風は止んだし、合図も鳴った。
さあ、そろそろ本気で走り始めなくちゃ―――
臙条巴とは、『空の境界』の登場人物の一人。
第5章「矛盾螺旋」のメインキャラ、およびゲストヒロインである。
CVは柿原徹也。
赤い癖っ毛と華奢な体つきをしており、(巴という名も含めて)「女の格好をしていれば、遠目からなら女性と間違えられるだろう」容姿をしている少年。
家庭の事情により、高校を中退して働いている。
臙条家は巴が幼い頃から困窮しており、借金が嵩んで住処を転々としている。巴も借金を返済するために子供の頃から(歳をごまかしての)就労経験がある。両親には愛想を尽かせており、世間擦れが激しい。
唯一の趣味・特技はスプリント。中学時代は名の通った短距離走者だったのだが、高校時代、父親の起こした事故により退部を余儀なくされる。その後は骨身を削って労働し、借金を返済し続けていた。
そうした生活に疲れ切っていた頃、「茅見浜の小川マンション」に引っ越してくるが……
「母親が一家心中する夢」「自分が殺される夢」を毎晩見続け、逆に母親を刺し殺してしまう。
そのまま自暴自棄になりながら街中に繰り出し、呆然としているところを、元同級生に絡まれてしまう。過剰防衛をし、そして一方的にリンチされているところを両儀式に助けられ、そのまま居候することになる。こうして第5章が開幕する。
以下ネタバレにより、反転。
小川マンションは、とある魔術師の「工房」であり、その実験装置。劇中に登場する巴は、実験に使用されていた人形の一体で、つまり彼の身体は偽物ということになる。
本物の巴は冒頭時点で母親の一家心中により殺害されており、彼の見ていた夢は現実に起こった最期である。
小川マンションではすべての住人がすでに死亡しており、活動しているのは彼らの贋作。マンションの仕掛けにより、最期の一日だけを毎日ループしていた。劇中の巴は、偶然によりその螺旋からこぼれ落ちてしまった存在である。
原作小説では「かちり、かちり」などの擬音が何度か記されており、これを暗に示唆しているというギミックが存在する。
起源は「無価値」。彼を葬った魔術師曰く、「お前は何も為し得ない」。
しかし、それが真実かどうかは、おのおのの読者の解釈に依る。
ネタバレ終了。
自分の閉じこもっていた殻を破って覚醒する、という主人公属性を持つ。第5章の大部分で、黒桐幹也に代わって両儀式のパートナーを務めた。
そのような属性、デザイン、本物と偽物といったテーマは、Fate/stay nightの衛宮士郎に受け継がれることになる。
……でもコイツ、なにげに猫耳属性っぽいですよ?(参考:第4回TYPE-MOON人気投票 らっきょチーム)
また、劇場版・空の境界の主題歌を担当するKalafinaの主催、梶浦由記のお気に入りキャラクターでもある。
そのため、第5章・矛盾螺旋の主題歌は、(もっと大衆向けの歌詞にしてはどうか、という原作者の提案を断り)純粋に彼のことを歌い上げたものとなった。
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最終更新:2024/04/20(土) 05:00
最終更新:2024/04/20(土) 05:00
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