スプリットフィンガード・ファストボールとは、野球の変化球の一つである。
概要
基本的な握り方は、縫い目が人差し指と中指の内側に触れる程度に指を開く、そのためフォークよりも握りが浅い。
握りが浅いためフォークよりも変化の幅が少なく奪三振能力は落ちるが、その分速いボールを投げる事が出来る。
特にキレの良いS.F.F.は打者がスイングを判断した後で落ちるため、凡打の山を築く事が可能である。
コースにきっちり投げ込めばストレートと勘違いさせて三振を取る事も可能ではある。
2012年3月現在のNPBにおける主な使い手は、ブライアン・ファルケンボーグ、田中将大、小野寺力、清水直行が著名だが、最もS.F.F.を有名にしたのは元巨人、パイレーツの桑田真澄であると思われる。また元中日の落合英司投手もよく使っていた。
誕生秘話
要出典。というかソース元を無くしており、脳みそに残っている記憶から書き込むので注意。
フォークという球種は今においても通用する強力な変化球であるが、投球時に手首を固定させる必要があり、肘に負担を強いる球種である。
日本においてもフォークを武器とした投手は少なからず肘のケガを経験している者が少なくない。
よって、教育が目的に含まれる学生野球においてフォークを教えるのは精神的負担が生じた。
(日本では元中日の杉下茂氏や元阪神の故・村山実氏がフォークで一世を風靡しており、ブームの真っ最中である)
それを憂いたアメリカのとある大学野球の指導者が「負担の軽いフォーク」として考え出されたのがS.F.F.である。
握りを浅くしたので負担は確かに軽くなったが結局は手首を固定する為、それ相応の負担はかかるというオチがあるのだが、こうした目的で生み出されたS.F.F.は全米でも広く知れ渡りブームを築き上げた時期もあった。
これだけを見ると、ちょっとしたイイハナシダナーかもしれない。
現代において
日本においては(最近では海外においても)絶滅危惧種の変化球であった。
この記事の初版の頃はS.F.F.よりも安全に効果的に抜ける変化球としてチェンジアップが台頭してきていたのも要因の一つで、フォークと比べて中途半端なイメージを持たれることも多く、近年に至るまで使い手が激減していた。
しかしそんな不遇の歴史がファルケンボーグの来日により解き放たれ、2010年の夏の甲子園で活躍した歳内宏明によってその存在が示され、現在では楽天のエースである田中将大によってキレッキレのS.F.F.を拝む事ができるのである(ちなみに田中将大は、2010年の週刊ベースボール(6月14日号の変化球特集)に載っていたファルケンボーグのSFFの記事を見て習得したと翌年の6月20日号の変化球特集で語っている)。
もう、「フォークの落ちそこない」なんて言わせない。
ただ、あまりにもな話だが、使い手が豪語しない限りはフォークに分類されている。
野球ゲームにおいて
パワプロでもサークルチェンジや縦スライダーの方が人気も実力も強いので、滅多に使われなくなっていたが、サークルチェンジの仕様変更や、上記の実在選手の活躍により注目を集め始めている。
夢パーツならぬ夢球種と化していた時代は過去のものとなり、変化量を増やしさえすればサクセスでも有用な変化球の一つとなっている。
とはいえ、全盛期はおそらくプロ野球キング(NINTENDO64で発売)においてであろう。
変化するのが非常に遅く、慣れてないと滅多に打てないので、魔球と呼ぶに相応しい球種であった。
関連項目
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