参考文献とは、調べものをしたときに参考にした論文・書籍・Webページ等のことである。
何かについて論じたり、説明したりするときに、自分の頭の中にある知識だけで書くことは難しい。また、自分が書こうとしている内容を、すでに他の人が書いてしまっていることもある。そのため、文章を書く前や書いている途中に調べものをすることが多いが、このときに参考にした文献を「参考文献」と呼ぶ。
一般にレポート等を書く際、文中に他の文献から引用・要約した内容を載せることが多い。その文献のリストを「参考文献」という項目にまとめ、文末に掲載する。引用・要約して掲載した文章の参考文献を示さないと盗用・剽窃とされ、学術的な場ではペナルティが課される。
なお、引用した文献を「引用文献」とし、これに対して要約など、直接引用してはいないが参考にした文献を「参考文献」と呼ぶ場合もある(1)。ただし、上段落で述べたような広義の「参考文献」は、両方とも含む。いずれにせよ、学術的な場で引用・要約して掲載した文章については、その出典(出どころ)を「参考文献」などの形で示さなければならない。
参考文献は一次資料であることが求められる。ただし、一次資料の入手が不可能・非常に困難である場合を除く。「一次資料って何?」という人は自分で調べるとよい(研究分野によって少しずつ異なる)。
多くの大学生・大学院生は、参考文献を探すために大学の図書館に行ったり、インターネットでCiNiiやGoogle Scholarなどを使って検索をかけたりする。また、高校のレポートでも参考文献の明記を求める場合がある。
【参考文献】
(1)独立行政法人科学技術振興機構「参考文献の役割と書き方」, p.4, 2020年7月5日閲覧.
文章の流れと関係ないものは参考文献とはされない。例えば、文章中に使う、特に内容上重要ではない、ささいな言葉の意味を確認するために辞書で調べる場合は、参考文献にならない。逆に、調べた言葉の意味そのものが論の流れの上で重要となる場合は、参考文献を示した方がよい。
また、その文献の著者が調べて判明・考察したわけではない「周知の事実」については、参考文献は不要とされることが多い(「イヌは哺乳類である」「1945年に日本は終戦を迎えた」など)。ただし、どこまでが「周知の事実」となるかは研究分野によって異なったり、下記にも書かれている通り事実と考察が曖昧になっていたりする場合もあるので注意が必要である。迷ったら書いておくことをお勧めする。
もっとも、文献を調べていてどこまでが「周知の事実」で、どの部分が著者の調査や分析や考察による部分なのか、判断がつかない場合もあると思います。そうした場合は、出典を明記しまし ょう。「粗雑に書いて結果的に剽窃まがいになる」よりも、「必要のない部分まで出典明記した」方がよいのです。
(2)
【参考文献】
(2)早稲田大学教育学部「盗用・剽窃をしていませんか? ルールを守って「正しいレポート」を!」, p.5, 2020年7月5日閲覧.
もちろん剽窃・盗用とならないようにするために参考文献を明記するのだが、他にも理由がある。大浦(2009)の示した内容を要約して挙げる(3)。
特に、その分野の初学者にとっては、CiNii・Google Scholar、大学図書館のデータベースによる検索以外に「論文の参考文献をたどって読む」ことが研究について詳しく知る手掛かりとなる(これは「芋づる法」と呼ばれることがある(4)。そのためにも、参考文献を示す必要がある。
【参考文献】
(3)大浦真「参考文献の書き方」, p.1, 2020年7月5日閲覧.
(4)名桜大学附属図書館「情報探索の手引き|情報探索の流れ」, 2020年7月5日閲覧.
書き方に統一されたルールはなく、提出する場所ごとに異なる。記載項目だけでなく、書く順序や使う記号にも細かい規定がついている場合もある。
参考文献の書き方の一例を示すと
また、学術的な文章では「(1)(2)」などの番号・記号の注や「(山田,2003)」などの文献対照注(5)を示し、その番号や内容に対応させて参考文献のリストをページの末尾、または文章全体の最後に作る。ただし、一般向けの書籍やWebサイトなどでは注が示されず、単に書籍や章の終わりに参考文献のリストだけが載っている場合もある。
【参考文献】
(5)立教大学 大学教育開発・支援センター「Master of Writing」, p.14, 2020年7月5日閲覧.
