キングペンギンとは、鳥類の1種である。別名オウサマペンギン、オオサマペンギン。ペンギン目ペンギン科オウサマペンギン属。
概要
現在生息しているペンギン19種の中で2番目に大きいペンギン。体長は85㎝から95㎝。体重12㎏から16㎏。
人類が南極に進出しコウテイペンギン(現在1番デカいペンギン)を発見するまでは最大種と見られていた。1番大きな体格を王に見立て「キング」と名付けられたが、後にペンギン最大種の名誉と1番有名なペンギンの座を他に奪われてしまった。コウテイペンギンは王(キングペンギン)よりデカいという事で、王よりランクが上な「皇帝」の名を冠された。
コウテイペンギンとよく似た外見で属も同じ。頭部のオレンジ色の部分と喉元の黄色部分の面積が広く色が濃いのが見分けるポイント。また、生息域は完全に違うのでごちゃ混ぜになる事は無い。雛の体毛は茶色でより見分けやすい。
南極大陸と接する海域で生息。普段は繁殖地付近の外洋で暮らし、繁殖期になると陸地に上陸し子育てを開始する。生息生息・繁殖地によりヒガシキングペンギン(南米南端の島で繁殖)とニシキングペンギン(アフリカ大陸と南極大陸の間の島とニュージーランド付近の島で繁殖)を亜種として区別出来る。
縄張り意識が強く同族間では激しく争うが、別のペンギンとは衝突したりはせず上手く共存している(キングペンギンと生息域を同じくするのはロイヤルペンギン・ジェンツーペンギン・マゼランペンギンの3種特にロイヤルペンギンはキングペンギンの近くで発見されたためロイヤル(王族)と名付けられた)。海洋で泳ぎながら暮らセル用に適応進化しており、遊泳能力・潜水能力は共に高い。特に潜水が得意で、最大で344mもの深度まで潜った記録がある。繁殖期以外は一生の殆どを海で暮らす。海では単独か小さな集団で行動する。
エサは小型の魚類・イカやタコ・エビなどの甲殻類など。天敵はシャチ・サメ・アザラシといったおなじみの面々のほか、卵やヒナは多くの鳥類に狙われている。
12月から1月の南半球では夏の時期が繁殖シーズンとなる。繁殖期になるとキングペンギンは陸地に上がり同種でコロニーという集団を作る。ペアは同種同士でケンカを繰り返しながら縄張りを作り、卵を産む。コロニーは雪が無い海岸線や水平な土地・低地で発生する。だいたい1つのコロニーには1万羽以上が集まり形成される。
繁殖は2年に1度、多くても3年に2度の回数行われる。番の絆は低く、子育てが終わると解散される確率が高い。離婚率は80%ほどもあり、次の繁殖も前回と同じペアで行う事はほとんどない。
巣は作らず、1個の卵を足の上に乗せ抱卵嚢というだぶついた皮で覆い温める。この抱卵方法はコウテイペンギンと同じ。両親が交代で卵を温め、大体54日ほどで雛が孵る。卵から孵った雛は両親の嘴から直接エサを貰い、親は交代でエサ取りと子守りを行う。この間に豊富なエサを貰いエネルギーを蓄えて雛は丸々と太り、体格は親よりも大きくなる。
生後8週間くらいで雛は両親の下を離れてクレイシという雛同士で構成される群れに合流する。その間も親からエサを貰いながら成長し、繁殖していない1羽の成鳥が群れの見張りを担う。クレイシで生活する期間中に厳しい冬の時期に突入し、雛は互いに温め合いながら親がエサを運んでくるのをひたすら待つ。冬の期間は親鳥にとっても厳しい環境なため、親は自分が生きるためのエサ取りを優先し、雛への給餌は何週間に1度など回数がめっきり減る。エサを貰えない間は雛は夏の間に溜め込んだ脂肪を消費しエネルギーに変換しながら、ひたすら飢えと寒さに耐える。その間に体重は半分以下にまで落ちるという。
冬が終わると共に両親は再び盛んにエサを取り給餌を行うようになる。それと共に雛の体毛も換羽期間に入り、キングペンギン(とコウテイペンギン)特有の色鮮やかな体毛に生え変わる。10月~1月に巣立ちとなり、過酷な海原へと乗り出す。
卵から孵った雛のうち、産まれてくるのが遅かった・親が死亡し給餌が十分じゃなかった、などで大半の個体が死亡する。また、無事に冬を越えた個体も海に出たら天敵に食い殺されたなど経験不足な若い個体はどんどんと死んでいく。無事に成長し繁殖に漕ぎ付ける個体はほんの僅かである。
誕生から巣立ちし親元を完全に離れるまでの期間は1年。ほとんどのペンギンが2~3カ月で巣立ちを迎えるのと比較すると、かなりの長期間の育児となる。
その他
キングペンギンは暑さに耐性があり丈夫で見栄えも立派なため、世界各地の動物園・水族館で飼育されている。旭山動物園で園内を練り歩いているペンギンもこの個体。
2017年には、メディアミックス作品『けものフレンズ』のキャラクターデザインを担当している吉崎観音により、同作に登場する動物の擬人化キャラクター「アニマルガール」化されたキャラクターとして発表されている[1]。詳細は「キングペンギン(けものフレンズ)」の記事を参照。
関連動画
以下、雛が成鳥よりも大きいことがよくわかる動画。大きいので雛だということが伝わりにくいらしく、観客から「なんか変なんいる(;^ω^)」と言われたりしている。
関連立体
関連項目
以下、キングペンギンを飼育中(2017年現在)の動物園/水族館のうちニコニコ大百科に記事があるもの
脚注
- *吉崎 観音のツイートより。
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