精神の願望 単語


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セイシンノガンボウ

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《精神の願望》(せいしんのがんぼう)とは、マジック:ザ・ギャザリング(以下、MTG)のカードであり、MTG史上最も許されなかったカードである[1]。初出は2003年発売の『スカージ』。

概要

Mind's Desire / 精神の願望 (4)()()

ソーサリー

あなたのライブラリーを切り直す。あなたのライブラリーの一番上のカードを追放する。ターン終了時まで、あなたはそのカードをそのマナコストを支払うことなくプレイしてもよい。(それがそのマナコストの中にXを含む場合、Xは0である。)

ストーム(あなたがこの呪文を唱えたとき、このターンにそれより前に唱えた呪文1つにつきそれを1回コピーする。)

引用元exit

自分のライブラリーから1枚、ランダム呪文を唱えられるパルプンテ呪文。『スカージ』発売前のプレビューの時点で多くのプレイヤーが「これアカンやつや……」となった、MTG歴史に残るブッ壊れカードの1枚である。

1枚めくるだけだと効率の悪い呪文だが、“ストーム”という力をもっている。注釈にあるように、そのターンに唱えられた呪文の数だけコピーを作るので、例えば2枚呪文を唱えてから《精神の願望》を使うと、コピーが2つと《精神の願望》本体の計3発呪文が飛ぶ。

何が起きるの?

MTGには、0マナ呪文や、マナ間的に増やす呪文が存在する。これらと軽いドロー呪文を組み合わせると、ストームを増やしながら《精神の願望》を使う準備ができる。ある程度ストームの溜まった状態で《精神の願望》を使えば、デッキの中のドロー呪文マナ加速呪文、そして2枚以降の《精神の願望》に簡単にたどり着ける。《精神の願望》でめくれたカードはそのターンの間なら自分で使うタイミングを選べるので、2枚がすぐめくれてもとりあえず保留しておき、他の呪文ストームを増やしてもいい。

ストーム登場以前の“チェインコンボ[2]は、特定カードエンジンマナを増やしたりカードを引いたりすることが多かった(『MoMa』の《精神力》など)。しかし、ストームエンジンドロー呪文マナ加速呪文でさえあればなんでもよく、適当呪文を唱えて《精神の願望》を唱えされすればそれだけでコンボになってしまう。コピーをたくさん作るので、普通の打ち消し呪文では防ぎきれない。

スカージ』には相手のライフを2点失わせて自分がライフを得る《苦触手》や、相手のライブラリーを3枚削る《思考停止》といったストーム呪文もあった。ストームが10をえたところで《苦触手》を使えば20点以上のダメージが入って終了である。

どのくらい許されなかったの?

このカードの強さは、環境にどのくらいマナ加速呪文や軽いドロー呪文があり、火種となる1発でどれだけコピーが作れるかに依存している。使えるカードの範囲が狭いスタンダードでは、このカードはたいした問題にはならず最後まで許された。

強力なマナ加速カードコスト低減カードフリースペル[3]などがあったエクステンデッドでは、デッキの他のカードが許されなくなることはあったが、様々なデッキに形を変えながら《精神の願望》自体は最後まで許された。

ヤバい呪文が数え切れないほど存在する、Type 1(現在ヴィンテージ)とType 1.5(レガシーの前身)ではやっぱりというか、当然というか許されなかった。許されなくなるまでの期間は0日である。

禁止(Type 1.5)、制限(Type 1)まで0日である。

当然ヴィンテージでも制限カードType 1.5から改定されたレガシーでは即日禁止カード定された。本来、カードトーナメントで使われて強さが明されるのが望ましいのだが、テストプレイの段階でゲームバランスを崩壊させることが確定的に明らかだったため、残念でもないし当然である。

ストームという力自体も、“発掘”や“アーティファクト・土地”などと並ぶブッ壊れシステムとして知られており、今後も本流のエキスパンション(=スタンダードで使える)での再録はほぼありえないと開発チームの偉い人からも釘を刺されている。『時のらせん』という、昔の力をたくさん収録するというコンセプトセットで新しいストーム呪文が少しだけ作られたが、《ぶどう弾》や《巣からの総出》など、モダンレガシーで使われるカードが産まれてしまった。

だが、時代は移り変わるもので、2023年8月7日、まさかのレガシーでの禁止解除exitとなった。クリーチャーや各種フリースペルピッチスペルの整備などもあり、コンボデッキが新しい力を得られるようにするため、ということであった。本当に大丈夫なのかは、今後のメタの変遷を見ればわかるだろう[4]

関連動画

関連項目

脚注

  1. *公式トーナメントで使用可になってから1ヵType 1で制限カード定、Type 1.5、エクステンデッドスタンダードウルザブロック構築禁止カード定された記憶の壺とどっちが許されざるカードかは議論の余地があるかもしれない。
  2. *決められた手順を繰り返すのではなく、カードを引く→引いたカードで何かをする……を繰り返すコンボのこと。代表的なものに『MoMa』など。
  3. *解決時にマナコストぶんの土地をアンタップする効果を持つ呪文の俗称。2マナ呪文なら土地が2枚アンタップするが、コスト低減カードがあると解決後に何故かマナが増える
  4. *編集者注:このカード、解決のたびにシャッフルがいるからストームが増えると面倒になりそう
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