私、そんな軽い子じゃないもんっ!!
水素(Hydrogen)とは、最も軽く、宇宙において一番最初に作られ、最も多く(約88%)存在する元素である。天然では陽子1、中性子0の軽水素が99.988%、中性子1の重水素が0.0115%の割合で存在している。
概要
- 原子番号は、1、元素記号は、“H”、分類は、非金属元素。
- ギリシャ語の「水(hydro)」と「~を生じるもの(gen)」に由来する。命名者はフランスのラヴォアジエ。
- 発見:1766年、酸で鉄を溶かしたときに生ずる空気よりはるかに軽い気体により。発見者はイギリスのH.キャベンディッシュ。
- 利用例:代替エネルギー源(H2)、燃料電池の原料(H2)、冷却材(液体水素)、同位体効果への利用、細胞の発光塗料、化合物間の水素結合、核融合反応など。
- 太陽は中心部で水素が核融合を起こして産生されるエネルギーで燃えている。
- 水素原子が誕生したのは、宇宙誕生から約38万年後。
- 酸素と反応し、生成物として水(H2O)しか放出しないので、新しいクリーンエネルギーとして注目されている。
- しかしちょっとしたことですぐ爆発的事象を起こしてしまうので
かわいい扱いが難しい。 - 既述のとおりとても軽いので地球の重力でもとどめておくことが出来ず、気体の水素分子は宇宙空間に放出されてしまう。
ヒンデンブルク号
- ドイツの飛行船ヒンデンブルク号の浮力に使われていたこと、そして大きな爆発事故を起こしたことで有名。直接的な原因は塗料による静電気が外皮に引火したことという説が有力視されているが、未だそのイメージは強い。
- 人工衛星などを除けば、ヒンデンブルク号は人類が空中に浮かべたものの中で一番重い(230t)。また水素はその爆発力からロケットの燃料としても用いられており、物を浮かせる、飛ばすことに定評がある。
- 電気陰性度が高い原子に結合した水素は電子が薄くなり、他分子間、あるいは分子内でO、S、Nなど孤立電子対をもつ原子と静電的な引力をもつ。これは水素結合と呼ばれ、水などの沸点を高めている。水素結合がなければ水はおよそ-80度で沸騰し、-100度で凍ってしまう。
- 水は凍ると体積が増すが、これは水素結合によって水分子が空洞の多い構造で固まるためである。一般的に固体は液体より体積が減るため、非常に珍しい。
- 1族元素では唯一の非金属であるが、高圧環境下では金属的な性質を示すのではないかと予想されている。現在のところ証明されていない。
- 一般的に元素の同位体は左上に原子量を記載するが、水素の同位体に限り2HをD、3HをTとする表記も存在する。
関連項目
関連動画
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