NASCAR ARCADEとは、セガが2000年に発売したアーケード用レースゲームである。
概要
開発はセガ・ロッソ。プロデューサーは後に頭文字D Arcade Stageやmaimai,CHUNITHM,オンゲキなどのプロデューサーを務めることになる新井健二氏。2000年当時NASCARのゲーム化権を持っていたエレクトロニック・アーツの許諾を得ており、作品ロゴには「EA SPORTS」のロゴも添えられている。
1999年NASCARシーズンの車両30台が実際のペイントを再現して収録されており、ドライバー30人も実名・顔写真つきで登場。2001年に事故で他界してしまったデイル・アーンハートSr.も登場している。
コースはタラデガ・スーパースピードウェイ(初級)/リッチモンド・インターナショナルレースウェイ(中級)/ワトキンス・グレン・インターナショナル(上級)の3コースを実名収録。BGMは瀬上純が手がけ、Sons of Angels(後のCrush 40)が演奏した。
最下位からスタートしてできるだけ順位を上げて時間制限以内にゴールする、というのはほかのレースゲームと大して変わらない。本作の特徴はNASCARならではのレース性をうまく落とし込んだシステムにある。
- ゲーム中は常に「TARGET POSITION(目標順位)」が示されており、指定されている順位までポジションを上げると時間制限が延長され、次の目標順位が示される。だいたい6位ぐらいまでポジションを上げられれば完走に必要なだけの制限時間が稼げる。ほかのゲームのようにチェックポイントやスタート/ゴールでの時間延長はない(ただし、タイムアタックモードでは1周するごとに時間延長)
- 他車の背後に接近するとスリップストリーム(NASCARでは「ドラフティング」という)が発生し加速力がアップ。NASCARの車両はほぼイコールコンディションであるという点は本作でもキッチリ再現されており、普通に走ったのでは10台ぐらい追い越したあたりからCPUと自車の速度が拮抗し、なかなか追い抜けなくなってしまう。スリップストリームの活用は必須テクニックだ。
- なお、ステアリングは尋常でなく重い。
展開によっては先行車に大きく離されてしまい、ドラフティングさせてくれる車両がいなくて順位を上げられず時間切れ、なんてこともあり慣れるまでが難しい。初級・タラデガでの1位獲得からして至難の業である。テレビ番組で本作品を遊んだレポーターの「開かないビンの蓋を開けているみたいな感じ」というコメントは本作のゲーム性をかなり的確に表している。
EAのライセンスの関係もあってか、本作の移植は一切行われておらず、遊ぶためには実機を探すしかない。
コース
Talladega Superspeedway (初級)
1周2.66マイルのトライオーバル(ターンが3つあるオーバルコース)を4周する。平均時速300km/h以上、常時アクセル全開でバンパーをぶつけ合うほどの密着ドラフティング合戦が展開する超高速コース。全てのターンをアクセル全開で抜けられるので、他車とのバトルを思う存分味わえる。ドラフティングをマスターするには絶好のコースだが、1位を狙うと尋常ではない難しさに化ける。慣れたというだけでは勝てず、上位のレース展開もこちら有利に向かないとかなり厳しい。先に中級のリッチモンドで1位になってしまうことも。
Richmond International Raceway (中級)
1周0.75マイルの短いDシェイプオーバルを8周する。タラデガからうってかわって平均時速は190km/h程度と抑えめだが、ターンにバンク角がほとんどついていないため、進入速度によっては減速も必要になる。上位と下位で大きく離される展開になることがあり、車群を抜けたら次の車はもう遥か画面奥に、なんてこともザラ。ターンの技術がイヤでも鍛えられるトラックである。
Watkins Glen International (上級)
NASCARでは極めて珍しいロードコース(いわゆる楕円形じゃないレースコース)。1周2.454マイルを3周する。上級にされるだけあってかなりの難コース。スタート直後の第一コーナーがまず最大の鬼門。いきなりのタイトコーナーであり、しっかりブレーキを踏まないとランオフエリアに一直線。ハンドリングも独特の癖があり綺麗に曲がりきるには鍛錬が必要。中盤にはシケインがありここでもコースアウトの危険がつきまとう。その上CPU車は相変わらず追い越しにくく、完走するだけでも大変である。タイムアタックモードでの事前研究はほぼ必須だろう。
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