角不成(かくならず)とは、将棋において、角行を成る(竜馬にする)ことができる局面において、あえて成らずに角行のままにする一手である。
概要
角は斜め4方向に利きがある強力な駒であるが、上下左右には利きが無いため、そこが弱点として攻められることがある。しかし、成りによって上下左右にも利きを得られれば隙のない駒となる。本来の利きを活かす銀不成や桂不成とは異なり、基本的には成らないことによるメリットはない。意味の無い角不成は挑発行為と受け取られるおそれがある。
しかしながら、詰将棋においてはしばしば、またごくまれに実戦においても、打ち歩詰め回避などの目的のために使われることがある。実戦で有名なのは1983年の王位戦挑戦者決定リーグ、谷川浩司名人と大山康晴十五世名人の一局(関連動画や関連リンク参照)。
また、対コンピュータ将棋においては、読み筋を外すという目的で用いられることもある。たとえば、人間のプロ棋士がコンピュータと戦う電王戦FINALで、この手が用いられ話題となった。永瀬拓矢六段が、コンピュータ(Selene)を相手に角不成で王手を指すと、Seleneは王手放置の反則手を指してしまい、その場で永瀬六段の勝ちとなった。もともと、Seleneの挙動に穴があることを研究で知っていた永瀬六段は、「勝ちの局面で使おう」と考えていた。永瀬六段は局後に、仮にSeleneが正しく対応していたとしても人間側が勝てる局面であったとして、詰みへの読み筋などを述べている。永瀬六段は将棋で勝って、Seleneの欠陥をも露呈させるという、完全勝利を収めた。
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関連項目
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