ニコニコムービーメーカー(動画)とは (ニコニコムービーメーカーとは) [単語記事]

ニコニコムービーメーカー(動画)とは、株式会社インターネットが開発・販売している動画編集ソフトウェア。「NNM 動画」と略称されることがある。

概要

ニコニコ大会議2008冬で発表された、動画作成対応の有料版ニコニコムービーメーカー。発売は2009年 2月20日。Amazonでも取扱中（関連商品の項参照）のほか、ダウンロード版もある。

仕様

ムービー : 2トラック、オーディオ : 256 トラック
特殊効果（34種類）・切り替えエフェクト（147種類）
動画モード（H.264、HE-AACまたはLC-AACでのアップロード）、静止画モード、swf ファイルのアップロードがあり、動画モード以外は無償版に同じ
作成中の動画を再生しながらの素材配置やエフェクト、各種編集・加工が可能
音声の設定はステレオ（モノラルは選択できない）でHE-AAC or LC-AAC コーデックのみビットレート(kbps)を32/48/64/80から選択
プロジェクトを保存する拡張子は .nmm
ムービーファイルの保存はwmv形式のみ。ムービーサイズ（縦×横ピクセル）、フレームレート（fps）、キーフレームの間隔(秒)、ビットレート(kbps)、鮮明さ(1～100)の項目を記入する。チェックボックスでVBR(品質1~100)の項目あり

ニコニコ動画へのアップロード仕様

ビットレート： 128～1000 kbpsの範囲で任意の値
音声：ステレオ/モノラル、80/64/48/32kb psを選択
バランス：速度優先/バランス/品質優先を選択

良いところ

無償版と比較して、動画が扱えるようになった。
編集ソフトから直接エンコード、アップロードができる。
実況・レコーディング機能や音声の加工機能が付いていて、動画読込→実況音声吹込→エンコ→アップロードだけの動画の場合、楽に動画をアップロードできる。

問題点

肝心の動画 (映像) の編集機能が非常に貧弱。
- 映像が2トラックまでしか扱えない。
  - 動画を同時に2つまでしか並行に扱えないということ。この範囲で出来ることは非常に限られる。
- 扱える静止画の形式は JPG と BMP のみで、PNG 形式は未対応。
- 挿入するテロップのテキストは1行まで。2行以上扱えない。
- 動画にかけられるエフェクトがいまいち。(多用するとかえって初心者くさくなるものが多い)
- 既存の動画をつなぎ合わせて、ちょっとしたテロップやエフェクト、音を付加する程度の簡単な編集で精一杯。きめ細かな編集ができないし、規模が大きくなるほど、ソフトの動作が重くなって作業困難になる。
- 開発元は作曲ソフトや音声編集ソフトには定評があり、ノウハウが豊富なので音声周りの機能はある程度整っている。しかし、動画編集ソフトのリリースはこれが最初で最後なので、映像まわりの編集機能はお察しください。
動画ファイルの出力機能も制限が多い。
- 投稿できる動画サイズが固定なうえに、最新仕様に追従できてなく、16:9や、ZeroWatch サイズに未対応。
- 無圧縮、可逆圧縮 avi 出力ができない。というか、wmv 以外の形式で出力する機能がない (肝心の mp4 形式はニコ動に直接アップロードする操作のついでの時に限り出力可)。
- 音声が低ビットレートしか選べず、高音質での投稿ができない (無償版はMP3の192kb psまで選択できる）。
他の編集ソフトに比べると、基本機能が劣っている。
- 他の編集ソフトに比べ、フリーズしたり、無意味に重くなることが多い。
- 他の編集ソフトに比べ、操作性が悪く、ユーザーインターフェイスのカスタマイズが利かない。
- プロジェクトの保存形式 .nmm は、その中に素材ファイルなどをすべて取り込んでいるので容量が大きくなるうえ、保存するたびに結構時間がかかる (フリーズするのに、こまめな保存がしづらい)。
このように多くの問題を抱えたままであるが、2015年11月を最後にアップデートされていない。
アクティベーションが必要なので、デスクトップ PCとノートPCの両方にインストールするような使い方ができないし、一度使ってしまうと、もう他の人に譲渡したり、オークションで売却したりできない。