ロイヤルペンギンとは、鳥類ペンギン目ペンギン科マカロニペンギン属に分類されるペンギンである。
概要
黄色の冠羽と赤い嘴・嘴の付け根部分のピンク色の皮膚が特徴の小型のペンギン。マカロニペンギン属の中では最大種となる。マカロニペンギンとよく似た外見をしており、本種はマカロニペンギンの亜種だという説もある。両種間での雑種が確認されているので、交尾出来るほど近い関係なのは間違いない。マカロニペンギンの頭部が黒色なのに対し、ロイヤルペンギンの方は白色。
名前のロイヤルとは王族という意味で、キングペンギンの近くで見掛けた・気品に満ちた姿だったからなど名付け理由は諸説ある。
体長は65㎝~75㎝、体重は5~6㎏。南極大陸周辺の海域に生息しており、たまに迷い鳥としてニュージーランドやタスマニア島・オーストラリア南岸に姿を現す事もある。
生涯のほとんどを海上で過ごし、換羽期と繁殖時のみ南極大陸とオーストラリア大陸の間にある無人島・マッコーリー島(現世界自然遺産)に上陸し交尾・出産・育児を行う。マッコーリー島でのみ繁殖するのは生息範囲上での陸地がこの島以外に存在しないためと言われている。
9月~10月にマッコーリー島に上陸し繁殖活動に突入する。交尾を終えた番は同種同士でコロニーを形成し、海岸近くや丘陵地にすり鉢状の巣を作る。巣の密度は高め。抱卵は夫婦が交代しながら行い、卵は35日ほどで孵る。孵化後10日~20日を経た雛は巣を離れクレイシュと呼ばれる一定度成長した雛のみで構成される群れを作り、ソコで互いに身を守り合いながら両親から餌を貰い成長する。だいたい65日くらいで独り立ちする。
最初に産んだ卵の抱卵をやめ見殺しにする育児放棄行為が知られている。理由は不明だが、2個目の卵を産む直前にこの行為が行われる。
換羽期に入ると完全に体毛が生え変わるまでは海に入れず絶食する事になるので、事前に1ヵ月ちょっとほどエサを食い溜めして絶食に備える。
エサはオキアミなどの甲殻類・小型の魚類を食べる。海域や育児期間でエサの内容は変わる。
天敵はシャチ・サメ・カモメ類に狙われるほか、同じマッコーリー島を繁殖地とするミナミゾウアザラシに押し潰されて命を落とす事も多い。
かつてマッコーリー島はペンギンから油を生成する拠点として作業員が駐屯しており、毎年10万羽ものロイヤルペンギンなどのペンギンが殺されていた。人々の反対活動により1917年に廃止され、現在は調査目的などで許可が下りなければ人は立ち入れない無人島となった。現在も島内にはペンギンを殺して油を作るための釜跡が残されている(詳しくは「ペンギンを蒸す機械」の記事を参照)。
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