ドーバー海峡とは (ドーバーカイキョウとは) [単語記事]

ドーバー海峡とは、イギリスとフランスの間にあるイギリス海峡の最も狭い部分である。

概要

ドーバーとはイギリスにある都市の名前で、フランスではカレーという地名からカレー海峡という。
英仏とも意地でも自国の呼び名を優先しているかどうかは分からない。
最も狭い部分では約34km。この距離ならなんとかなると、泳いで渡ろうという人たちもいて、
今や紅白歌合戦の司会を務めるまでになった国民的人気芸人の内村光良も、
1999年 8月に『ウッチャンナンチャンのウリナリ！！』の企画で、
6人によるリレーではあるが海峡横断に挑戦し、16時間37分をかけて見事に成し遂げた。

海流の流れが速く、水温も低いドーバーを泳いで渡るのが嫌な場合は、
1994年に開通したドーバー海峡トンネル、別名ユーロトンネルを走る、
最高時速300kmの国際列車ユーロスターに乗って行き来することができる。
海底部分の長さが約38km、全長約50kmに及ぶトンネルの建設には、
青函トンネルなどトンネルを掘るのが得意な日本の技術も生かされている。
トンネルを掘り進む巨大な掘削機は、川崎重工などの企業が製作した。

海峡を越えようとするのは旅人だけとは限らず、第2次大戦中には優勢だったドイツが海峡を越えて
イギリス本土を繰り返し爆撃したが、当時の首相チャーチルは「バトル・オブ・ブリテン」と呼ばれる
過酷な戦いを耐え抜いて国を守り、その後のノルマンディー上陸作戦へと繋がった。
仮にイギリスとフランスが地続きであれば、歴史もどうなっていたか分からないのである。
ドーバーの白い崖は、イギリス上陸を諦めたドイツ軍にとって恨めしく見えたであろう。
一方で、突破不可能と言われたドーバー海峡をブレストのドイツ艦隊が沈没艦無しで突破に成功。
スペインの無敵艦隊ですら失敗した突破を、弱小のドイツ海軍に成功させられた事で
イギリス海軍は国内外から非難され、面子が丸潰れになった(ツェルベルス作戦)。