ファストフォース(First Force)とは、2016年生まれの日本の競走馬である。黒鹿毛の牡馬。
主な勝ち鞍
2021年:CBC賞(GIII)
2023年:高松宮記念(GI)
父ロードカナロア、母ラッシュライフ、母父サクラバクシンオーという血統。
説明も特にいらないかと思うが、父と母父は日本で「史上最強のスプリンターは?」という質問の答えはこの2頭のどっちか、というスプリント界のレジェンド2頭。もうこれだけでゴリゴリの短距離血統とわかるやつであるが、母も2歳時に函館2歳SとファンタジーSで2着となり、桜花賞にも出走した馬。降級後は1600万下を突破できず条件馬で終えたが、こちらも走ったレースの大半が短距離。やっぱりどこからどう見ても短距離血統である。
半兄に芝2000mの新潟記念勝ち馬であるアデイインザライフ(父ディープインパクト)がいる。
2016年5月9日、ダノンキングリーなどを生産した浦河町の三嶋牧場で誕生。オーナーはアンジュデジールやシュウジを所有した安原浩司。
馬名は「Fast Force」ではなく「First Force」。馬名意味は「第一の力」と登録されている。ちなみにデビュー前には「サナダマル」という馬名で登録されていた。
栗東・西村真幸厩舎に入厩。デビューは大幅に遅れ、新馬戦も終わった3歳6月であった。この血統なら普通は短距離でデビューさせるところだが、デビューしたのはなんと阪神の芝2400mの未勝利戦。なぜ? ともかく積極的に先行策をとったが、やはり距離が長すぎたか、なすすべもなく13頭中12着に沈む(ちなみにこのレースを勝ったのがあのメロディーレーン)。
その後ダート1800、芝1600、芝1800、芝1800と走らせるも、4着、2着、4着、2着と勝ちきれず、ラストチャンスのダート1700m戦は最下位15着に撃沈。未勝利戦のシーズンが終わってしまう。血統を見ればどう考えても短距離なのに結局一度も1200mを使わなかった理由は不明である。
あえなく中央登録抹消となり、ホッカイドウ競馬の田中淳司厩舎に移籍。門別でのデビューも遅れ、4歳となった2020年の4月だった。初戦の1700m戦で初勝利を挙げるが、続く1800m戦は4着。ここでようやく1200mに距離短縮して2連勝。4戦3勝の成績で、中央競馬への復帰を決めた。
元の西村厩舎に復帰すると、まずは平場の阪神・芝1200mの1勝クラスを2馬身半差で楽勝。続く小倉の2勝クラス・西部スポニチ賞も勝ってあっさり準OPに昇格する。しかし3勝クラスでは調整に失敗し、510kg台だった馬体重が530kg台まで増えてしまい、6着・8着と連敗し4歳シーズンは終了となった。
明けて5歳春は全休。じっくり乗りこんで馬体を絞り、休養明け初戦は7月のCBC賞(GIII)への格上挑戦となった。本来CBC賞は中京競馬場での開催だが、本年及び翌年2022年は京都競馬場での改修工事に伴う開催日割り変更の為、小倉競馬場での代替開催となった。このときの1番人気は地元九州で重賞初制覇を目指す九州産馬のアイドル・ヨカヨカ。2番人気は後にスプリンターズSを勝つピクシーナイト。3番人気は重賞2勝の実績を持つタイセイビジョンというなかなかのメンバー。ハンデ戦でファストフォースは52kgという軽ハンデを貰ったが、ヨカヨカは51kgだしピクシーナイトも53kgと、別に飛び抜けて楽な斤量というわけでもない。鞍上は初騎乗の鮫島克駿、休養明け初戦、重賞初挑戦、ついでに馬体重-18kgと軽ハンデだけでは買いづらい感じで、単勝18.2倍の8番人気だった。もっとも前述の通り前走が太りすぎで、-18kgは適正体重に絞れていただけだったのだが。
レースはスタートでちょっと出遅れたが、鮫島騎手がグイグイ押して内から果敢に先頭へ。ハナに立ったところで押すのをやめるとぴたっと折り合い、前日に芝1200mの日本レコード1:06.4が出た開幕週の綺麗な馬場の最内経済コースを飛ばしていく。直線に入っても脚は止まらず、内からピクシーナイトが猛追してきたが、最後は半馬身振り切ってゴール板へと飛び込んだ。
重賞初挑戦で初制覇。そしてタイムは1:06.0。前日に出た芝1200mレコードをさらに0秒4更新する衝撃の日本レコードとなった。
続いて北九州記念(GIII)では稍重の馬場、ロケットスタートに定評のあるモズスーパーフレアがいたこともあり番手に控えて荒れた内を避け外を回したが、一緒に外を回してきたヨカヨカの末脚に突き放され、逃げ粘るモズスーパーフレアは捕らえきったものの2着に惜敗。
続いてスプリンターズステークス(GI)に乗りこんだが、CBC賞で破ったピクシーナイトの後方でブービー15着に撃沈。11月の京阪杯(GIII)は逃げ粘ったもののエイティーンガールとタイセイビジョンに差し切られ3着。年末は阪神カップ(GII)で1400mに挑戦するも、やっぱり距離が長かったか1200mまでは逃げ粘ったが残り200mで力尽き7着。
明けて6歳となった2022年は1200mに絞って重賞戦線に臨むも、オーシャンS(GIII)9着、高松宮記念(GI)9着、連覇を目指したCBC賞は12着に惨敗した上テイエムスパーダに日本レコードを更新され、北九州記念も10着と振るわない戦いが続く。
