タイリクオオカミとは、ネコ目(食肉目)イヌ科イヌ属のオオカミである。別名、ハイイロオオカミとも呼ばれ、基本的に「オオカミ」と言えばこのオオカミのことを指す。
概要
世界各地にオオカミは生息しているが、基本的にはこの種の亜種という扱いになっており、生息地によって亜種が異なるということになる。大きさや生息地も異なるとはいえ、高緯度に住む亜種ほど大きさが大きくなる傾向がある(ベルクマンの法則)。例えば、日本にかつて生息していたニホンオオカミは「ネコ目イヌ科イヌ属タイリクオオカミ亜種ニホンオオカミ」として現在は分類されている(なお、これからの研究によって分類が見直される場合もある)。亜種の種類は豊富で、現在では再編の議論もあるが33種類の亜種が現存している(絶滅種を含めると39種)。
体長は100~160㎝ほど、体重は25~50kgほど。絶滅度合いは地域や亜種によって異なる。北半球の世界各地に生息しており、森林地帯や平原、山間部などに生息している。
オオカミの再導入
オオカミが基本的にタイリクオオカミとその亜種ということを利用して、オオカミが絶滅してしまった地域にタイリクオオカミを連れてきて、生態系を整え直すということもある。これをオオカミの再導入という。
アメリカのイエローストーン国立公園が一番有名で、カナダからオオカミを連れてきて放った結果、オオカミの群れを復活させることに成功した。
オオカミがいなくなったことでイエローストーンではアメリカアカシカによる食害が酷くなり、それだけでなく、オオカミは自分より大きな獲物を襲うのに対しコヨーテはそれを行わないため、食料の減少やコヨーテの増加によって小動物たちは数を減らした。シカをたべる動物がいればよかったのかもしれないが、他にいる肉食性の動物がハイイログマ(雑食性で、しかもシカを狩ることはあまりない)だったため、シカばかりが増えてしまった。これをどうにかするために、30年近く議論や準備を重ね、1995年に初めてオオカミが放たれた。
現在では、コヨーテの数のバランスも保たれただけでなく、生物の多様性が復活し、シカによる食害もひどくなくなった。こういった例もあってか、日本においてもオオカミを再導入しようとする動きもある。
とはいえ、日本においては、他の地域から連れてきたことによって生態系の悪影響もあるのではないかという懸念(過去に、マングースを連れてきた結果沖縄在来の動物が狙われてしまったことから)や、人間や家畜を襲う、狂犬病を媒介するのではないかという不安もあるため、まだ実際には行われないようである。また、オオカミの仲間を勝手に放すことは禁じられている。
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関連項目
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