独特の細長い殻を持ち、一見するとひとつの筒のようにも見えるが、これでもれっきとした二枚貝。実際に触ってみたり、調理したりすると二枚貝であることがよくわかる。
砂浜に1mほどの深さの細い穴を掘って暮らしており、穴から水管を出してプランクトン類を捕食する。この水管には節があり、敵に襲われたり驚いたりすると容易にちぎれて取れてしまう。要するにとかげのしっぽのようにここを切除することで本体が逃げる算段であるが、そのぶん水管はよく砂浜に住む魚たちの格好の餌として食べられてしまうようである。
マテ貝は巣穴深くに潜っており、これを普通に熊手などで掘り起こすのは容易ではない。そこで、独特の採取方法が用いられる。
砂浜の表面を鍬やスコップなどで少し削ると、マテ貝の穴が現れる。ここに食塩を入れると、塩分濃度が急に上昇したことに驚いたマテ貝が飛び出してくるので、ここで殻をしっかりと摘まみ、ゆっくりと引き上げる。
マテ貝も必死で抵抗するが、ここで急いで引き抜くと足がちぎれてしまうため、マテ貝の引きが弱まったタイミングで抜き上げ、また抵抗するなら無理をしない……というように、魚を釣る時と同じようにして引き抜いていくと全部採れる。
上級者はマテ貝が飛び出してくるタイミングに合わせて引き抜くことで、非常に素早く採取できるらしいのだが、難しいのでまずは飛び出してくるのをよく見て、掴めそうな時にしっかりと掴むとよい。殻部分が大きく露出しないときは、砂ごと掴むようにすると殻を掴める。
たまに違う生物の穴だったり、マテ貝でもちゃんと出て来なかったりすることもあるので、そういうときは他を当たろう。だが、たまに時間差で出てくることも。
慣れると結構簡単にたくさん採れるため面白い。潮干狩りのターゲットとして家族でマテ貝を掘りに行く人も多い。
塩を手で入れると狙いを外しやすく、指にたくさんついてしまうため、食堂でドレッシングを入れているような細い口を持つ容器や、あるいはそのものずばりマテ貝の殻などをスプーンとして使うと入れやすい。
形が奇妙で、なおかつ殻を開けると何かの危険な寄生虫の拡大写真みたいな見た目をしているが、癖がなく非常に美味な貝である。アサリと違って、身が大きく砂抜きもしやすい(サイトによっては「砂抜き不要」としているところもある)のも高ポイント。
癖がないため塩茹でや煮付け、アヒージョなど大抵の貝料理で賞味できるが、最もポピュラーなのがバター焼き。調理が簡単かつ短時間でありながら、食欲をそそるバターの香りと絡まるマテ貝の濃厚なうまみを存分に味わうことができる。ニンニクを効かせても◎。白ワインと一緒にどうぞ。
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最終更新:2024/12/19(木) 00:00
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