概要
米に様々な具材やサフランを加えて作る炊き込みご飯の一種であり、平らで浅いパエリア鍋を使って作る。スペイン料理の中では特によく知られたもののひとつ。
本来は水分の少ない種類の米を使うため、水分の多い日本米を使うときは米を洗わずに使った方がパラッとした出来になる。また、パエリア鍋に米をいれて少しなじませたら、以降はあまりかき混ぜたりせずに触らない方がよいとされる。触りすぎると米が割れたりベチャッとした食感になってしまうのだとか。
パエリア鍋は薪で加熱するのが伝統的な製法で、さらに「オレンジの木の薪」で調理するのが伝統なんだとか。バレンシアにはオレンジの一大産地でオレンジの木が豊富であるため。
入れる具材は魚介類なら海老・烏賊・ムール貝、野菜ならトマト・ピーマン・ニンニク・モロッコインゲン・アーティチョーク・ローズマリー、肉類なら鶏肉が多いが本場ではウサギやカタツムリなどが入ったレシピもあるなど実に様々。イカスミを入れることで通常はサフランで黄色みがかっているはずの米が真っ黒くなっているパエリア、米ではなくショートパスタを使っているパエリア(フィデウア)など、基本からアレンジした少し変わり種のパエリアもある。
パエリア鍋から取り分け用のスプーンで各個人のお皿に取り分けて、それから各個人のスプーンで食べることが多いと思われる。本場での伝統的には大きなパエリア鍋から各自が木のスプーンですくって直接食べるものであったそうな。ただし現在では「大皿料理に各自の口も触れるスプーンを突っ込む」ことには衛生的な面から抵抗感を感じて嫌がる人も居ると思われるので、よほど本場の伝統的な食べ方を真似したいとき以外では取り分けたほうが無難かもしれない。
絵文字
パエリアを表す絵文字も存在している。
🥘
Unicodeは「U+1F958」。2016年のUnicodeバージョン9.0にて新規採用された。
名称は「shallow pan of food」[1]。「食べ物が入った浅い鍋」。つまり名称自体は「パエリア」(paella)に限定されてはいない。設定されている「Other Keywords」(他のキーワード)は「casserole | food | paella | pan | shallow | shallow pan of food」であり、「paella」以外に「casserole」(キャセロール)というフランス料理なども含んでいる。
だが上記の2016年のバージョン9.0で新規採用された背景には、「パエリアの絵文字が欲しい」という人々からの要求があったらしい。バレンシア出身のコメディアン「Eugeni Alemany」がこのアイディアを言い出して、他の人々にも広まってTwitter上などで「#PaellaEmoji」のハッシュタグを使ったキャンペーンが行われ[2]、その要求がUnicodeにも伝わって[3]採用に至ったのだそう。
「他の似た見た目の料理を表すのにも広く使えるように」という理由で前述のように「パエリアに限定しない絵文字」ということにはなっているが、上記の経緯から「しかし、特にパエリアに深く関連づいている絵文字である」というわけ。
関連動画
関連商品
関連項目
脚注
- 2
- 0pt