偏西風 単語

15件

ヘンセイフウ

2.0千文字の記事
  • twitter
  • facebook
  • はてな
  • LINE

偏西風とは、中緯度(北/南緯30~65度)において西から東に吹く恒常である。中緯度偏西風とも呼ばれる。

概要

前提

偏西風そのものについて説明する前に、まず地球の大気循環について説明する。

付近(低緯度)の地域は太陽を大量に浴びやすく、高温な気となる。地表の空気太陽によって熱せられ膨。その結果密度が低くなり、どんどん上昇していく。これは熱気球の仕組みを想像するとイメージしやすい。暖められて上昇した空気は中緯度(北/南緯30度)上まで移動するが、その間に熱をどんどん放出していき、冷却される。冷却された空気は収縮し密度が高くなるため、今度は地表まで下降していき、近辺まで戻っていく(貿易)。このような近辺から北/南緯30度前後で起きている大気の循環を、モデルを考案したイギリスの気学者の名前から、ハドレー循環と呼ぶ。

一方で極(北極/南極)付近の地域は太陽を浴びづらく、寒冷な気となる。冷却され収縮した空気は密度が低くなるため、地表付近に集まる。その空気は極から高緯度(北/南緯65度)地表を移動するが、その間に熱せられて膨するため、今度は上まで上昇して再び極付近まで戻っていく。このような極近辺から北/南緯65度で起きている大気の循環を極循環と呼ぶ。

文字だけじゃよくわからん!」という方は、こちらの画像を参照のことexitWikipediaコモンズへ飛びます)。

本題

から北/南緯30度前後で起きているのがハドレー循環、極近辺から北/南緯60度前後で起きているのが極循環というのがここまでの話だが、ではその間の中緯度(北/南緯30~65度)地域ではどのような大気の循環が起きているのだろうか。

答えは、中緯度地域の低緯度側(北/南緯30度)ではハドレー循環の下降気流(高気圧)、中緯度地域の高緯度側(北/南緯65度)では極循環の上昇気流(低気圧)が発達しており、は気圧の高い方から低い方に吹くという性質から、北/南緯30度から北/南緯65度にかけて大気が循環している。もっと簡単にいうと、温暖な低緯度地域と寒冷な高緯度地域との寒暖差を緩めるべく、低緯度地域の熱がによって高緯度地域まで運ばれている。このような大気の循環を、理論を提唱したアメリカの気学者の名前から、フェレル循環と呼ばれ、そこで吹いている偏西風である。

ではなぜ偏西風が西から東に吹くのかというと、これは地球の自転による。地球は東側へ自転しているが、低緯度と高緯度では自転速度が異なり、低緯度ほど速く、高緯度ほど遅い。したがって、低緯度から高緯度に吹く偏西風は東向きに曲がる(コリオ)。

以上により、偏西風は北半球では南西から北東、南半球では北西から南東へ吹く。

ただし、偏西風はいつも北東/南東に向かっているわけではなく、波のように、大きく南北に行しながら東へ吹くこともある。その場合、より高緯度の地域に暖かい空気が運ばれたり、より低緯度の地域に冷たい空気が運ばれたりする。また南北に大きく行した偏西風は、ほかの低気圧・高気圧の進路を妨げる可性があり、長期間に渡って同じ低気圧・高気圧が停滞するために、日照りや長などの異常に繋がりやすい。気象庁ではこの南北への行を「東西数」というもので標化しており、中長期的な気予報に活用している。

偏西風の具体的な影響など

関連項目

この記事を編集する

掲示板

おすすめトレンド

ニコニ広告で宣伝された記事

記事と一緒に動画もおすすめ!
Dead by Daylight[単語]

提供: 圧倒的存在感

もっと見る

急上昇ワード改

最終更新:2024/04/28(日) 17:00

ほめられた記事

最終更新:2024/04/28(日) 17:00

ウォッチリストに追加しました!

すでにウォッチリストに
入っています。

OK

追加に失敗しました。

OK

追加にはログインが必要です。

           

ほめた!

すでにほめています。

すでにほめています。

ほめるを取消しました。

OK

ほめるに失敗しました。

OK

ほめるの取消しに失敗しました。

OK

ほめるにはログインが必要です。

タグ編集にはログインが必要です。

タグ編集には利用規約の同意が必要です。

TOP