違法だよ!あげるくんとは (イホウダヨアゲルクンとは) [単語記事]

違法だよ!あげるくんとは、日本民間放送連盟が実施しているテレビ番組などの違法アップロードに対しての啓発キャンペーン。及びそのテレビCM。

この記事では主にそのキャンペーンについての解説であり、テレビ番組以外の著作権問題については殆ど扱わないので注意。

概要

今日までテレビ番組をニコニコ動画を含む動画投稿サイト等へ権利者の許諾無くアップロードして公開している動画が後を絶たず、また後述の違法行為をする犯罪者を増やさない・人々の認識を深める目的のために、2014年度から行っている「放送番組の違法配信撲滅キャンペーン」の一環として2019年度からこの啓発キャンペーンが実施されている。

2022年には新キャラクターが登場する新作が制作された。（新キャラのあげ杉さんがあの人を諷喩しているよう。）

テレビ番組には、放送局や制作会社はもちろんのこと、出演者・原作者・脚本家、音楽番組ではレコード会社など多くの関係者が持つ著作権・著作隣接権などが含まれている。そのため、テレビ番組を許諾無くインターネット上にアップロードし公開することは、法律違反である。

＜アップロードについて＞
　インターネット上において無断でテレビ番組をアップロードすることは、著作権法違反となります（１０年以下の懲役または１０００万円以下の罰金（またはその両方）、法人が同様の行為を行った場合は、３億円以下の罰金）。

＜ダウンロードについて＞
　個人的な利用である場合も“違法アップロードされたものであること”を知りながらその動画をダウンロードする行為は違法です。さらに“違法アップロードされたものであること”および“販売（または有料配信等）されている番組であること”を両方知りながらその動画をダウンロードする場合は刑罰の対象となります（２年以下の懲役または２００万円以下の罰金（またはその両方））。

引用元: 放送番組の違法配信撲滅キャンペーン　オフィシャルサイト

現在は、全国の民放テレビ局で啓発CMを放送（主に番組スポンサーが少ない深夜帯）したり、TVerでもCMを放送する活動を行っている。Twitter 広告でも広報活動をしている。

評価

この啓発キャンペーンによって、放送された番組を無断でインターネットにアップロードして公開する行為は違法であるという社会的認識を多くの人々に高めることに成功し概ね好評な意見がある一方で、新作でも「警告するだけで捕まえない」と手厳しい意見もある。

CMに登場するキャラクター

キャラクター説明は公式サイトからの説明を引用。

あげるくん - なんでもかんでもネットにアップロードするのが趣味の16さい。自分の何気ない行動が「無断アップロード」という違法行為だとは、気づいていない。
トメ吉 - あげるくんの家に同居するハスキーボイスの中型犬2さい。あげるくんが番組の無断アップロードをしないようにいつも見張ってくれている。
タメヨちゃん - あげるくんの幼馴染でみんなのマドンナ。人のためになるなら、何でもやる性分でたまに度を越えた奉仕心によって、番組の無断アップロードなど違法行為に手を染めてしまうことも。まだ善悪の区別が不安定な16さい。
未来から来た・あげるくん - 大きな後悔を抱えたアラフォー男性。未来からちょいちょい訪れてあげるくんに注意を促すよ。どうやら若いころやらかした番組の違法アップロードで人生が大きく狂ったみたいだね。
あげ杉さん - いつもパソコンを2台持ち。恐ろしい早技でアップロードをしていく困った子だよ。遊びよりもアップロードを優先するあまり友達からはちょっとめんどくさいなと思われている16さい。

引用元: 放送番組の違法配信撲滅キャンペーン　オフィシャルサイト

Q&A

Q.お金を得ないのであれば、自分で録画したテレビ番組の映像を、動画共有サイトなどのインターネット上にアップロードすることに問題はありませんか。

A.たとえ、非営利・無料であっても、テレビ番組の映像をインターネット上にアップロードし、誰でも閲覧できる状態にすることは「公衆送信権」等の侵害となり、違法となります。

テレビ番組をインターネット上にアップロードするためには、以下のような番組に関係するすべての権利者に許諾をとる必要があります。
　○　放送局
　○　原作者
　○　脚本家
　○　実演家（俳優、歌手、演奏家など）
　○　番組内で使用された音楽の「作詞家・作曲家」、「歌手、演奏家」「レコード会社」
　○　その他、番組内で使用された写真、絵画、映像等の権利者など

　実際には、テレビ番組には権利者（著作権者・著作隣接権者）が多数関わっており、すべての権利者から許諾をとることは難しい場合が多いです。

引用元: 放送番組の違法配信撲滅キャンペーン　オフィシャルサイト

Q.誰でも閲覧できる状態にすることが違法なら、アップロードしたテレビ番組について共有範囲をパスワード等で制限して、友人や同じ社内の人間だけが閲覧できる状態にすれば問題ありませんか。

A.アップロードしたテレビ番組の共有範囲を友人や社内の人間などに限定したとしても、「公衆送信権」等の侵害にあたる可能性があります。

引用元: 放送番組の違法配信撲滅キャンペーン　オフィシャルサイト

検挙例

ユーチューブにＴＶ番組アップした疑い　５人を書類送検

2018年 8月2日 12時27分

　テレビ番組を動画投稿サイトのユーチューブに無断でアップロードしたとして、埼玉県警は２日、千葉県や愛知県に住む男５人を著作権法違反の疑いで書類送検したと発表した。いずれも動画閲覧による広告収入目当てだったと供述しているという。

　サイバー犯罪対策課によると、書類送検されたのは１７～４８歳の高校生、作業療法士や会社員など５人。それぞれ昨年１１月～今年１月、テレビ朝日や日本テレビの番組など計２４本を無断でユーチューブにアップロードし、公開した疑いがある。

　動画は多いもので約３０万回視聴された。５人中４人は、今回違法に公開した動画以外の分も含めた広告収入として、ユーチューブ側から約６万～３３３万円を受け取り、生活費などにあてたという。県警が昨年末、日本民間放送連盟から相談を受け捜査していた。

引用元: ユーチューブにＴＶ番組アップした疑い　５人を書類送検：朝日新聞デジタル