アレスI(アレスワン、Ares I)とは、アメリカ航空宇宙局(NASA)が開発していた次世代大型ロケット、アレスロケットシリーズの一つ。
概要
アレスI Ares I |
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使用目的 | 人員打ち上げ機 (オリオン宇宙船ブースターロケット) |
製造 | ATKスペース・システムズ(第一段製造) |
ボーイング(第二段製造) | |
全長 | 94 m (310 ft) |
直径 | 5.5 m (18 ft) |
ステージ数 | 二段 |
搭載能力 | 25,000 kg (低軌道) |
アメリカ国立航空宇宙局(NASA)のコンステレーション計画の一環、人員打ち上げ機(CLV, Clew Launch Vehicle)として開発していた使い捨て型二段式ロケット。日本ではアレスと表記・呼称しているが、英語ではエアリーズと発音する。
主な製造請負元は、ATKスペース・システムズ(第一段ロケット)、ボーイング(第二段ロケット)。全長94mと史上最大のサターンV級の大きさだが、直径はサターンVの半分の5.5mという細身である。
スペースシャトル全機が2010年内に退役した後、オリオン宇宙船(アポロ型次世代宇宙船)用の打ち上げロケットとして運用される予定であったが、2010年1月、オバマ大統領によりコンステレーション計画の打ち切りが発表され、アレスロケット及びオリオン宇宙船の開発は中止となった。
構造
第一段ロケットのATK DM-1は、再使用型固体燃料ロケットエンジンであり、スペースシャトルに使用されている固体ロケットブースター(SRB)1基を本来の4セグメントから5セグメントに延長、推力を増強して使用する。固体燃料ロケットの特性上、推力の調整はできない。
第二段ロケットのボーイングJ-2Xは、サターンIBやサターンVに使用されていたJ-2ロケットエンジンを改良した液体燃料ロケットエンジンである。燃料はLH2(液体水素)とLOX(液体酸素)を使用する。
アレスI-X
アレスI-X(アレスワンエックス、Ares I-X)は、第一弾ロケットの飛行燃焼テストを目的に開発された無人試験型である。
2009年10月29日午前0時30分JSTに、ケネディ宇宙センター(KSC)のLC-39B発射台より打ち上げに成功、高度45kmまで上昇し、無事に分離・着水した。
第一段ロケットは4セグメントまでが実基であり、5セグメントはダミーである。又、第二段ロケットは完全なダミーであり、オリオン宇宙船は実物大模型が使用された。
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関連項目
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- コンステレーション計画
- アメリカ国立航空宇宙局(NASA)
- 打ち上げ機(打ち上げロケット) - 多段式ロケット - 使い捨て型ロケット(ELV)
- ロケットエンジン - 固体燃料式ロケットエンジン - 液体燃料ロケットエンジン
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- サターンロケット(サターンI - サターンIB - サターンV)
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