

2018年 西日本豪雨の被災者

対策

「垂直避難しなくても、タワーマンションの高層階に住めば最強!」かもしれないが、エレベーターが止まってしまうなど脆弱性が露呈しているため、今後の生活も考えると一概に有利とはいえない。[3]

海抜を知る

自分のや職場といった生活圏のを知るのもひとつの手である。
抜が低ければ、から遠くとも津波河川を遡上した流に襲われる可性はある。

「住んでいる抜なんて分からないよ!」と思った方もいるだろう。
国土地理院地図によって簡単に調べることができる。

抜の例として東京駅は約3m、大阪駅は0.4m、名古屋駅は2.2mである。
意外と低いが、垂直避難する建物には困らないのは救いである。

※地域によっては電柱などに「ここは○○m」とご丁寧に書いてある場合もある。

水害に備えていた地域

参考までに

かつて犠牲者を多く輩出しただらけの暴れと呼ばれた木曽の流域[4]においてはを嵩上げしたり避難用の屋根に常備する、さらに嵩上げされた避難所(食料備蓄あり)を設置するといった対策もなされた。

現在そこまで地区単位で改造すると時間とコストが掛かるため、高所避難した方が良いかも。

想定外

垂直避難の説明を述べたが、万ではなく例外もある。

  • 濁流や土石流が巨大すぎ、建物ごと飲み込まれる、押し流される、破壊されてしまう。
  • 地形によっては濁流が一か所に集中してしまい、想定以上の威を持つ
  • 地形によっては濁流が回するなど死となり、気付いた時には手遅れとなる。
  • 古い建物においては、以前に地震などの初撃で破壊されてしまう。

非常に大きな地震記録的な豪雨が来ている際などは、その点も留意して頂きたい。

せっかくのチャンス逃げ遅れれば、相手は無理ゲー以上のラスボスである。

関連項目

脚注

  1. *※例外として河川を遡上してくる津波もあるため、絶対安全ではない。
  2. *単純に交通の便が悪いだけの場合もあるが。
  3. *電気ガスが停止し、物資補給・買い出しのため、30階以上を階段で上り下りするなどの重労働。
  4. *愛知県岐阜県間の3つの巨大河川。それぞれが非常に大きくしかも暴れなので、大雨でも来ようものなら一無理ゲーラスボスと化す。
この記事を編集する

掲示板

おすすめトレンド

ニコニ広告で宣伝された記事

記事と一緒に動画もおすすめ!
山口剛央[単語]

提供: Pyun Pyun

もっと見る

急上昇ワード改

最終更新:2024/05/01(水) 10:00

ほめられた記事

最終更新:2024/05/01(水) 10:00

ウォッチリストに追加しました!

すでにウォッチリストに
入っています。

OK

追加に失敗しました。

OK

追加にはログインが必要です。

           

ほめた!

すでにほめています。

すでにほめています。

ほめるを取消しました。

OK

ほめるに失敗しました。

OK

ほめるの取消しに失敗しました。

OK

ほめるにはログインが必要です。

タグ編集にはログインが必要です。

タグ編集には利用規約の同意が必要です。

TOP