87式自走高射機関砲 単語


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87式自走高射機関砲とは、陸上自衛隊高射特科部隊の装備する装軌式自走高射砲である。

概要

戦車を中心とする機動部隊に随伴して低防御を行う。当初は61式戦車ベース体にして開発することが検討されたが、結局74式戦車に追随するためには74式の体を使うほかはないと判断された。もっとも量産型では、ゲパルトより進歩したコンピューターを詰め込んだ74式戦車より重いのに、エンジン力はそのままで改善されなかった為、74式にした機動はできないようである。搭載している35mmには、牽引式のL-90では装着が可フラッシュハイダー(消炎器)を取り付けることが出来ず、初速測定器が常時付けっぱなしになる。戦闘室は電子機器で埋まっており、操縦席の隣にもAPUが増設されていて、かなり窮屈なAFVとなっている。[1]前部の出っりも恐らく入り切らなかった電子機器が詰め込まれているものと思われる)

全般的なレイアウト等は、ドイツ陸軍パルト自走高射機関を大きく参考にしているのは事実である。
しかし後発の強みを活用し、火器管制装置はほぼ全にデジタル化された。より高精度なものを搭載。
電子戦環境下も想定し、複数のカメラ及び赤外線暗視装置レーザー測距儀なども搭載している。

武装はL90と同じくスイスリコン製90口径35mm機関で、2門合計毎分1,100発の発射速度を誇る。1175m/sの高初速、上述した高精度な火器管制装置の支援もあり、その威力は非常に大きい。反面、近年の攻撃ヘリ対戦車ミサイル。その射程拡に伴い、地対誘導弾部隊との協働が不可欠でもある。

2010年代現在においても、特に低高度標に対しては非常に有力な装備ではある。しかし如何せん、他の同種の装備と同様。単価が大きく高騰し製造台数は50台あまりで終了。高射特科教導隊、第7高射特科連隊、第2高射特科大隊の一部への配備に留まった。

結果としてはL90高射機関代替、後継は93式近距離地対空誘導弾に委ねる形になってしまった。但し日本一の機甲師団、そして機械化師団へ集中配備することにより、万が一の一有事の際、最後の切り札の機動打撃部隊に強力な防網をさしかけることが可となっている。

なお、射撃(対地射撃)も可であり、近年の総合火力演習では敵攻撃ヘリと見立てた地上標へ、毎分1,100発の弾幕の実弾射撃を実施。誘導弾より射程には劣るが、その圧倒的な火力を見ることが出来る。 

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脚注

  1. *陸上自衛隊車両装備史;1950~1991 戦車マガジン11月号別冊
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