アルマーズ(Almaaz)とは、銀河系の恒星の一つである。「アル・マーズ」と表記されることもある。本項で解説。→概要へ移動
曖昧さ回避
- ゲーム『ファイアーエムブレム 封印の剣』『ファイアーエムブレム 烈火の剣』に登場する神器。
- 御者座のアルマーズ - アニメ『聖闘士星矢Ω』に登場する白銀聖闘士。
- アルマーズまたはアルマース(Алмаз)- ソ連・ロシアの宇宙ステーション。ロシア語で「ダイヤモンド」を意味する。「珍兵器」のロシアの項も参照。
概要
恒星(変光星・連星) | ||
---|---|---|
アルマーズ Almaaz | ||
符号 | ぎょしゃ座ε星 | |
距離 | 約2千光年? | |
合成等級 | 2.92〜3.83 | |
変光周期 | 約9896日 | |
備考 | 食変光星(アルゴル型) | |
主星(アルマーズA) | ||
スペクトル型 | F0 IabかII-III | |
表面温度 | 7750K | |
半径 | 太陽の143-358倍 | |
質量 | 太陽の2.2-15倍 | |
伴星(アルマーズB) | ||
スペクトル型 | B5V | |
表面温度 | 15000K | |
半径 | 太陽の3.9倍 | |
質量 | 太陽の6-14倍 | |
備考 | 円盤に囲まれている | |
参照:Wikipedia英語版 |
ぎょしゃ座のε星で3等星。同じ星座の1等星カペラの隣にいてあまり目立たない。名前はアラビア語で「雄山羊」を意味する「アル=マーァズ(الماعز)」に由来する。
「アル」はアラビア語の定冠詞に相当し、そのためか日本語では「アル・マーズ」と中黒を入れて表記されることがあるが、英語では Almaaz と一語である。これは同じくアラビア語に由来するアルタイル(Altair)やアルゴル(Algor)も同様で、ラテン語に音訳された際に一語になってしまっているのだ。
変光星として
地味極まりない恒星であるアルマーズだが、19世紀になって時々減光していることが観測されるようになった。そして20世紀初頭に一連の観測結果を合わせた結果、この星が27.1年に一度だけ明るさが半分以下になること、そのメカニズムがおそらく「食変光星」であることが分かってきた。
食変光星とは、2つの接近した恒星がお互いを隠し合うことで明るさを変えている星である。「アルゴル」の記事で詳しく解説している。
ただ、食変光星の変光周期は数日程度であることが多い中で、アルマーズの27.1年という数値は異常と言っていいレベルだ。しかも減光は2年近くも継続する。これは主星を隠す天体が規格外に大きくなければ不可能である。そのため、一時はアルマーズの伴星が「宇宙最大の恒星」と書かれていたこともあった。
何しろこの星の素姓を探るチャンスが27年に1度しか来ないので、その度に重点的に観測が行われる。そしてその都度、アルマーズに対する説明が変化している。
現在では、伴星はせいぜい太陽の数倍程度のサイズしかない恒星で、大量の塵を含む巨大な円盤に囲まれているのではないかと推測されている。この円盤が主星を隠して減光が発生するのだ。
だが主星と伴星の明るさや質量についてはなお諸説あり、表の通り、現時点でデータはばらついている。
前回の減光は2009年から2011年にかけて発生した。次回は2036年から2038年まで続く見込みである。
関連項目
- 0
- 0pt