アイアムアヒーローとは、花沢健吾が描いている漫画である。既刊22巻(週刊ビッグコミックスピリッツ:2009年22・23合併号~2017年完結)
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この項目は、ネタバレ成分を多く含んでいます。 ここから下は自己責任で突っ走ってください。 |
概要
主人公・鈴木英雄。35歳。漫画家ではあるがデビュー作が打ち切られて連載は持てず、有名漫画家のアシスタントをして生計を立てている。再デビューを目指してネームを出版社に持ち込むも相手にされず、職場の人間関係も悪い。恋人の黒川徹子からは売れっ子漫画家の元彼と英雄を比べて酔っては英雄を非難する。
普段の英雄は妄想癖に囚われ、夜になると不気味な得体の知れないものが近付いてくる恐怖に襲われている。また自分の分身とも言える矢島という後輩を妄想の中に登場させては現実から逃避している。
そんなうだつの上がらない日々の中にいた。
「アイアムア、ヒーロー」
同時期――
…… …… ……
土佐犬が噛まれる事件が発生――
タクシーにはねられて首が反り返っても、平然と歩き続ける女性――
厚労相が入院し、その入院先では銃撃戦が起こっていた――
…… …… ……
黒川徹子のアパートへやってきた英雄だが、徹子が異様な行動を行い英雄を襲い始めた。
同時刻、様々な場所で感染症が集団発症していた。発症した人々は異常な行動を行い、正常な人々を襲い始めた。襲われ噛みつかれた人もまた同じような感染症を発症し、新たな獲物を探して人々を襲っていく。
崩壊した日常の中で、英雄はどこに逃げるべきかの選択に迫られる――
登場人物(2巻以降の情報は反転してあります)
- 鈴木英雄
- 本作の主人公。35歳。独身。漫画家。黒川徹子という恋人がいる。以前は連載を持っていたが打ち切りとなり、現在は漫画家である松尾の下でアシスタントして働き、出版社にネームを持ち込んで再連載を狙っている。だが出版社では英雄のネームは相手にして貰えず。妄想癖があり、夜中になると異形の怪物が現れる。普段は「矢島」という妄想相手に会話をしている。趣味は射撃で銃砲所持許可証を持ち上下2連式散弾銃を所持している。感染症が集団発症した日は射撃練習会があり、散弾銃を所持して出かけていたことが幸いした。逃げた先で早狩比呂美に出会い、運命が少しずつ変化していく。
- 黒川徹子
- 英雄の恋人。漫画家。英雄と出会う前は松尾の下でアシスタントとして働いていた。英雄が連載していた漫画「アンカットペニス」の大ファンで、英雄に惹かれる。感染症発症。
- 早狩比呂美
- 泣きぼくろを持つ女子高生。ゴールデンウィークの林間学校で富士山麓に来ていた。肝試しで一人外に出ていたことで、学校での感染症の集団発症から逃れられる。クラスメイトが発症していたことにショックを受けるも、英雄と行動をともにする。富士山で逃げ惑う人々に巻き込まれ、新生児に噛まれてしまう。感染症発症……?
- 矢島
- 英雄の妄想。同作者の「ルサンチマン」「ボーイズ・オン・ザ・ラン」に登場する矢島を模している。
- 松尾
- 英雄のアシスタント先の漫画家。妻子持ちだがみーちゃんと不倫していた。感染症発症。
- 三谷
- 松尾のチーフアシスタント。18の時に漫画界へ入ったがデビューできずに嘆いている。女子アナおたくで英雄のことを嫌っている。みーちゃんにアプローチしていたが相手にされず。感染症が集団発症したときには臨機応変に対応していたが、落下してくる飛行機の車輪に巻き込まれる。死亡。
- みーちゃん
- 松尾のアシスタント。松尾と不倫関係にあった。感染症発症。
- 佐田一也
- 超学館週刊ストリップ編集者。英雄が持ってきたネームをぼろくそに批判した。自分の担当漫画家であるカオリと不倫旅行で台湾へ行く。感染症発症。
- 中田コロリ
- 徹子の元彼。英雄が松尾のアシスタントをする前に松尾の下にいた。アシスタントを辞めてデビューを果たし、売れっ子となる。英雄の漫画を高く評価している。
- 荒木
- 自称通販カタログ専属カメラマン。富士の五合目で猟銃を持っていた英雄を誘い、御殿場のアウトレットモールで非感染者がコミュニティを作っている情報を教え、共に向かうことを提案する。アウトレットモール内でコミュニティが感染者たちによって崩壊し、子供を助けるために感染者を捕まえて自分の身体にかけたガソリンに火を付けた。死亡。
- 来栖
- 自称自宅警備員。本名・年齢不詳。バットで自分の母親を何度も殴るシーンをYouTubeにアップしていた。「俺たちの時代」と画面越しに呼びかけ信者を集めていたが、集団発症により一気に知名度を上げた。
- サンゴ
- 御殿場アウトレットモール支配者。だが実験は井浦が握っていた。食料を確保するためにアウトレットモールの保管庫に向かうが、そこで感染者に遭遇。死亡。
- 井浦
- 御殿場アウトレットモール影の支配者。ピストルクロスボウで反抗する者を処罰・処分していた。感染症発症。
- ブライ/村井正和
- 御殿場アウトレットモールメンバー。英雄が散弾銃を奪われたことで食料調達係となるが、感染症発症者の集団に囲まれて危機に陥ると、英雄に散弾銃を渡して応戦する。もはやあとが無くなったと覚悟し、橋から飛び降りる。自殺。
- 藪/小田つぐみ
- 御殿場アウトレットコミュニティメンバー。看護師。井浦立ちのやり方に不満を持っている。感染症を発症しながらも人を襲わない比呂身に、感染症を防ぐ可能性を見いだす。危機に陥った英雄を助けるなど、協力的。
感染者について
症状が発症すると血管が浮き出し、超人的な身体能力を発揮する。だが知能は失われ、非感染者に襲いかかり噛みつく。思考能力は著しく低下するが、感染者が感染する前にしていた行動や普段の生活上にて執着していた言動を繰り返したり発言したりといった習性が見受けられる。
発症は個人差があるが、第一段階で発熱や嘔吐などの諸症状が発生し、第二段階で多器臓不全となり、その後発症する。
政府発表の感染症正式名称は「多器臓不全及び反社会性人格障害」。
噛みつかれた非感染者も感染する。空気感染では発症が遅いが、噛まれると発症までの時間が短い。
事故などで死亡した身体でも噛みつかれなどすると、しばらく後に動き出すことが分かっている。動き出した身体はやはり非感染者を噛みつき、噛みつかれた非感染者もまた感染者となる。
感染者を治療する方法は現時点では分かっていない。そのため感染者の行動を止めるためには、「頭部を破壊する」「首から上を切り離す」ことになる。
人々は感染者を「ZQN」と呼んでいる。詳しくは該当項目参照。→「ZQN」
ただし比呂美の場合に限りこれに当て嵌まらないため、藪こと小田つぐみは比呂美がこの感染症の鍵になると推測した。実際、宏美には脈があり、また感染者と違って多少の対話が可能となっている。
実写映画化
2015年のファンタジーやホラー映画を専門に取り扱うシッチェス・カタロニア国際映画祭で2冠を得るなど高評価を受けている。
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関連項目
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