アルフォンス・ミュシャ(Alfons Mucha, 1860 - 1939)は、チェコ出身の画家・イラストレーターである。アールヌーヴォー時代を象徴する芸術家の一人として知られる。
現在のチェコ共和国、当時のオーストリア帝国領モラヴィアの出身。よく知られる「ミュシャ」という名はフランス語読みで、母国のチェコ語だと「ムハ」という読み方になる。
幼い頃から画家を志し、28歳の時にパリに修行に向かい、現地でポスターのデザイナーとなった。ここで描いた演劇のポスターが好評を博すと、ミュシャは一躍売れっ子絵師となり、画家としても名声を得ていった。この頃(19世紀末~20世紀初頭)の芸術は曲線に美しさを見出す「アールヌーヴォー」が花開いた時代で、ミュシャはその文化の旗手としての確たる地位を得ている。
後に祖国に帰国し、チェコへの愛国心を発揚する作品も多く手掛けている。後にオーストリア帝国の解体と新国家チェコスロバキアの成立も見届けたミュシャは、チェコスロバキアの発行する切手や紙幣のデザインを無償で請け負っている。
しかし1939年にナチスドイツがチェコスロバキアを解体・属国化すると、ミュシャは「民族主義を喚起する不穏分子」として逮捕されてしまう。後に釈放されるが、長期間の拘留・尋問によって体調を崩したミュシャは間もなく倒れ、同年7月14日に78歳の生涯を閉じた。
ミュシャの出世作はサラ・ベルナール主演の演劇『ジスモンダ』のポスターで、その後も彼女の演劇『椿姫』『ロレンザッチオ』『サマリアの女』『メディア』『トスカ』『ハムレット』のポスターを描いている。それ以外にもミュシャの代表作にはポスターやパッケージイラストなどの商業作品が多い。このため、一般的な西洋画のイメージとは一風変わった趣があるのがミュシャ作品の味である。
主に縦長の人物画、特に女性画(特に横顔のものが印象的)が多い。それらの人物を中心に置いて、周囲に枠、背景に円形の窓枠、上部に商品名・作品名の書き文字などを載せたものがミュシャの代表作としてよく知られるものである。奥行きが薄く、線は細く、書き込みが細かいのも特徴的。
2013年~2014年にかけて、「ミュシャ財団秘蔵 ミュシャ展 パリの夢 モラヴィアの祈り」が全国の美術館を回る形で開催された。
主観だが、かなり混雑していた事から見ても相当人気があると思われる。
ニコニコ静画やpixivなどのイラスト投稿サイトでも人気なようで、結構な数のミュシャ風イラストが投稿されている。pixivでは「ミュシャ風」のタグがよく使われている模様。
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最終更新:2024/11/23(土) 21:00
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