ファン・カルロス1世級強襲揚陸艦とは、スペインで開発された揚陸艦である。
2010年に運用が始められたスペイン海軍初の強襲揚陸艦。
スペイン海軍自体の運用数は1隻だけだがオーストラリア海軍で2隻、トルコ海軍で1隻が運用中である。
ちなみにスペイン、オーストラリアとも元々はアメリカ合衆国から中古輸入したニューポート級戦車揚陸艦の更新用として導入された経緯がある。
全長230m、全幅32mの船体は傾斜12度のスキージャンプ式飛行甲板を左舷に備えた艦首、右舷中央部の大柄な艦橋構造物、大型エレベーターを備えた関係上、飛行甲板より1段下がった艦尾と特徴的な外観をしている。
推進方式も特徴的でガスタービン+ディーゼル発電機で発電した電気でアジマススラスター(可動式推進ポッド)を動かすCODAGE方式を採用したことで推進軸スペースを省いて艦内スペースを広くとることが出来た。
ちなみに最高速度は揚陸時は19.5kt、航空機運用特化時は21ktとなり航続距離は15ktで9,000海里となる。
飛行甲板には6個のヘリコプター発着スポットが設けられているが、 これは中型のNH90を前提としたものであり、大型のCH-47を運用する場合には4個に制限される。 飛行甲板全長は202.3メートルにおよび、スペイン海軍が保有していた軽空母「プリンシペ・デ・アストゥリアス」よりも27メートル長い。これにより、海軍航空隊が保有するハリアー、将来的にはF-35Bの運用にも支障はないとされる。また、航空機の安定運用のために格納式のフィンスタビライザーを有する。エレベーターの配置は前述の艦尾側に加え、艦橋前右舷寄りにも備えられ計2基となる。
飛行甲板直下には格納庫が設けられている。この格納庫は第1甲板を底面として2甲板分の高さを確保しており、長さ138.5m×幅22.5メートルで、ハリアー10機とCH-47輸送ヘリ12機を収容することができる。 これに飛行甲板上に露天係止する機体を含めると、合計で30機を搭載できるとされている。また、格納庫は必要に応じて軽車両向けに転用されることになっており、 左舷中央に車両甲板と連絡する固定ランプとリフトが設置されている。
航空機格納庫直下の主船体内には、第4甲板を底面としてやはり2甲板分の高さを確保して、車両甲板が設けられている。車両甲板は1,400㎡の面積を有しており、戦車46輌などの重装備を収容できる。右舷側前方に2か所のサイドランプが設けられているほか、後方はウェルドックと連続している。 ウェルドックは長さ69.3m×幅16.8mを確保し、上陸用舟艇4隻と複合艇数隻を同時に収容できる。
なおLCAC揚陸艇の運用も可能であるが、ウェルドックの前半部中央に隔壁が設置されているため、1隻しか収容することができない。
また、揚陸を想定しない純粋な輸送艦任務で使用される場合には、 ウェルドックも車両格納庫として転用されるほか、これらのスペースはコンテナの搭載も考慮して設計されている。
個艦兵装としてはRAM艦対空ミサイルの配置スペースはあるものの、基本的に20mm単装機関砲4門、12.7mm重機関銃M2・2丁と軽装である。
これとは別に揚陸作戦や人道支援用に各種医療施設を備えている。
2014年から配備が始まったオーストラリア仕様で『キャンベラ』、『アデレード』の2隻が運用中。オーストラリア海軍にとっては1982年に退役した軽空母『メルボルン』以来の全通甲板艦である。
| 艦載機 | スキージャンプはそのままだがオーストラリア海軍は艦載固定翼機 を保有していないためヘリコプター+UAVしか運用できない。 |
| 兵装 | RWS式25mm機関砲4門+12.7mm機関銃6丁とミサイルこそない が『ファン・カルロス1世』よりは強化されている。 |
| 速力 | 最大20.5ktで固定され、航続距離は15ktで8000海里となる。 |
| 機関 | ディーゼル発電機のみで構成されている。 |
| 艦載機 | 当初はF-35Bを運用する予定だったがアメリカとの関係悪化で中止となり 当面はヘリコプターのみ運用となる。 但しバイラクタル社製UAVを運用する構想がある |
| 兵装 | 就役当初からファランクスCIWSを2基(艦首右舷・艦橋後部)に配置。 舷側にはRWS式25㎜機関砲を5門装備。 |
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最終更新:2025/12/10(水) 17:00
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