発酵とは、目に見えない微生物たちの働きによって醸し出される作用のこと。人間に役立つ微生物の生命活動のたまものである。
科学的に言えば酸素を用いない代謝の一環でもあるが、ここでは主に発酵食品などを代表とする微生物からの利用を記載する。詳しいことはwikipediaなどを参照。
概要
微生物がその作用によって有機物を分解する中で、人間にとって有用な物質をつくりだすこと。有害なものは腐敗と呼ばれる。
味噌や醤油といった調味料のほか、チーズやパン、納豆、酒など、微生物の働きによって作り出される食品を発酵食品と呼ぶ。日本初の乳酸菌飲料として誕生した「カルピス」も発酵食品。発酵食品は生活の中から生まれた知恵の結晶で、発酵させることで旨味が凝縮され、味や香りが豊かになったり、栄養価が増加するほか、保存性も高くなる。
発酵は料理の可能性を広げる手段のひとつで、日本だけでなく世界の食文化の発展に深くかかわってきた。菌という、生き物同士の交感が深い味わいを生むのだ。近年、食文化を超越し、バイオテクノロジーなど様々な領域で改めて注目を集めている。
世界最高のレストランとして知られたコペンハーゲンの「ノーマ」でも何らかの形であらゆる料理に発酵がかかわっていた。
発酵食品は美味しいだけでなく、整腸作用や抗菌作用、免疫活性作用など、人の健康維持に役立つ栄養食品としての側面も大きい。
日本においては腸活ブームもあり、発酵を体験するテーマパークも各地に続々と誕生した。発酵の力で地域振興にチャレンジする自治体も増加中。
それぞれの地域特有の気候や文化、風習などから独自の発展を遂げ、未だに新たな多様性を秘めている。
日常的な実践の背景に自然や生活に対する普遍性を見出す、行動と思想が伴ったムーブメントとして、農的ライフスタイルやカウンターカルチャーに関心のある人たちからの支持も強い。
人類は古代から発酵を生活に取り入れ、その恩恵にあずかってきた。そして今も、発酵に使われる菌は日々研究されている。発酵はこれからも人々の生活を豊かにしてくれるだろう。
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