ZQNとは、漫画「アイアムアヒーロー」の作中で使われている造語である。
概要
本作中、未だ詳細は不明だが原因不明の奇病とされるものが蔓延している。(作中のニュース番組で報道された病名は『多臓器不全及び反社会性人格障害』)
これに侵された者は「感染者」と呼ばれ、物語中に登場する2ちゃんねるに酷似した匿名掲示板では彼等を総称して「ZQN」と呼んでいる。読み方は作中に登場していなかったが、TVに出演した作者にこの話題が振られた際、作者自身でも決めていなかった事が判明。その場で編集者と相談し「ズキュン」と読むことを決定した。2016年4月10日付けのデーリー東北に掲載されたインタビュー記事では「ゾキュン」とルビが振られていた。映画版では、「ようこそ絶叫のZQN(ゾキュン)パニックへ。」のコピー等で「ゾキュン」の読みを採用している。
感染者となった人間はまず目が血走って焦点が合わなくなり、至る所の血管が浮き出て見え、段々とろれつが回らなくなる。思考も単純化していき、最終的には自分が感染前に習慣としていた行動か、固執していた事に関わる行動を取るだけになる。この状態までくると、言動は単語を繰り返すのみとなり、非感染者に噛み付いて襲い掛かるようになる。感染者に噛まれた者、あるいは感染者の近くで怪我を負った者など、傷口から血液感染することで、発症までの時間に多少の個人差はあるが同様に感染者となる。
感染者は基本的に非感染者を優先して襲うが、稀に感染者同士で共食いを行ったり、非感染者を守る為に感染者を迎撃したりする事もある。また必ずしも非感染者を襲うわけではなく、非感染者が近くにいても傍観したりひたすら徘徊する者もいる。条件は不明だが、自分自身を食べる場合もある。尚、感染以前に心残りであったことを満たしてやれば非感染者への殺傷摂食衝動が抑えられる傾向が見られる。
また、感染者全般に共通しているかどうかは定かではないが、感染者の視界に見えているものは現実のそれとは別の、恐らくは感染者本人の何らかの記憶からなりたつ虚像の世界である。(人間が巨大で奇怪なぬいぐるみに見えたり、路上がマンションの一室に見えている描写がある。)
尚、感染者となると一切の痛覚がなくなる。その為、通常の人間であれば死んでしまう怪我を負っても活動を停止する事はないし、痛みで怯むという事もない。痛覚がない為、肉体は人体の限界を超えて驚異的な身体能力を発揮する。(作中では子供や老人が人体を容易く引き裂いたりする。)
依存行動以外は基本的には徘徊するだけになるが、一切人間的な行動ができなくなるわけではなく、例えば水中を泳ぐ事もできるし、走り高跳びのような高度な陸上技術を発揮する者もいる。
捕食行動は主に非感染者を視認する事で行うが、劇中では視覚よりも音に鋭敏に反応する描写が見られ、逆に視覚はなくなっていても非感染者の位置を察知して襲い掛かる場面もある。
ただし、上記のように身体能力が人間の限界以上に発揮できる反面、逆に肉体の負担への配慮がない為、体が限界を超えて損傷を引き起こし自壊・自滅する場合もある。
今のところ、感染者を行動不能(活動完全停止)に追い込む方法は、頭部の破壊か首をはねるのみである。(破壊の度合いも頭蓋骨骨折程度では活動に支障は出ず、脳を散弾で穴だらけにする以上の損害の場合のみ)
逆に言えば、頭部さえ無事であれば内臓が飛び出ていても、胴体に腕が貫通するほどの大穴が開いていても、下半身がなくなっていても活動できる。唯一、火達磨になった場合も動かなくなったが、その後完全に停止したかどうかは定かではない。(一部では焼死体がZQN化して活動している描写があるので)
尚、上顎から上の頭部だけでも活動している描写がある。
感染者がすでに死んでいるのか、まだ生きているのか、主人公や仲間が葛藤する場面があるが、明確にこれらを結論付けた場面はない。しかし、怪我からの出血が著しく少ない事、体の腐敗が進んでいく事から見ると、これらの個体は恐らく肉体的にはすでに死亡している可能性が高い。
ただし、比呂美は感染しつつも代謝し腐敗しない事を考えると、感染するだけでは死亡にまでは至らず、感染後に生命維持が不可能なほど肉体が損傷すると死亡するが、死亡してからも何らかの理由で活動し続ける事ができる物と思われる。
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