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俺は生きたい! お前と一緒に!とは、田亀源五郎による漫画『雄心〜ウィルトゥース〜』で登場する台詞である。
概要
元老院の重鎮グエナウス・クロディウスを父に持つアエリアは、美しく誇り高く、そして大胆で傲慢なヒョウのような剣闘士・クレスケンスをモノにするため金とコネを使い彼とセックスすることに成功したが、相手は着衣のまま。終始、手を縛られての立ちバックで肌に触れることはできなかった。
しばらくして、クレスケンスに会うため、アエリアは再び剣闘士養成所を訪れる。ただし、今日はそのつもりで来たわけではない。この前の逢瀬では見れなかったクレスケンスの裸が目当てだったのだ。
上官に袖の下を通し、湯浴み中の彼を彫刻に開いた隠し穴から覗く。
美しい肢体をウットリと眺めるアエリアは、クレスケンスがマッサージ師にすら肌に触れさせないのを見て薄っすら口元を歪ませるも、彼がガイウスという聞きなれぬ男を呼び出すのを聞き、怪訝な顔をする。
現れたガイウスという男はおもむろに服を脱ぎ始めると、クレスケンスに口で奉仕してから尻を突き出し、お互い一糸まとわぬ姿で後背位と正常位でネットリと抱かれたのだった。
二人が優しいキスを交わすのを見て、アエリアはたまらず養成所を飛び出す。
服を脱がせ全裸にし、クレスケンスとは似ても似つかない身体を「そこいらの野良犬」のようだと評した後、アエリアはノックスという巨漢の黒人奴隷を召喚し、バラ鞭でガイウスを何度も打たせる。
「何故 俺にこんなことを…?」と尋ねるガイウスに、アエリアは「人様の物に手を出した奴隷を罰しているのよ」「どうしてあのお方はお前みたいな野良犬を相手に…」「その卑しい口と舌であのお方を誑かしたの? それともその薄汚い毛の生えた尻を使って?」「剣闘士が聞いて呆れるわ! この淫売!」と、ひとしきり罵倒すると「でもそれも今日でお終い」「お前の商売道具を二度と使いものにならないようにしてあげる」「ノックス!これをお前のあれに巻いてこの奴隷を犯しなさい!」と、ノックスに鉄の棘が付いたゴムバンドを手渡す。
「よ…よせ やめろ!」と懇願するガイウスをよそに、ゴムバンドを己のペニスに巻き付けたノックスは「尻の穴をズタズタに引き裂いておやり!」という、アエリアの命令を合図に彼を犯そうと尻をグイッと広げる。
巨根がガイウスのアナルを貫かんとする正にその時、クレスケンスが颯爽と登場しノックスを殴り飛ばす。
そのままクレスケンスは左の打ち下ろしでノックスの意識を上に逸らせると、勢いよく金的を蹴り込む。哀れノックスは睾丸を潰されへたり込んでしまった。
首謀者につかつかと歩み寄ったクレスケンスは、今度会うときは口づけで出迎えてくれと言ったアエリアの要望に応え、唇から血がにじむ熱烈なキスをし、彼女の愛を拒絶すると、ガイウスを診療所に運び治療を施してもらう。
薬が効いてよく眠っているガイウス[1]の横で、訓練士から「なぜガイウスを弄んだかと思えばこうやって助けるのか」と聞かれたクレスケンスは自身の生い立ちを話し始める。
実父に母と一緒に犯され母がその晩首を吊って死んだこと。それから母の代わりに毎晩父に犯されたこと。クピドの格好をさせられ大勢の好き物の客に差し出されて輪姦されたこと。そういったことの度に母の後を追おうと自死が頭をよぎったが、復讐の念がそれを止めたこと……
それを聞いた訓練士は、クレスケンスがガイウスを強姦してきたのは自分と同じ生きる力を与えるためだと察し、呆れると共に、そこまでしてガイウスを気にかけるのはガイウスが母と同じ目をしているだけではなく、他にも理由があるのだろうと指摘する。
次の闘技会でガイウスとクレスケンスが戦うことになった。普通、同じ剣闘士団同士の試合は組まれないのだが、アエリアが元老院議員の父の権力を使い根回ししたのだ。
運命の日、試合場に向かうクレスケンスの前にアエリアが顔を出し、「どう?女の恐ろしさが少しは判ったかしら?」と嫌味を言う。
跪き許しを乞えば今からでも試合を中止にさせてあげると言うアエリアの提案に対し、何も知らない彼女に、ガイウスは自分のことを殺したいほど憎んでいることとメッキリ腕を上達させたことを教え、「死者の門をくぐるのは俺の方かも知れん」と珍しく弱気な表情で零す。
「ま…まさか…」と困惑するアエリアに、クレスケンスは「あんたには俺からも礼を言わんとな」「俺はずっと…生き方を選ぶ自由がないのなら せめて死に方だけでも自分で選びたいと思っていた」「今日 俺は愛する者の手にかかって死ぬかも知れない」「どうだ こんな最高の死に方はないと思わないか?」と告げる。
その話を物陰で聞き、通路でクレスケンスから肩に手を置かれ「…よォし どっちが生き残るかは判らんが、この世の名残に最後にもう一回しないか?」と軽口を叩かれたガイウスはその手をはねのけ、装備を装着し始めるも、先ほど触れられ、その掌のぬくもりを感じたとき、腰布の下を固くしてしまい、心も肉体ももうクレスケンスを憎んではいないことに気付く。
「死ぬには最高の日だと思わないか?」と尋ねるクレスケンスに、ガイウスは「生のことは考えたことはないのか?」と質問を質問で返す。
その問いに「与えられるパンと見世物を貪り喰い 金と地位で肉欲を満たし 俺たちの流す血までてんかんの妙薬だと手に入れたがる」「まるで家畜だ」「そんなただ生きているだけの連中よりも 刹那の命を賭けて戦う俺たちの方が よほど人間らしく生きているとおもわないか?」とクレスケンスが応えたあと、二人は剣を交える――
五年後、ガイウスは剣闘士養成所で訓練士として新人を鍛えていた。
あの日行われた試合は後にも先にもないほど素晴らしいもので、それゆえ双方勝者の判定が下され、その戦いを讃えて両者に自由の証の木剣が贈られたのだ。
二人は今、同じ家で暮らしていた。命を取り合うことなく平穏に。
クレスケンスは、あの時、全てが終わった試合場で、「引き分けとはずいぶんとしまらない結果になったもんだ お互いに死に時を逃したな」という自分に対し、ガイウスが言った「…俺は嬉しいぞクレスケンス」
「俺は生きたい! お前と一緒に!」
という言葉を一日たりとも忘れたことはないと明かし、彼に礼を言う。
「俺に生き延びる力をくれたのはお前だろうがクレスケンス」と返すガイウスに、「生きる道を教えてくれたのはお前だ ガイウス」と答えるクレスケンス。
二人は口づけを躱し、見たこともない色をした夕焼けに眼をやる。その色はまるで………
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関連項目
脚注
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