奇偶とは (キグウとは) [単語記事]

奇偶とは、

奇数と偶数の事。
サイコロで奇数と偶数のどちらが出るかに賭けることから、丁半賭博のこと。あるいはそこから派生して、博打全般の事。
2002年に出版された山口雅也の推理小説。

などを表す。ちなみに「予想外な巡り合わせ」「思いがけないことに」「まるで図ったような偶然」といった意味の言葉「奇遇」とは「ぐう」の字が異なる。

以下本記事では、上記の3.の小説について詳述する。

奇

が奇妙な偶然の一致だった。

_せんせい
医師、気が狂いそうで

神がたとえ、私をI'm depressed…………

_{さいころめしい}
人骨の骰子ということがまるで盲の

ている。そんな確率ですべてまるで見張り台からずっと？

宇宙の法則だとしても

_、
奇遇いや……奇偶というだろう

_{（内容紹介より）}

偶

　奇偶とは、2002年に出版された山口雅也の推理小説である。

　ミステリー小説ではタブーとされ、また「御都合主義」とも言われる「偶然」をテーマに、そもそも偶然とは何か、なぜ偶然が起こるのかを事件を通して解体されていく。

　サイコロの出目が全て同じ夜。空から落ちたサイコロで死んだ男。

　猿が偶然キーボードに叩き出した文字列。密室で見つかった異常死体。

　それらの事件が単なる事故なのか殺人なのかが判然としないまま、物語はそもそも『偶然』とは何なのか、易の陰陽思想からシンクロニシティ、量子論に至るまで古今東西のペダントリーに終始していく。また、随所に『偶然』や『サイコロ』に関連した文学作品の引用もなされている。

　四大奇書、特にドグラ・マグラを意識したと思われる部分があり、作中で『ドグラマグラ』という単語が登場し、後半へ進むに従い物語は常識を失っていく。出版社も意識したのか、ノベルスの帯には『四大奇書に連なる第五の奇書』と銘打たれている。

　翌年のこのミステリーがすごい！では3位となる。

奇遇

　偶然にも９・１１事件の起きた日のこと、編集の打ち合わせと取材を兼ねたカジノで作家・火渡雅はサイコロの6のゾロ目を4回連続で出す小人に遭遇する。

　後日火渡は、偶然それまでに何度か出会っていた男が、ちょうどそのカジノのサイコロの電飾がなぜか落下し、それに運悪く衝突し、ちょうど6のゾロ目を上にして押しつぶされるのを目撃する。その後火渡はたまたま発病した眼疾を契機に、ひょんなことから出会った小人に連れられ数奇な事態に飲み込まれていく。また病院では