ミストラル級強襲揚陸艦とは、フランス海軍が運用している揚陸艦である。
2000年代に建造が開始され、2020年時点で3隻がフランス海軍で運用中。そして後述する事情で2隻がエジプト海軍で運用されている。
全長210m、全幅32mの船体は基準排水量16500t、満載排水量は21500tとなる。機関はディーゼル・エレクトリック+推進ポッド方式を採用して最大19kt弱、航続距離は15ktで10700海里となる。
艦自体の乗員は160人だが有事の際には400人の兵員が搭乗できる。軍用車両は戦車を含めて最大200両以上となり、戦車を搭載できる大型上陸用舟艇なら4隻、歩兵・軽車両むけ小型上陸用舟艇なら8隻、場合によってはLCAC(ホバークラフト式上陸用舟艇)2隻の搭載が可能な規模のウェルドックも備えられている。
アイランド式艦橋と全通甲板を採用したことで空母に見えなくもないが固定翼機の運用は出来ず、最大16機の各種ヘリコプターの運用に対応している。
武装は30㎜機関砲×2、12.7㎜重機関銃M2×4に加え国産携帯式SAMの簡易式連装発射機×2を備えているがこの国産SAMも同じ『ミストラル』の名を冠している。
2016年にエジプト海軍で運用が開始された派生型で2隻が運用中であるが元々はロシア海軍が運用する予定であった。
ロシアは2008年にジョージアに侵攻して親ロシア政権『南オセチア共和国』を分離独立させる目的を果たしたがその際に揚陸能力の不足で部隊増援に支障があった事から揚陸艦の新規導入の機運がロシア連邦軍の一部で高まったことに加え、軍事通信技術と艦船建造技術の新規習得を求める機運が結びつき、2011年に仏露が合意して建造が開始され、2014年には配備が開始される予定であった。
だが2014年2月、ウクライナの混乱を受けたロシアのクリミア半島併合の対抗処置として引き渡しは延期され、2015年8月、正式にロシア海軍への配備は中止されフランスは建造費をロシアへ返還した。
しかし配備予定の2隻は既に進水・一定の艤装を終了していた上に船体構造もロシアに合わせていたためフランス海軍での運用は改造が必要であったが費用対効果は低く建造費回収の見込みは無かった。
ところがそこへエジプト海軍が購入へ手を挙げた。エジプトも渦に巻き込まれたアラブの春によって中東の混乱がさらに悪化したため迅速に紛争を抑えるために地上兵力+回転翼機の大量輸送能力を持っていた本級に白羽の矢が経ったのである。
予算に関しては友好国であるサウジアラビアが費用を出したことで賄う事ができた。そして2016年10月までに2隻ともエジプト海軍に就役した。
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最終更新:2024/04/24(水) 04:00
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