「まる子、夢について考える」は、漫画「ちびまる子ちゃん」の回の1つで、少女漫画雑誌「りぼん」95年2月号に掲載されたもののコミックスには収録されなかった幻の回である。
原作者没後に発表された未収録作品をコンパイルしたちびまる子ちゃん完結巻の17巻からも収録対象から外れている。
概要
少女漫画雑誌「りぼん」95年2月号はちょうどアニメ版「ちびまる子ちゃん」の第二期(95年1月8日~)がスタートするタイミングであった為「まる子、夢について考える」はアニメの再スタートを勢いづける重要な回となるはずだった。
しかし内容があまりにサイケデリックであった為、コミックス収録を見送るまでの事態に陥ってしまった。
尚「夢について考える」というタイトルなので誤解されがちだが「将来の夢」というわけではなく単に「寝て見る夢」の事を書いている。
なお、扉ページのアニメイラストは後にネオジオのゲーム「ちびまる子ちゃん まる子デラックスクイズ」のジャケットに流用されている。(こちらも流通量が極めて少ない幻のゲームソフトで時価200万円になったこともある)
内容
- 謎の洞窟の奥で怪しい仮面をつけた邪教徒の集団が踊り狂っている所を影からまる子がコッソリ覗く
- 見つかってしまったところに王子様がやってきてまる子を助ける
- 仮面をとった邪教徒の正体はクラスメイトだった
- クラスメイトの中には食べ過ぎて死んでいるものもいてハエがたかっている
- 王子様に結婚を申し込まれる
- 気が付くと外はアメリカのブロードウェイ
- 更に気が付くとおばあちゃんの家にいる
など脈絡のない展開が続く。夢なのだからこれでいいと考えたのだろうか。
原作者「さくらももこ」氏の執筆時の状況
- 前年(94年)に長男(のちにさくらめろんというペンネームがつく)誕生
- 別雑誌で「コジコジ」連載スタート
- 「永沢君」最終回
- エッセイ集の締め切りに追われる
- 新アニメーション「ちびまる子ちゃん」の脚本準備等
未掲載は作者の意向によるもの
コミックス13巻に収録されるはずだった本作は、作者自身の言葉付きで掲載を見送られた。
以下が抜粋された本文である。
「第98話についてのこと」
今回のコミックスに第98話を収録することは悩んだ末に控えさせていただきました。
~中略~
もう一度じっくり挑戦しなおしたい。
上記の様にさくらももこ氏の自己判断もあり、コミックスには掲載されていない。2019年4月現在、この作品の本編を読むことが出来るのは当時のりぼん本誌をおいて他にない。
・・・のだが、実は『りぼん1995年2月号』は国立国会図書館にきちんと収蔵されているので、自分で利用者登録さえ行えば誰でも複写を依頼して数百円支払うだけで自宅で読むことが可能である。なお、最初の扉ページのみカラーなので、依頼時にはカラーorモノクロの指定を忘れないこと。
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関連項目
うるせい
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