学術的な文章でニコニコ大百科を参考文献としてはいけない。
その分野の専門家ではない人物でも編集が可能であり、以下に示すように事実ではなかったり、主観的だったりする内容も掲載されているためである。
ニコニコ大百科ではサイトの方針が「面白くて迷惑をかけなければOK」 なので、記事の性質はWikipediaの様に事実を正確かつ詳細に説明した真面目なものや、アンサイクロペディアの様に明らかにネタや冗談だと思われるもの、そして両者の特徴を併せ持った「ジョークを交えて正確かつ詳細に説明した記事」などそれを執筆した人によってさまざま。
(6)
しかし、「ニコニコ大百科そのものが研究対象」、「2008年以降の何らかの現象に対するインターネット上での反応の一例として、ニコニコ大百科の過去の版を引用する」など、必要性があるならば参考文献とできる場合があると思われる。ただしこれは特殊な例であり、原則としてニコニコ大百科を参考文献とするのはNGである。
なお、同様の理由でWikipediaやpixiv百科事典も特殊な事情がなければ参考文献にできない。アンサイクロペディアやchakuwiki、虚構新聞はなおさらである。
学術的な場でないブログ等であれば、ニコニコ大百科等を参考文献とすることはできる。ただし、参考文献の内容が事実と認められるかどうか、本文の信憑性が上がるかどうかは保証されないので使用は自己責任となる。あくまで「一般には」の話だが、「ニコニコ大百科に書いてあった」はそこまで高い信憑性を持たないと思われる。
【参考文献】
(6)ニコニコ大百科「ニコニコ大百科」, 2020年7月5日閲覧.
ニコニコ大百科では、「面白くて迷惑をかけなければOK」という方針を掲げている。そのため、参考文献や出典は必ずしも示さなくてもよく、事実と概ね一致しているか、一定の人に面白く感じられる内容であればよしとされることが多い。
ニコニコ大百科は演説をする場所でもあります。 Wikipediaでは、編集者の意見を記事で述べることは原則的に許されません。 ニコニコ大百科では、個人の随筆・論文・批評文や独自の調査結果も記述できます。 それらを記述する場合には、百科事典の記事として客観性を持ち、誹謗中傷を行わないことが望まれます。 出典がなく第三者が検証できない記述であっても、「面白い」記事であることが重要です。
(7)
ただし、事実と異なりすぎて多くの人に「迷惑をかけそう」であれば、他の執筆者によって修正されることはある(この基準は曖昧であり、その都度掲示板等での話し合いで解決が図られる)。また、引用以外の丸写し行為はNGであり、相応のペナルティが下ることもある。
ニコニコ大百科での参考文献の書き方は統一されておらず、記事ごとによって異なる。脚注をhtmlタグを使ってしっかり示すこともあれば(8)、項目ごとに参考文献を示したり(9)、文章中で文献を示す場合もあったり(10)、最後に参考文献リストを示したり(11)、関連商品の形で示したり(12)、リンクのみで示したり(13)…など多数のスタイルがある。もちろん全く参考文献が書かれていない記事も多い。
「参考文献」だと紙ベースのイメージが出てしまうためか、Webページとの関連が強いニコニコ大百科では「関連リンク」「参考資料」と書かれる場合もある。
また、ニコニコ大百科で参考文献として挙げられる書籍の出版社は民明書房が多い。うそはうそであると見抜ける人でないと(大百科を使うのは)難しい
【参考文献】
(7)ニコニコ大百科「ニコニコ大百科:Wikipediaとの相違点」, 2020年7月5日閲覧.
(9)ニコニコ大百科「波勝崎モンキーベイ」, 2020年7月5日閲覧.
(11)ニコニコ大百科「オタク街」, 2020年7月5日閲覧.
(12)ニコニコ大百科「東ローマ帝国」, 2020年7月5日閲覧.
(13)ニコニコ大百科「ぴえん」, 2020年7月5日閲覧.
…など
掲示板
1 ななしのよっしん
2021/05/03(月) 12:16:18 ID: 9cIDqR+THa
本筋からいって周知の事実とか厳密なソースじゃなくていい場合は俺なら新書本とか概説書とかでソース書くかなあ。
一字一句参照元が必要なら一次ソース、底本、二次ソース、関連する先行研究まで書くけど、よほど生のデータを扱わない限り全部必要な場面って多くないし。
2 ななしのよっしん
2022/07/19(火) 23:01:11 ID: FXJFGoq4rg
ニコ百の記事で参考文献として本のタイトルと著者名を挙げておきながら
本の内容を無視した記事をこの前見かけた
学術論文の世界にもまれにそういうことやる人がいるみたいだし
自分で調べずに鵜呑みにするのは危険なんだろうな
急上昇ワード改
最終更新:2025/04/24(木) 10:00
最終更新:2025/04/24(木) 09:00
ウォッチリストに追加しました!
すでにウォッチリストに
入っています。
追加に失敗しました。
ほめた!
ほめるを取消しました。
ほめるに失敗しました。
ほめるの取消しに失敗しました。