「~だお」とは、日本語の文末表現の一種だお。
断定の助動詞「だ」に続く強意の終助詞「よ」が「お」に変化したものだお。
助動詞が丁寧な「ですお」もあるお。
概要だお
終助詞「よ」が「お」に変化した要因としては、何らかの原因で「よ(yo)」の子音部である「y」の発音に必要な舌端と口蓋の接近が弱まって実質的に「y」が喪失してしまったことが考えられるお。例えば母音部「o」を過度に強調すると舌の後ろ側が盛り上がり過ぎて、それより前に調音部位を持つ「y」の発音が疎かになり易いお。
殊に「~だよ」の場合は「だ(da)」の子音部「d」が前歯の裏側付近に調音点があり、母音部「a」がその僅か後ろ側で舌が盛り上がるため、「前歯裏側(d)~舌前寄(a)り~口蓋(y)~舌後部(o)」という発音上のポイントの流れの中で無意識に中間の「y」が軽んじられてしまうということもあるだろうお。これらは「~ですお」にも当てはまる話だお。
ともあれ「~だお」は口舌が未発達な小児によく見られるため、しばしば幼さの記号として用いられることがあるお。
またネットスラングとしては、QWERTY配列のキーボードでは一番打鍵しにくいのが「y」であり、「~だよ」のミスタイプとして「~だお」が現れる場合も少なくないお。しかしながら「~だお」は記号的な幼さと相まって、時に「~だよ」に感じられる押し付けがましさや上から目線を余り感じさせないのが長所であるが、多用はウザがられるので禁物だお。
ともあれ往々にして使っているのは2ちゃんねる掲示板のVIPPERであり、自らをVIPPERだとアピールしたい場合にも用いられてきたが、近年ではそれ以外のネットユーザーでもしばしば用いられている。また2ちゃんねるのキャラクターである内藤ホライゾンおよび派生キャラクターのやる夫の語尾としても有名で、あるいは ( ^ω^) 等の顔文字と共に用いられることも多いお。この辺は下の方でも詳しく話すお。
岐阜弁の文末表現に「~やお」「~やよ」というものがあるお。ごくごく稀に断定の助動詞「だ」+「~やお(やよ)」の複合形として「~だお」が用いられてる場面や地域もあるお。「~やよ」と発音できない小児が「~だお」と言うこともあるお。また青森弁の反復語に「だおだお」というものがあるお。棒状のものがしなる様や水を注ぐ音として使われているお。これは文末表現ではないのでオノマトペの一種になるお。岐阜県や青森県に行けばネイティブな「~だお」が聞けるかもしれないお。
漫画だお
2014年10月3日現在で判明している範囲では、「~だお」の漫画やアニメでの初出典は、江口寿史が週刊少年ジャンプに1977年から1980年に連載していた漫画『すすめ!!パイレーツ』みたいだお。
その当時、野球選手の王貞治さんはボンカレーのテレビCMにいくつか出演していたんだお。その中に、子供に「王さんはどうしてホームランを打てるんですか?」と聞かれた王さんが、「もりもりたべるからだよ」と答えるものがあったんだお。
それをこの『すすめ!!パイレーツ』の作中でパロディして、キャラクター「犬井犬太郎」がカレーを食べながら「もりもりたべるからだお」等と2回ほど語尾に「だお」を付けたんだお。
ただし、もしかすると今後もっと前の例がみつかるかもしれないお。
毎回「~だお」を語尾に付ける意図的な口癖キャラクターとしては、桜玉吉が1986年から1994年までファミコン通信に連載していた漫画『しあわせのかたち』にでててくる、「本田べるの」が日本初だお。
ちなみに、20年以上経過して作品は色あせても、べるのの可愛さは現代でも通じるぐらい、変わっていないお。
「~だお」の表現を見つけたら心のどこかで彼女の事を思い出してあげて下さいお。
べるの自体は、べるの初登場の場面では「うっそじゃないよホントだお。(水森亜土風)」と芸能人の水森亜土の影響であると発言しているが水森亜土が「~だお」と語尾に付けていたかどうかは確認が取れていないお。
アニメだお
アニメでは、1999年のNHK衛星第2テレビ「衛星アニメ劇場」でのアニメ「ぶぶチャチャ」が最初かもしれないお。主人公の「ボク」の口癖でもあったから、毎回のように「~だお」が使われていたお。
インターネットだお
上で書いたように、元々小児の口調として存在しているし、漫画でも少なくとも1970年代や1980年代から使われているし、下にも書いたようにその後も沢山のキャラクターが「~だお」を使っているお。だから、インターネットが日本で使われ始めた最初のうちにも、この口調を使っている人はそこそこ居たみたいだお。
でも、大きく広まったきっかけはおそらくインターネット掲示板2ちゃんねるのネトゲ実況板での2004年の書き込み「あ、ぽこたんインしたお!」じゃないかと思うお。当時、この書き込みについて話すスレッドで「~だお」が多用され始めているのが確認できるお。
そしてさらに広めたのは、同じくインターネット掲示板2ちゃんねるの「ニュース速報(VIP)板」でのAAキャラ「内藤ホライゾン」と、その派生AA「やる夫」じゃないかと思うお。
2005年ごろから、⊂二二二( ^ω^)二⊃ブーンというAAが多用されるようになり、キャラクターとして「内藤ホライゾン」という名前も付いたお。そして「ブーン系小説」としてこの「内藤ホライゾン」が「~だお」という語尾を付いた喋り方をする小説が流行したんだお。
このAAに「~だお」を喋らせた最初のブーン系小説がどれだったのか、それともブーン系小説じゃなくて普通の掲示板での書き込みで「~だお」を喋らせていたのか、詳しくはもう分からないお。
その数年後、「やる夫」という派生AAキャラクターも発生したお。こいつは最初は「内藤ホライゾン」の頭部だけ拡大したバージョンだったから語尾も共通の「~だお」を使うんだお。
しょこたんだお
ちなみに芸能人であるしょこたんこと中川翔子さんも、ブログを頻繁に更新すること、その中で独特な言葉遣いをすること、特に「~だお」の語尾を使うことで知られるお。
ネットに興味ない人にとっては、しょこたん語として広まったお。
「しょこたんさんが「~だお」についてテレビ番組で聞かれて、「~だお」の表現方法は自分が作ったと語った」という噂話が広まっていたこともあるお。ただ、これはあまり正確ではないお。
2006年ごろにしょこたんさんが登場したテレビ番組で、「~だお」について「自身が考えた『しょこたん語』だそうですね」と突然振られたんだお。その時、しょこたんさんが
「そうですねえー『しょこたん語』といってもわざわざ考えたつもりもないんですけど」
と返したのが、この噂話の元だお。文章全体で見ると否定ととれなくもない、微妙なニュアンスで返しているんだけど、「そうですねえー」の部分を肯定ととった人が上のような噂話にして広めたみたいだお。
よく使うキャラの例だお
- べるの(しあわせのかたち)
- 小鳥遊ひな(パパのいうことを聞きなさい!)
- ルーミィ(フォーチュン・クエスト)
- ボク(ぶぶチャチャ)
- 甘瓜みるき(ワッチャプリマジ!)
関連動画だお
関連項目だお
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