概要
NTTドコモがiモード開始後のmova(第2世代)周波数帯逼迫に対応する為に2001年10月1日にサービスをスタートさせた。ちなみに、FOMAとは「Freedom Of Mobile multimedia Access」の頭文字から取られている。
使用されている技術はW-CDMA方式。この方式はテレビ電話に向いているとされ、事実サービス開始時にドコモは「テレビ電話」を売りにしていた。使用される周波数帯は2GHz帯がメイン(参考:movaは800MHz帯)。
また、それまでのmovaが地域会社ごとに料金プランに差が見られていたのに対し、FOMAでは料金プランを「FOMAプラン」として統一。当初は「FOMAプラン39・49・67・100・150・データプラン22」の料金プラン+パケットパック(20・40・80)が用意された。なお、後にパケ死が問題となり2004年よりパケ・ホーダイが追加されたが、当初はFOMAプラン67以上に適用可という制約があった(その後撤廃)。
料金プランは2005年にmovaと統一する形でタイプSS~LLおよびリミットに刷新(後にシンプルを追加)。以後905iにあわせてバリューコース・ベーシックコースの追加もあったが「カケ・ホーダイ&パケあえる」まで継続された。
が、W-CDMAの正式な仕様が決まる前にサービスを始めてしまった為に長い間世界から孤立している状態であった。この状況も基地局の大規模改修によって国際ローミングが可能となった。
また、開始当初の型番(200X)が当時主流だったmovaの型番ルール(50Xi)とは違っていたことや「どこでも繋がる」事に定評のあったmovaに比べ「繋がらない」事によりmovaからの移行が思うように進まなかった。
繋がらない事に対してはエリア外では同一番号でmovaが使える「デュアルネットワークサービス」と基地局の新設で対応したが思うような結果が中々出なかった。
結局iモード開発に携わった夏野剛がFOMAを再生する事となり、それまでの最先端技術中心路線からiアプリ中心路線へシフトした900iシリーズを展開。ようやくmovaからの移行が進むようになった。
その後はmovaに代わって最新サービスが順次展開され、2006年6月18日には契約が50%を超え、2008年6月には80%を超えた為movaの新規契約が同年11月で終了している。
なお、以前の「繋がらない」というイメージはほぼ払拭されてはいるが、現在もFOMAプラスエリアなどでのエリアの充実に力を入れている。
ちなみに、3.9世代のLTE(スーパー3G)はFOMAではなく「Xi(クロッシィ)」として展開されるが、Xiの展開理由も概要冒頭で述べているFOMA開始理由とほぼ同じでFOMAの通信量増加による逼迫の回避という目的もある。
後継となるXi・Premium 4G・5GがサービスインしFOMAからの巻取りが進んでいることを受け、2019年9月30日にiモードとともに新規受付を終了。前後して一部周波数を4Gに切り替えるためサービスエリアの縮小が発生。現在は音声通話主体となり、FOMA契約は4G対応の折りたたみ端末(ガラホ)・キッズケータイやローエンドスマホへの巻取りが始まっている。
コンシューマ向け以外のIoT端末などの対応やローミング対応などの関係で3大キャリアでは最後まで3Gサービスが提供されるものの、2026年3月31日にiモードとともにサービスを終了する予定である。
代表的なサービス
- デュアルネットワークサービス(月額315円)
FOMAのエリアの狭さを繋がる事に定評のあるmovaで補うサービス。このサービスを受けるには「番号の入っていないmova端末」か「N2701」が必要。エリアがmova並に展開されている現在でも提供されている。
※但し、新規契約は2009年3月31日をもって終了しており、サービス自体もmovaがサービスを終了する2012年3月31日までとなっている。 - FOMAハイスピード
W-CDMAの上位規格「HSPA」を利用した3.5世代サービス。一般的には下り最大14Mbpsの「HSDPA」が馴染みがあるだろう。なお、ハイスピードであろうとなかろうとある程度利用するとそれなりのパケット料金になるので定額制サービスの利用が理想的ではある。 - 2in1(記事参照)
- WORLD WING(国際ローミング)
端末によっては海外で主流の第2世代方式「GSM」と第3世代「3G」(W-CDMA)対応か3G対応のみの2種類がある為自分の機種がどちらなのかは注意しなければいけない。905i以降の端末では大抵どちらかが利用できる。海外パケ・ホーダイが提供されているが1日ごとの定額制である関係上頻繁に使用するとそれなりの値段になるので使いすぎには注意しなければいけない(知らずに使いまくって後から高額請求来てトラブルになる人が携帯キャリアを問わず多数あり)。
主な端末シリーズ(命名規則変更前)
- 2xxxシリーズ(黎明期~)
2000年代を由来とする初期シリーズ。900i登場以降はデータ端末のみに振り分けた。
第1世代の2101V・2001・2002シリーズは503i相当のiアプリを搭載(なお、型番にVのついていない2001・2002はテレビ電話非対応である)。このうち、SH2101Vは当時のSigmarionシリーズに似たPDA型端末である。
第2世代の2051・2102Vは504i相当のiアプリを搭載し、NEC端末ではニューロポインターが初搭載となった(Vのつかない2051のカメラはiショット用でテレビ電話非対応)。N2701はmova通信にも対応した。 - 90Xiシリーズ
mova506iの後継で、FOMAの第3世代以降のハイエンド端末。命名規則は以後906iまで継続。
901iSよりおサイフケータイを標準搭載としたうえで800MHz帯に対応し、902iからはプッシュトークに対応した。904i以降はワンセグ・FOMAハイスピードなどの全部入りを志向したためFOMAハイスピード対応を示すiXは消滅したが、iCSやiTVといった機能特化型は906iまで継続した。命名規則変更のため906iで終了しPRIMEシリーズへ移行(iμはSMARTシリーズへ移行)。 - 70Xiシリーズ
iショット対応のmova25Xiシリーズの後継で、普及価格帯端末。700iSより800MHz帯に対応し、701iよりiチャネルに対応。703i以降は90Xiシリーズ寄りの高機能化が進む一方、amadanaとのコラボ端末など個性的な端末も登場した。こちらも命名規則変更のため706iで終了しSTYLEシリーズへ移行(iμはSMARTシリーズへ移行)。 - 800番台
キッズケータイやらくらくホンなどの特殊端末群。mova時代のドッチーモとの重複を避けるため、800・850・880が使用された。 - 600番台(SIMPURE)
70Xiよりも更に機能を削ぎ落としたエントリーモデル。mova時代にも一部で600番台は使用されていたが、800番台と異なり重複は意識されなかった。
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