「スンニ派」「スンニー派」とも。
概要
イスラーム(イスラム教)の宗派の一つであり、現在イスラム教徒の中では最大の人口を擁している(全体の8~9割)。
スンナとは「慣行」を意味しており、聖典であるクルアーン(コーラン)や預言者ムハンマドの語録(ハディース)を元として法的解釈を行い、それを行動規範(スンニ)とすることで成り立っている。
法学者間の合意を重んじる宗派だと言われており、クルアーンやハディースの解釈を巡ってハナフィー学派、マーリキー学派、シャーフィイー学派、ハンバル学派の四大学派が存在する。比較的寛容な法解釈のハナフィー学派はイスラームの布教において貢献したといわれており、厳格な解釈で知られるハンバル学派はサウジアラビアなどで採用されている。
シーア派との違い
シーア派とスンナ派はもともと同じ1つのイスラム教だった。しかしムハンマドの死後に後継者争いが発生。ムハンマドの従弟にしてムハンマドの娘婿でもあるアリーを最高指導者とする「血族による世襲」を主張するグループと、アリーを含めた4人の人間を最高指導者とする「共同体での合意による選出」を主張するグループが対立する。
このとき4人の最高指導者を選出した側が後のスンナ派、アリーのみを選出したアリー党派(シーア・アリー)側が後のシーア派となっていった。分裂こそしたものの、それ以降のスンナ派においてもアリーは正統を継ぐ最高指導者の一人として扱われている。
関連項目
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