ホーワンバッチャンとは、空耳である。
概要
ニンテンドウ64用ソフト「ディディーコングレーシング(発売:任天堂、開発:レア社)」のレースコース「Hot Top Volcano(日本語版:マグマかざん)」で使用されている楽曲内に出てくる空耳。空耳なのでどう聞こえるかの解釈は人それぞれであるが、当記事では後述するカミナリ(お笑いコンビ)の石田たくみの発言から便宜的に「ホーワンバッチャン」とする。
マグマかざんの名の通り、マグマの海を突っ切る活火山内部を周回するレースコースで、アドベンチャーモードを順番にプレイしていけば初めて使用ビークルをひこうきに乗り換えて挑戦するコースである(クリアすれば別のビークルでもプレイ出来るようになるが、コース上にマグマがある為レースカーは使用できずホバーが追加される。なお、マグマのうねりが激しいので結構難易度が高い)。
そして、デビッド・ワイズによるアラビアンなイントロから始まるエキゾチックなBGMは、中毒性が高く多くのプレイヤーの印象に残っている。特に、曲中に挿入されている何語かわからないフレーズは耳に残るのだが、このフレーズが何と歌っているかは解明されておらず、プレイヤーの間でも永遠の謎であった。
何て歌っているのか解らない為、ディディーコングレーシングを遊んだプレイヤーたちはそれぞれ自分の耳で聞こえた様に空耳をつけていたが、その謎が解明されたのは発売から25年以上経った2023年の事である。
「ホーワンバッチャン」は何て歌っているのか?
お笑いコンビ・カミナリがYouTubeに開設した公式チャンネル「カミナリの記録映像」内で「ディディーコングレーシング」をプレイした際、石田たくみがマグマかざんで歌われているフレーズを「ホーワンバッチャン」と称し、「なんて言っているんだろうね?」と疑問に思った事で、チャンネル内でその謎を解明していく事になる。
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幼少の頃からデビッド・ワイズの楽曲の虜になっていた石田たくみは、チャンネル内でもワイズの曲を堪能する動画を多数投稿していた。2023年にはワイズ氏本人に会いにイギリスへ行くという企画が行われ、アポなしで行ったが奇跡的にワイズ氏と遭遇し、その場でコンタクトを取ってインタビューが行われる事となった。
そのインタビュー内で「Hot Top Volcano」について質問し、「サンプリングCDのインド人女性ボーカルが歌っている曲の一部のリズムが気に入って、その部分を使用した音楽が生まれた」とワイズ氏は語ったが、「ホーワンバッチャン」が本当は何て歌われているのかはワイズ氏にもわからなかった。
その後、チャンネル内で「ホーワンバッチャン」の謎を解明しようと視聴者からの情報などを頼りにし、ついに原曲が収録されているサンプリングCD「Heart of Asia」の入手に成功した(ちなみに視聴者の情報でpop'n musicの「マハラディーン」も同じ歌を使用した楽曲であるという事も判明した)。しかし曲名や歌詞カード等の記載がなく、判明したのはカンナダ語で歌われている事のみ。そこで、日本でカンナダ語の講師をしている方に連絡を取り、翻訳を依頼してみる事にした。
だが、何度も試行錯誤してみたものの解読できないという報告を受け、スタッフは同じくカンナダ語に精通している京都大学の先生に連絡を取ってみる事にした。ここで、この曲は「Madikeri mel manju(マディケリ・メル・マンジュ)」という曲ではないかという有力な情報を得た。しかし歌なので歌詞の書き起こしと翻訳にはかなりの時間を要するため、この方の知人であるインド出身でカンナダ語の話せる人を紹介して貰い、三度翻訳を依頼した。
返信されたメールによると、この「マディケリ・メル・マンジュ」は古カンナダ語で歌われたもので、霧に包まれたマディケリの町の美しさを詩にしたものであるという。ただし、「ホーワンバッチャン」のパートが含まれた後半パートは原曲にはないため、CDに収録されたものはリミックスバージョンだと思われる。
その後半パートを含めた歌詞の書き起こしと翻訳によると、後半パートはインドの神話劇を皆で演じたという内容で、「ホーワンバッチャン」のパートは「カラマネ ブーランブットゥ カーラーリー ボラッカナ シタマンナ パルトゥ マドゥカルコンディバンディデ(下院のブーランの代わりにカーラーリ出身のボラッカナに母シータの役を演じさせました)」から「ブーランブットゥ」「ボラッカナ」の部分を抜き出して繰り返して使われた事が判明した(2回目のパートでは「カラマネ」の部分も使用されている)。
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