そんな中で迎えたセントウルステークス(GII)。4年目の団野大成が初騎乗となったここでは単勝20.7倍の6番人気だったが、スタートから積極的に押していき、逃げるシャンデリアムーンを2番手でぴったりとマーク。直線でシャンデリアムーンをかわして一瞬先頭に立つが、そこで外からカッ飛んできたのが圧倒的1番人気のメイケイエール!あっという間に置いて行かれたが、そこから粘って後続の追撃は凌ぎきり2着を死守した。結局メイケイエールには2馬身半差をつけられたものの、ファストフォース自身もビッグアーサーのコースレコードを0秒1上回るタイムだったので、これは相手が悪かったとしか言いようがない。
団野騎手の好騎乗で復活の兆しを見せた元日本レコードホルダー。次走は引き続き団野騎手でスプリンターズSへ。大舞台でメイケイエールやテイエムスパーダにリベンジしビッグタイトル獲得なるかと期待されたが、道中テイエムスパーダの後ろ2番手につけるも失速し10着となった(ただしメイケイエール(14着)・テイエムスパーダ(15着)には先着した)。
その後、京阪杯は中団から進んだが+20kgも影響してか7着。タンザナイトステークス(OP)では道中後方からの競馬となったが、上がり600m2位の33秒9の末脚で4着となった。これまで好走していたレースでは前目での競馬だったこともあり、脚質転換でもしたのかという話もあった。
そんなわけで7歳初戦のシルクロードステークス(GIII)。負担重量は57.5kgとそこそこついたためか10番人気に落ち込んだ。ハナを主張するマッドクールを前に見つつ4、5番手付近でレースを進め、最終直線で一気に伸びて先頭を狙う。しかしそれよりも早く、もっと後ろから前に出たナムラクレアにアタマ差で振り切られ、マッドクールをクビ差かわしての2着に終わった(ファストフォースは上がり2位タイ、ナムラクレアが上がり最速)。しかし無理に前にいけなくても戦えることを示し、収得賞金も800万円加算できた。
そして挑んだ高松宮記念。人気は因縁のメイケイエールとナムラクレア、4連勝中のアグリが集め、他にも1年3ヶ月ぶりのピクシーナイト、連覇を狙うナランフレグ、前年2着3着のロータスランド&キルロードなど実績馬が多数揃ったがそれぞれ不安要素もありオッズは割れ模様。ファストフォースは32.3倍の12番人気という評価になった。
雨が降りしきり不良馬場となった中京競馬場。ファストフォースは7枠13番からまずまずのスタート。鞍上の団野大成はやや促し、メイケイエールとアグリを外から見るようなポジションを確保する。4角で各馬一斉に追い出され、ファストフォースも目の前のアグリを追ってスパートをかける。直線に入り、ややスペースが空いた真ん中を突いて馬群を突破。勢いに乗って外のアグリを斬り捨て先頭に立ったが、そこへ外からナムラクレアが猛然と突っ込んできた。前走とは逆の構図になったが、今度はこちらが並びかけられてからもう一踏ん張りして追撃を振り払い、1馬身差をつけて勝利。2021年のCBC賞以来実に1年8ヶ月ぶりの勝利が初GI制覇、またデビュー5年目の鞍上・団野大成、開業9年目の西村真幸調教師にとってもGI初勝利となった。
なおマル地(地方競馬からの移籍馬)の中央GI勝利は2014年中山大障害のレッドキングダム以来9年ぶり、平地に限れば2002年のマイルCSを勝ったトウカイポイント以来21年ぶり。中央デビューで未勝利での地方転出から出戻りしてきた馬の中央平地GI勝利は史上初である。また、初勝利が古馬になってからだった馬の平地GI勝利はダイユウサクの1991年有馬記念以来と、いろいろ珍しい記録もついてくる勝利であった。
この後はしばらく休み、秋はセントウルSから復帰予定とのことだったが、結局6月8日付で競走馬登録を抹消したとのこと。今後はアロースタッドにて種牡馬入りし、快速を次世代に伝える役割を担うことになる予定である。
ロードカナロア 2008 鹿毛 |
キングカメハメハ 2001 鹿毛 |
Kingmambo | Mr. Prospector |
Miesque | |||
*マンファス | *ラストタイクーン | ||
Pilot Bird | |||
レディブラッサム 1996 鹿毛 |
Storm Cat | Storm Bird | |
Terlingua | |||
*サラトガデュー | Cormorant | ||
Super Luna | |||
ラッシュライフ 2003 黒鹿毛 FNo.9-e |
サクラバクシンオー 1989 鹿毛 |
サクラユタカオー | *テスコボーイ |
アンジェリカ | |||
サクラハゴロモ | *ノーザンテースト | ||
*クリアアンバー | |||
フレンドレイ 1997 鹿毛 |
*デインヒル | Danzig | |
Razyana | |||
マーチンミユキ | マルゼンスキー | ||
ミユキカマダ |
クロス:Northern Dancer 5×5×5(9.38%)、His Majesty 5×5(6.25%)
掲示板
提供: リュウコツ
提供: 一けだだ一三九
提供: 八つ当たりばったり
提供: harukana
提供: 純愛触手異種妊娠フェチ
急上昇ワード改
最終更新:2025/04/19(土) 01:00
最終更新:2025/04/19(土) 01:00
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