復讐とは、行動の一種。
仕返しと比較し重度な害を受け報復行為を行うものを指しやすい。
必ずしも殺害など物理的な危害を加えるとは限らない。(社会的信用を失わせるなど)
概要
自らが何らかの害を被った時に、その害の原因となった者に対して「害を与えかえす」こと。
個人が個人に復讐する場合は「復讐心」に駆られて行われることが多い。「復讐心」は「怒り」「恨み」「憎しみ」といった比較的原始的な感情であることも多いが、もう少し社会的な「名誉を回復したいという気持ち」「損なわれた公正さを回復したいという気持ち」といった欲求も入り混じった複雑なものでもありうる。
動物の生存戦略を考えたとき、何らかの害を被った時に可能であればその原因を攻撃することは、再度害を及ぼすことを避けるうえで有用であると考えられる。そのためか、多くの動物において「攻撃されたとき、攻撃主が絶対に勝てないような相手でないならば威嚇し、反撃する」という本能的な行動は観察される。進化の過程でこの本能が人間にも受け継がれたものが「怒り」や「憎しみ」、ひいては「復讐心」であると言えるのかもしれない。
本能的な感情であるからか、復讐心は人類に普遍的に共有されており、各国語で「復讐」を意味する単語があるし、各地の民話・神話・伝説などにも復讐を扱ったストーリーは多数ある。復讐心を抱くことがない民族・文化というものが発見された例は無いようだ。
食欲・性欲・睡眠欲などの本能的な欲求は、満たされないと不快感を覚え、満たされると快さを感じる。原始的な本能に裏打ちされた「復讐心」も例外ではなく、英語には「revenge is sweet」(復讐は甘美である)という慣用句もある。
「復讐心」は上記のように感情的なバックグラウンドが大きいものであり、理性に基づくものとは言い難い。よってその妥当性は担保されていない。「理不尽な怒り方をする」人が珍しくはないのと同様に、「理不尽な復讐心を抱く」ことも大いに起こりうることである。ということは、復讐心のままに復讐を行うことを許容していては、過剰すぎる私刑が多発することにつながりかねない。そのため通常、復讐は法的に規制される。
手がないわけではない
基本的に、法律がある以上直接的な加害によって復讐することはできない。
(相手から仕掛けてくるなど正当防衛でもない限り)感情に任せてぶん殴ってもこちらが罪に問われたり、相手によっては返り討ちにされてしまう場合もある。仮に互いに同意のうえで殴り合っても決闘罪・傷害罪など上手くはいかないもの。…とはいえ、何も打つ手はないから諦めろという訳ではなく
日常的・現在進行形で明確な犯罪・迷惑行為を行われているなど、状況によっては一定の手段はある。
証拠写真・録画・録音など相手の不利な情報を集め、告発・通報・広く公開するなど。
フィクション作品において
「家族や恋人、仲間を殺した相手に復讐する」「犯行の動機」など理由付けや設定として王道。
- 村や街、万単位の犠牲者を出したテロリスト、独裁者、モンスターなど相手も様々。
- 紆余曲折あって無事に復讐を達成したり、しぶとく逃げ回られたり、結果的に他の理由で復讐相手が死ぬなどバリエーションは様々。
- 復讐相手の顔が判明しておらず、小さな手がかりを組み合わせたり自白させる、相手がうっかり口を滑らせることで判明する場合もある。
- 殺害の実行役とは別に、実行を指示した黒幕が別に居る場合もある。
- 勘違いや逆恨み、偽の記憶・情報、偽者の暗躍により主人公側が復讐対象にされる場合もある。
復讐に関連する有名な言葉
- 「愛する者よ、自ら復讐せず、神の怒りに任せよ。『主は告げた、復讐するは我にあり、我これに報いん』と記されている」 (新約聖書「ローマ人への手紙」第12章19節)
- 「生き変わり、死に変わり、恨み晴らさでおくべきか」 (歌舞伎『義経千本桜』)
- 「思えば思えば、エエ恨めしい、一念通さでおくべきか」 (歌舞伎『東海道四谷怪談』)
関連項目
復讐劇を描いた作品
復讐に関連したキャラクター
- 安達政子
- エルメェス・コステロ / 「復讐」とは自分の運命への決着をつけるためにあるッ!
- カイム(ドラッグオンドラグーン)
- 小夜左文字(刀剣乱舞)
- ジャン=ピエール・ポルナレフ
- 天童木更
- ニンジャスレイヤー(キャラクター)
- ヴァン(ガン×ソード)
- 復讐に燃える男
- 星野アクア
- 結城丈二
- ルルーシュ・ランペルージ
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