ニシオンデンザメとは、ツノザメ目オンデンザメ科に属する鮫である。
概要
体長は最大で7m以上になるともいわれる巨大な鮫。深海性で、北極海域に生息する唯一の鮫とされる。体色は灰色で、ずんぐりした太めの体型をしており、吻はやや前方に突き出ている。
食欲は旺盛で、サケ・マスなどの魚類や底生生物、クジラの死骸やアザラシまでも餌になりそうなものならば何でも口にする。胃の中から人間の遺体が見つかったこともある。
ずんぐりとした体型で、遊泳速度は平均時速1km程度、最高でも時速3㎞程度と言われており、泳ぐのが最も遅い魚とされている。そのため長い間純粋なスカベンジャーと思われていたが、寝ているアザラシなどを狩ることもあることが分かっている。
歯はおろし金のように並んでおり、これによって噛まれたアザラシは皮膚が繊維の方向に沿って裂け、船のスクリューに巻き込まれたかのような傷を負うことになる。
成長速度は年に1cm程度と非常に遅く、そのため長寿な魚であると推測されていたが、2016年に400歳近い個体がいることが確認された。これは現在確認されている脊椎動物では最も長寿である。これまで軟骨での年齢推定が困難であったため具体的な年齢は不明であったが、水晶体を放射性炭素年代測定法にかけるという新たな手法によって年齢を推定し、体長約5mの個体の年齢を392 ± 120歳と算出したという。[1]
また同報告では、ニシオンデンザメのメスが性成熟に至る年齢が150歳程度であることも判明し、他のサメに比べて絶滅の危険性が高いことが指摘されている。ニシオンデンザメは、肝臓を肝油などに利用するために北極海周辺で年間3万頭余りが捕獲されている。肉には毒があると言われている。
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関連項目
脚注
- *Eye lens radiocarbon reveals centuries of longevity in the Greenland shark (Somniosus microcephalus) | Science
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- ページ番号: 4716277
- リビジョン番号: 2393637
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