VHS(Video Home System)とは、日本ビクターが1976年に開発した家庭用ビデオ規格である。
その後、S-VHS、W-VHS(アナログハイビジョン)、D-VHS(デジタルハイビジョン)と高画質化していった。
VHSの終焉
デジタル放送の開始後、より多くの時間を録画できるHDD、ランダム再生や頭出しが容易なDVDやブルーレイディスクによるレコーダーが登場したことで、大手家電メーカー各社はVHSデッキの生産を終了させていった。
最後までVHSデッキを生産していた"本家"の日本ビクターも、2008年、D-VHSを含めすべての単体VHSデッキ事業から撤退した。
もっとも新品のVHSデッキがすぐに無くなったわけではなく、国内メーカーではDX BROADTEC(DXアンテナ、製造は船井電機)やSANSUI、ドウシシャからVHS単体機やDVD複合機が発売されていた。
2016年、最後までVHS搭載機を製造していた船井電機がVHSの生産を終了した。これをもってVHSは完全に終焉となった。
これからは、
「今あるVHSデッキを修理して使う(部品が残っている場合に限る)」
「単体デッキにこだわるならば、オークションで入手する」
といった時代になる。
そのため、早めのDVDなどへの移行が求められる。
S-VHSテープについては、VHS内蔵デッキに"SQPB機能"がついていれば、S-VHSの簡易再生(VHS画質での再生)が可能である。
残念ながらD-VHS、W-VHSは専用の単体デッキ以外では再生できない。
なお、近年「放送局にはマスターソースが現存しないが、民間人の個人録画が遺されていたことで復刻版の販売が可能になった」といった例(特に洋画吹き替え音声)、「何気なく録画していた地方CM」「単なる個人的記録で撮影していた街の風景」などが現代になって『貴重な記録映像』となることも少なくないので、もし過去の映像が現在も自宅で眠っている人は、テープを大切にしておこう。
VHS開発を題材にした映画
陽はまた昇る 2002年公開
西田敏行 渡辺謙 緒形直人 真野響子 佐々部清
プロジェクトXで取り上げられたVHS開発までの道のりをドラマ化した作品。
関連動画
VHS画質
VHSは、その特性上、ノイズや白黒の線が映像内に走ったりするような現象がしばしばあった。それを逆手にとって、美麗な現代の映像にまるで古い映像であるかのような処理をあえて行う動画もあり、それらはVHS独特の現象になぞらえて「VHS画質」とか「VHS風」と呼ばれることがある。
その他
関連静画
関連項目
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