アガベとは、キジカクシ科リュウゼツラン属に分類される植物である。
概要
アガベ(アガヴェ)とは、キジカクシ科(ユリ科)Asparagaceae/リュウゼツラン亜科Agavoideae/リュウゼツラン属Agaveに分類される単子葉類の多肉植物である。テキーラやアガベシロップの原料としても有名。近縁の植物にユッカ(青年の木)として親しまれているイトラン属/Yuccaがある。メキシコを中心にアメリカや中南米に分布している。名前はギリシャ神話に登場する女性アガウエー(Agauē/Agave)から命名された。アロエとよく似ているが、アロエはススキノキ科アロエ属のアフリカが原産の植物である。アロエは大株になると傘のような花を毎年のように咲かせるが、アガベは数十年に一度しか花を咲かせず、花が咲くと親株は枯れてしまう。その為アガベの花は珍しく、ニュースとして取り上げられることがある。和名はリュウゼツラン(竜舌蘭)またはアガベと呼ばれる。最初に海外から渡ってきたリュウゼツランは黄色~白の斑入りだった為、後から持ち込まれた斑が入っていないリュウゼツランはアオノリュウゼツランと言う名称で呼ばれる。
空前のアガベブーム
2020年頃から鋸歯が大きく鋭いチタノタやホリダ等の選抜株や実生苗の需要が高まり、白鯨やブラックアンドブルー等の品種が投資目的などを理由に高額な値段で取引される状態が続いた。SNSが普及し多肉植物やビザールプランツの認知度が向上したのに加えて、コロナ禍による巣ごもり需要により観葉植物の需要が高まったこともブームを加速させた要因となっている。2024年現在コロナ禍以前と比べてアガベの流通量は増えており、園芸初心者にも手が届きやすい価格で購入出来るようになった。
主な品種について
- サルミアナ’フェロックス’…アガベの大型種としても知られ、ドライガーデンにも用いられる定番の品種。姿形がダイナミックでとにかく大きくなる為鉢植えよりも地植えで育てられることが多い。耐寒性(Cold Hardness)は8a:-12.2℃あり、暖地であれば屋外で越冬可能である。
- チタノタ…小型種ながらも大きくて鋭い鋸歯が魅力的な品種。男の子ってこういうのが好きなんでしょ?と言わんばかりの見た目をしており、実際に男性の愛好家が多いアガベである。農大No1・白鯨・シーザー(凱撒)・ブラックアンドブルー・ハデス(恐竜歯牙/黒帝斯)等人気の選抜株が多数。耐寒性は弱く室内での管理が基本。冷害と日照不足にならないように植物用のヒーターと育成ライトを用いる愛好家が多い。
- チタノタ‘フェリペ・オテロイ‘…かつてFO-076と呼ばれていたアガベで、発見者のフェリペ・オテロ氏にちなんで命名された。グリーンチタノタとも呼ばれ、肉厚で濃い緑色の葉と厳つい刺が特徴で、耐寒性は9a:-6.7℃ほど。丈夫で育てやすく初心者にもオススメの品種とされる。
- パリー(吉祥天)…中型種で青白く、ロゼットと鋸歯のバランスが良くとても美しい品種。亜種や交配種も多いとされており、斑入りの品種も流通している。アガベのなかでは最も耐寒性が高く、5a:-28.9℃まで耐えられるらしいが、あくまでも目安として参考にしてほしい。
- ビクトリア(笹の雪)…葉の表面に「ペンキ」と呼ばれる白いラインが幾何学模様のように表れるアガベで、メキシコが原産だがどこか和の雰囲気が漂う品種。耐寒性は9a:-6.7℃ほど。強光に弱く葉焼けを起こしやすいうえ、調子を崩すと成長が止まりやすい繊細な一面もある。
- ホリダ…中型種で鋸歯がワニの歯のように発達しており、チタノタに並んで根強い人気があるアガベである。葉は細長くて薄く、姿形がシンプルながらもスタイリッシュな雰囲気が漂う。耐寒性は9b:‐3.9℃で他のアガベと比べて高くはないが比較的育てやすい品種とされている。
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