死体とは、
概要
死体に対して尊厳を示す場合は遺体と表記される。逆に、動物などの死体を物として扱う場合などには死骸と表記される。その他、亡骸・屍・骸・遺骸・ほとけさんなどの言いかえがある。
特に人間の死体は事件性のあるものとして何かと騒ぎになる。行方知らずになった人が後日、周囲や沿岸、下流で発見されたりといったパターンから、死体自体がなく生死すら分からない行方不明と同じパターンになる場合もある。(稀に生存して発見される場合もある)
人間であれば死亡確認・検死・葬式ののち、火葬・埋葬・土葬といった処置がなされるが、野生動物の場合は朽ち果て、他の動物や昆虫・植物の養分となる。
諸問題
放っておくと腐敗による液状化、腐臭、疫病・感染症、害虫の発生、周囲や部屋の汚損(事故物件)といった様々な問題を引き起こす危険な存在となり、現状復帰にも大変な労力やコスト・時間がかかる。
高齢者など自宅での孤独死の事例も多く高齢化社会によって今後も増えることが予想されるため、早期発見といった対策が急がれる。電気照明のON/OFF、家電の使用、室内移動などを感知するセンサー等で個人の生存を判別する、異常を検知するといった試みもされているが現段階において十分に普及していない。
正当な手続きを経ないで勝手に埋めたり処理すると、死体損壊罪・死体遺棄罪といった法律に違反する。
※山中や海に捨てるのではなく、死体を家の中に置いておく=放置するのも死体遺棄罪である。
死体に関するあれこれ
- 桜の木の下には死体が埋まっていると言われる。これは昭和3年の梶井基次郎の短編『桜の樹の下には』の冒頭文から広まったと言われている。→青空文庫「桜の樹の下には」
- 過去の治安が悪く、衛生観念も発達していなかった時代には、街中に死体が放置されていたこともある。当然、更なる衛生環境の悪化をもたらした。
- 創作でも退廃的な世界観を出すためにそのような描写がされることがある。代表的なのが芥川龍之介の『羅生門』で、都の表玄関であるはずの羅生門にまで死体が積み重ねられた末世的な描写がされている。
- 同作品では死体から髪を抜き取ってかつらを作ろうとする老婆が出てくるが、どこかでイメージがねじ曲がり、死体を食べていると勘違いしている人もいるようだ。→羅生門で死体喰ってるババア
- 現代を舞台とした創作では、推理小説などでは死体自体が大きな証拠となるほか、トリックのギミックとして使われるなどされる。
- 単純に他人の死体を自分の存在や死体と見せかける場合もある。
- 死体が見つからない事自体が生存フラグとされる場合も多い。
- 死体が折り重なり積み上げられる様子は死体の山、死屍累々とも呼ばれる。
ゲームなど
敵をわりと気軽に倒したり殺したりできるゲームの世界では死体が様々な扱いがされる。
- RPGでは、パーティのメンバーが死んでしまった場合、その死体を引きずって教会などに連れていけば蘇生できることが多い。→ささやき - いのり - えいしょう - ねんじろ!
一方、NPCがストーリー上死体で登場することもある。→へんじがない、ただのしかばねのようだ - アクションゲームでは多数の敵を相手にしてこれを倒していくゲームが数多く作られているが、旧世代のゲームハードでは処理の関係上などの理由で敵を倒しても死体を残さない事が多かった。しかし、性能の発達によって死体を残しても大丈夫なようになると、敵の死体からアイテムがドロップするなどの死体を使ったギミックも作られるようになった。
- 格闘ゲームでは、すでに体力がゼロになって倒れ伏した相手を死体と見なし、これにさらに攻撃を仕掛けることを死体蹴りと呼ぶ。この言葉は格闘ゲーム以外でも使われるようになった。(死体撃ちなど)
- 一部のFPS・TPS等では敵が死体を発見(異変を察知)することで警戒態勢に入り、増援部隊を呼ばれるなど不利な状況に追い込まれるため、死体を隠したり敵兵に変装してごまかすといった展開もあり「敵を倒し続ければ良い」といったゴリ押しが効かないなど、戦略性を求められる。(MGS、ステルスミッションなど)
戦場など
戦争/戦場においては個々の丁寧な葬式どころか死体を回収する余裕すらない場合も多い。
敵前で死体が築かれる場合も多く、死体のために撃たれて自分まで死体になっては元も子もないため。
近代においては、戦闘終了後(安全が十分に確保できた場合)に余力があれば回収したり、目印をつけて近隣に仮埋葬し、後に回収、本土・本国へ送り返すといった手段も取られる。また速やかに回収できたり被弾や腐敗による損傷で個人を識別可能とは限らないため、認識票(ドッグタグ)などが活用される。
もちろん自軍や部隊の損耗状況、死体の運搬手段などに余裕がない場合はこの限りではない。遺体すら戻ってこない生死不明・行方不明といった例は珍しくない。
昔の大規模な合戦においては、(個人に対する葬式とは少し異なるが)大将が遺体収容や首塚の建設を命じるなど一応の弔いをしてくれた例はある。
厄介なパターン
撃たれたが完全には死んでいない状態など、死体になりすまし隙を見て反撃/自爆するといった戦法もあり、特殊部隊などが敵を制圧する際に恐れられる厄介な事態のひとつ。 →死んだふり
逆に、無差別銃撃事件などにおいて被害者側が死体を装って難を逃れたパターンもある。
関連動画
関連静画
関連リンク
関連項目
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